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I 進行する少子・高齢化
1 我が国の人口構造は少子・高齢化が進行
平成17年の人口(1億2776万人)を年齢3区分別にみると,15歳未満人口は1740万人(総人口の13.6%),15〜64歳人口は8337万人(同65.3%),65歳以上人口は2682万人(同21.0%)となっている。
これを平成12年と比べると,15歳未満人口は107万人(5.8%)減,15〜64歳人口は285万人(3.3%)減,65歳以上人口は481万人(21.9%)増となっている。また,総人口に占める割合は,15歳未満人口が1.0ポイント低下したのに対し,65歳以上人口は3.7ポイント上昇しており,我が国の人口構造は少子・高齢化が進行している。(表1-1,1-2,図1-1)
表1-2 年齢(3区分)別人口増減数の推移-全国(大正9年〜平成17年)
2 65歳以上人口の割合は21.0%に上昇し,世界でも最も高い水準
65歳以上人口(老年人口)は2682万人で,総人口に占める割合は21.0%と調査開始以来の最高を更新している。
総人口に占める老年人口の割合の推移をみると,昭和25年以前は5%前後で推移していたが,その後は拡大が続き,60年には10%を超え,次第に拡大幅を広げている。特に後期高齢者(75歳以上人口)は,平成12年と比べると,317万人(35.2%)増と大幅に増加している。(表1-1,1-2,図1-1)
老年人口の割合について諸外国と比べると,我が国はイタリア(20.0%)を超え,世界で最も高い水準となった。(表1-4,図1-2)
資料:United Nations, World Population Prospects, 2004年版による。ただし,日本は国勢調査の結果による。
老年人口の割合を都道府県別にみると,秋田県が28.1%と最も高く,次いで島根県が28.0%,高知県が27.1%などとなっている。一方,最も低いのは埼玉県で16.9%,次いで神奈川県が17.3%,沖縄県が17.4%などとなっている。これを平成12年と比べると,奈良県の5.0ポイント増を最大とし,すべての都道府県で上昇しており,全国的に高齢化が進行している状況
にある。(表1-3)
3 15歳未満人口の割合は13.6%に低下し,世界で最も低い水準
15歳未満人口(年少人口)は1740万人で,総人口に占める割合は13.6%と調査開始以来の最低を更新している。
総人口に占める年少人口の割合の推移をみると,昭和20年以前は36%台で推移していたが,第1次ベビーブーム後の昭和25年以降縮小が続き,昭和50年には第2次ベビーブームによる出生率の上昇により一時拡大したものの,55年には再び縮小に転じ,その後も縮小が続いている。(表1-1,1-2,図1-1)
年少人口の割合について諸外国と比べると,我が国はブルガリア(13.8%),イタリア(14.0%)などより低くなり,世界で最も低い水準となった。(表1-4)
年少人口の割合を都道府県別にみると,沖縄県が18.9%と最も高く,次いで滋賀県が15.2%,佐賀県が15.1%などとなっている。一方,最も低いのは秋田県と東京都で共に11.7%,次いで大分県が12.4%などとなっている。これを平成12年と比べると,鹿児島県の2.4ポイント減を最大として,すべての都道府県で低下しており,全国的に少子化が進行している状況にある。(表1-3)
4 15〜64歳人口の割合は65.3%に低下し,主要先進国の中ではフランスに次いで低い水準
15〜64歳人口(生産年齢人口)は8337万人で,総人口に占める割合は65.3%となっている。
総人口に占める生産年齢人口の割合の推移をみると,昭和25年以前は60%弱で安定して推移していたが,その後は拡大を続け,第2次ベビーブーム期の出生人口が15歳以上に達した平成2年には調査開始以来最も高くなったが,この時をピークにしてその後は縮小が続いている。(表1-1,1-2,図1-1)
生産年齢人口の割合について主要先進国(フランス,ドイツ,イタリア,イギリス,カナダ,アメリカ合衆国)と比べると,我が国はフランス(65.2%)に次いで低い水準になっている。(表1-4)
生産年齢人口の割合を都道府県別にみると,埼玉県が69.0%と最も高く,次いで東京都が68.7%,神奈川県が68.6%などとなっており,これらを含む11都府県で全国平均(65.3%)を上回っている。一方,最も低いのは島根県で59.1%,次いで鹿児島県が59.9%,岩手県が60.1%などとなっている。これを平成12年と比べると,大阪府の4.0ポイント減を最大とし,すべての都道府県で低下している。(表1-3)
人口の年齢構造の変化を人口ピラミッドによってみると,昭和25年までは,若い年齢ほど人口が多くすその広い,いわゆる「富士山型」であった。しかし,その後は出生数が減少し,昭和35年には人口減退を示す「つぼ型」に近くなった。昭和30年代の終わり頃から第2次ベビーブームの40年代後半にかけて,出生数がやや増加し,ピラミッドのすそが再び広がって「星型」に近くなったが,48年をピークに出生数が再び減少傾向となり,平成17年には55〜59歳と30〜34歳を中心とした二つの膨らみを持つ「逆ひょうたん型」となっている。(図1-3)
図1-3 人口ピラミッドの推移
大正9年(1920年) (富士山型) |
昭和35年(1960年) (つぼ型) |
昭和45年(1970年) (星型) |
平成17年(2005年) (つぼ型) |
5 未婚率は女性25〜34歳,男性30歳代で大きく上昇
男女別15歳以上人口を配偶関係(注)別にみると,男性(5308万人)は,未婚者が1638万人(未婚率30.9%),有配偶者が3256万人(有配偶率61.3%),死別者が159万人(死別率3.0%),離別者が173万人(離別率3.3%)となっている。一方,女性(5711万人)は,未婚者が1295万人(22.7%),有配偶者が3268万人(57.2%),死別者が794万人(13.9%),離別者が296万人(5.2%)となっている。(表1-5)
(注)配偶関係については次の4つの区分としている。「未婚者」はまだ結婚したことのない人,「有配偶者」は妻又は夫のある人,「死別者」は妻又は夫と死別して独身の人,「離別者」は妻又は夫と離別して独身の人。
男女別15歳以上人口について,未婚率を年齢階級別にみると,男女共に若年層で引き続き上昇している。平成12年と比べると,女性は25〜29歳及び30〜34歳でそれぞれ5.9ポイント,6.0ポイント上昇しており,25〜29歳の未婚率は59.9%となっている。一方,男性は30〜34歳及び35〜39歳でそれぞれ4.8ポイント,5.2ポイント上昇しており,30〜34歳の未婚率は47.7%となっている。(表1-6,図1-4)
男女別15歳以上人口について,配偶関係別割合を都道府県別にみると,男性の未婚率は,東京都が37.2%と最も高く,次いで沖縄県が36.1%,神奈川県が34.8%などとなっている。一方,最も低いのは和歌山県で25.2%,次いで秋田県が25.9%,福井県が26.1%などとなっている。
女性の未婚率は,東京都が29.2%と最も高く,次いで沖縄県が26.7%,京都府が25.1%などとなっている。一方,最も低いのは島根県で17.1%,次いで富山県が17.4%,福井県が17.7%などとなっている。(表1-7)