統計の歴史トリビア

昔の統計の雑学を紹介します。

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明治時代にいくつ統計があったのか?

土地・人口・産業など21の分野で構成


明治時代には、欧米諸国に倣い国の状況を示す総合統計書を編纂しました。明治5年(1872年)に「辛未政表」が発行され、その後に改定が繰り返され、明治15年(1882年)に現在まで続く「統計年鑑」を創刊しました。
この「統計年鑑」の初号は、土地、人口、農業、山林、漁業及び製塩、鉱山、工業、通運など21分野で構成しています。

写真:統計年鑑

最初の「統計年鑑」には、内務省戸籍局が調査した明治5年(1872年)から明治13年(1880年)までの各年の日本全国の人口と、明治9年(1876年)、明治12年(1879年)、明治13年(1880年)の地域別の人口が、初めて掲載されました。なお、この人口の数値は戸籍や出入寄留者数の加除に基づいているため、本籍人口に近くなっています。

21分野の説明画像です。「土地」は日本国の経緯度、気象(主要都市の最高・最低気温など)、地域別の農地と宅地の面積などの集計表を掲載しています。「人口」は全国の人口、地域別の人口、全国年齢階級別人口のなどの集計表を掲載しています。「農業」は今日の作物別の栽培面積、収穫量、牛馬の集計表を掲載しています。「山林」は官林の面積、立木数、各県の薪炭の量とその費用などの集計表を掲載しています。「漁業及び製塩」は漁獲量の全国と旧国別、製塩生産量の全国と地域別などの集計表を掲載しています。「鉱山」は官営と市営の金属種別の産出量などの集計表を掲載しています。「工業」は酒類醸造、度量衡製作などの集計表を掲載しています。「通運」は郵便物の量、電信局数、鉄道収支、馬車・人力車・牛車などの台数、商船数や総トン数などの集計表を掲載しています。「銀行及び金融」は国立銀行や私立銀行の状況が分かる集計表を掲載しています。「外国貿易」は全国の輸出入状況、各港の輸出入状況が分かる集計表を掲載しています。「衛生」は衛生局職員数、医師・産婆・薬師の人数、病院別・病症別患者数、病症別死亡者数などの集計表を掲載しています。「社寺」は寺と神社の数、宗派別の聖職者数が分かる集計表を掲載しています。「教育」は小学校や中学校などの学校数、教員数、生徒数などの集計表を掲載しています。「警察」は警察職員数、罪状別犯罪者数、罪状別犯罪被害者数などの集計表を掲載しています。「監獄」は刑務所の収容者数などの集計表を掲載しています。「司法」は裁判所の数、職員数、訴訟件数、刑罰別の受刑者数などの集計表を掲載しています。「陸軍」は常備兵力の舞台数と人数、予備役の人数などの集計表を掲載しています。「海軍」は軍艦ごとに船の種類、大きさ、乗員数などをまとめた一覧などを掲載しています。「財政」は国庫の歳入と歳出、各県の税収と支出が分かる集計表を掲載しています。「政事」は管理の人数、官雇外国人職掌別人数などの集計表を掲載しています。「北海道」は開拓使の本庁舎と支庁舎の一覧、開拓使設置以来の開拓地面積、戸籍数や人口、家畜の頭数などの集計表を掲載しています。