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平成26年4月14日
総務省
統計トピックスNo.80
我が国の科学技術を支える女性研究者 -科学技術週間にちなんで-
科学技術研究調査は、我が国における科学技術に関する研究活動の状態を把握することを目的として、毎年実施している調査です。
今回は、本調査の結果から、我が国の科学技術を支える女性研究者の実態について御紹介します。
女性研究者数の推移
我が国の女性研究者数は、平成25年3月31日現在で12万7800人となり、過去最多を更新しました。
研究者全体に占める女性の割合は、14.4%となり、過去最高を更新しました。
図1 女性研究者数(実数)及び割合の推移(平成15年〜25年)
注)各年3月31日現在
女性研究者の所属組織別人数、割合
平成25年3月31日現在の女性研究者数を所属する組織別に10年前の平成15年と比較すると、全ての組織で男性を上回る増加率となっており、特に企業及び大学等の女性研究者数の増加率は、それぞれ55.3%、40.6%と高い値となっています。
また、女性研究者の割合を組織別にみると、大学等が25.0%と最も高く、次いで非営利団体・公的機関(15.4%)、企業(8.0%)となっています。
図2 女性研究者の所属組織別人数(実数)(平成15年・25年)
注)平成15年の企業には、一部の特殊法人・独立行政法人が含まれている(以下同じ。)。
図3 女性研究者の所属組織別割合(平成15年・25年)
女性研究者の増加が著しい専門分野、産業
女性研究者の多い大学等及び企業について、平成15年から25年の間の増減率を男女別にみると、大学等では、「材料」、「機械・船舶」、「林産」などの分野で女性の増加率が男性を大きく上回っています。
企業では、「石油製品・石炭製品製造業」、「運輸業,郵便業」、「鉄鋼業」などで女性の増加率が男性を大きく上回っています。
図4 大学等における研究者の男女・専門分野別増減率(平成15年・25年)
注)平成24年から追加した「情報科学」及び「心理学」を除外して算出している。
「その他の工学」、「その他の農学」及び「その他の保健」の具体例については、図6を参照。
図5 企業における研究者の男女・産業別増減率(平成15年・25年)
注)平成15年と25年では産業分類が異なるため、比較ができない産業を除外して算出している。
「その他の製造業」の具体例については、図7を参照。
女性研究者の専門分野別割合(大学等)
平成25年3月31日現在の大学等における専門分野別の女性研究者の割合をみると、「看護」が90.2%と最も高く、次いで「家政」が81.9%、「心理学」が42.6%となっており、最も低いのは「航空」で2.9%となっています。
図6 女性研究者の専門分野別割合(大学等)(平成25年)
注)研究内容によって専門分野に分類したものであり、複数分野に該当する者は、主な分野(一つ)に分類している。
女性研究者の産業別割合(企業)
平成25年3月31日現在の企業の産業別の女性研究者の割合をみると、「食料品製造業」が29.1%と最も高く、次いで「農林水産業」が27.7%、「医薬品製造業」が23.8%となっており、最も低いのは「運輸業,郵便業」で3.1%となっています。
図7 女性研究者の産業別割合(企業)(平成25年)
女性研究者の割合に関する国際比較
我が国の研究者全体に占める女性の割合は過去最高を更新しましたが、主要国と比較するといまだに低い水準となっています。
図8 主要国における女性研究者の割合
資料:OECD “Main Science and Technology Indicators”
(ロシア…2012年時点、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス及び韓国…2011年時点)
国立科学財団(NSF) “Science and Engineering Indicators 2014”(アメリカ…2010年時点)
注)アメリカについては、雇用されている科学者(scientists)における女性割合(人文科学の一部及び社会科学を含む。)。
◆ 科学技術研究調査とは
我が国における科学技術に関する研究活動の状態を調査し、科学技術振興に必要な基礎資料を得ることを目的とし、総務省統計局が毎年実施している統計調査です。
調査結果は、国民経済計算確報の推計や、科学技術白書を始めとする各種白書の作成などに利用されています。
お問合せは・・・
総務省統計局統計調査部経済統計課 科学技術研究調査係
〒162-8668 東京都新宿区若松町19番1号
電話: (03)5273-1169(ダイヤルイン)
E-Mail: e-kagaku@soumu.go.jp