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III 高齢者の家計
贈与金などの交際費の割合が高い「世帯主が高齢者の世帯」の消費支出
二人以上の世帯と単身世帯を合わせた総世帯のうち、平成20年の「世帯主が高齢者の世帯」の消費支出をみると、1世帯当たり1か月平均で21万6897円と、総世帯(26万1306円)に比べ約4万4000円少なくなっています。
消費支出の内訳を総世帯と比べると、「世帯主が高齢者の世帯」は、贈与金などの交際費の割合が4.7ポイント、保健医療サービスや医薬品などの保健医療の割合が1.6ポイント、それぞれ高くなっています。また、食料の割合が1.4ポイント高くなっていますが、このうち外食の割合は、「世帯主が高齢者の世帯」の方が1.6ポイント低くなっており、総世帯よりも自宅で食事する割合が高いことがうかがえます。
一方、ガソリン代などの自動車等関係費や移動電話通信料などの交通・通信の割合が3.6ポイント、教育が3.3ポイント、それぞれ低くなっています。(図6、表3)
上昇する高齢無職世帯の平均消費性向
総世帯のうち高齢無職世帯(世帯主が65歳以上で無職の世帯)について、平成20年の1世帯当たり1か月平均の消費支出をみると、前年より増加し20万6181円となっています。また、可処分所得は前年より若干増加し16万4312円となり、消費支出に対する可処分所得の不足分も、前年より増加し4万1870円となりました。この不足分は預貯金などの金融資産の取崩しなどで賄われています。
平成15年からの推移をみると、消費支出は20万円台で推移していますが、可処分所得は減少傾向にあり、平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)は、15年(118.2%)から20年(125.5%)にかけて約7ポイント上昇しました。(図7)