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II 高齢者の暮らし
高齢単身世帯の住宅は相対的に設備水準が低い
- 高齢者のいる世帯の住宅の設備状況は、洋式トイレのある住宅の割合(洋式化率)83.5%、浴室保有率97.0%、洗面所保有率90.6%となっており、居住世帯のある住宅とほぼ同水準にあります。
また、高齢者のいる世帯の住宅の設備状況を世帯の型別にみると、高齢単身世帯は高齢夫婦世帯及びその他の高齢者世帯に比べ、どの住宅設備においても低い水準であることが特徴となっています。(図3)
高齢者の就業割合は欧米より高い
- 我が国の高齢者の就業者数は477万人、65歳以上人口に占める就業者の割合は19.7%となっています。
欧米諸国における65歳以上人口に占める就業者の割合をみると、アメリカ合衆国が13.5%、カナダが7.1%、イギリスが5.8%、イタリアが3.3%などとなっており、我が国は欧米諸国より高い水準にあります。(表3)
高齢無職世帯の家計簿は約3万6千円の赤字
- 二人以上の世帯のうち、高齢無職世帯(世帯主が65歳以上で無職の世帯)について、可処分所得と消費支出をみると、可処分所得は減少傾向となっていますが、消費支出はほぼ同程度の水準で推移しています。
- 消費支出に対する可処分所得の不足分をみると、平成12年(20,225円)から14年(37,617円)にかけて約2倍に拡大しましたが、15年は前年より2,063円縮小し、35,554円となりました。高齢無職世帯の家計簿は、約3万6千円の赤字ということになります。この赤字分は貯蓄の取り崩しなどで賄われています。(図4)
高齢者世帯の貯蓄額(中位数)は、ほぼ1600万円
- 二人以上の世帯のうち、高齢者世帯(世帯主が65歳以上の世帯)の貯蓄現在高階級別(標準級間隔200万円)の世帯分布をみると、1600万円未満の世帯が50.0%注)とな っており、世帯全体を二分する貯蓄現在高の中位数は、ほぼ1600万円となっています。
また、世帯が最も多く分布している階級は、400〜600万円未満となっています。(図5)