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平成26年1月24日
総務省
統計トピックスNo.77
世界に躍進する我が国の科学技術力 -科学技術研究調査の結果から-
科学技術研究調査は、我が国における科学技術に関する研究活動の状態を把握することを目的として、毎年実施している調査です。
今回は、本調査の結果から、我が国企業の技術貿易収支について御紹介します。
技術貿易とは、諸外国との間における特許権、ノウハウの提供や技術指導等、技術の提供又は受入れのことをいいます。これらの技術は、科学技術に関する研究活動の成果でもあることから、技術貿易収支は、我が国企業の技術力・産業競争力を把握する重要な指標の一つとなっています。
技術貿易収支の推移
我が国企業の技術貿易収支をみると、2012(平成24)年度では技術輸出による受取額は2兆7210億円、技術輸入による支払額は4486億円で、技術貿易収支額(輸出−輸入)は2兆2724億円と過去最高の黒字となりました。
技術貿易収支は、1993(平成5)年度以降、20年連続で黒字となっています。
図1 技術貿易収支の推移
注)1996(平成8)年度から「ソフトウェア業」、2001(平成13)年度から「卸売業」、「銀行・信託業」、「貸金業、投資業等非預金信用機関(政府関係金融機関を除く)」、「補助的金融業、附帯業」、「証券業、商品先物取引業」、「保険業(保険媒介代理業、保険サービス業を含む)」、「情報処理・提供サービス業」、「専門サービス業(他に分類されないもの)」、「その他の事業サービス業」及び「学術研究機関」を調査の対象に追加した。
※「技術輸入(支払額)」はマイナス表示としている。
主要国における技術貿易収支額の推移
我が国の技術貿易収支額は、主要国(G8)と比較すると第2位(比較可能な最新時点)となっています。
図2 主要国における技術貿易収支額の推移
資料:日本以外は、OECD「Main Science and Technology Indicators」
注1)日本の値は年度。
注2)フランスの値は2003年まで。カナダの値は2010年まで。
技術貿易収支の推移(親子会社間取引を除く)
技術貿易には、我が国企業の海外現地法人(子会社)からのライセンス収入等の親子会社間の取引と、親子会社間以外の取引とがあります。
親子会社間取引を除いた技術貿易収支額についても、2012(平成24)年度は3597億円の黒字となっており、2006(平成18)年度以降、7年連続で黒字となっています。
図3 技術貿易収支の推移(親子会社間取引を除く)
注)親子会社間取引については2001(平成13)年度から把握を開始したため、データは2001年度以降のみ。
※「技術輸入(支払額)」はマイナス表示としている。
産業別技術貿易収支額の構成比
親子会社間取引を含む技術貿易収支額の構成比を産業別にみると、2012(平成24)年度では輸送用機械器具製造業が64.1%と最も大きく、次いで、医薬品製造業(10.9%)、情報通信機械器具製造業(5.0%)などとなっています。
一方、親子会社間取引を除いてみると、医薬品製造業が43.7%と最も大きく、次いで、輸送用機械器具製造業(37.3%)などとなっています。
図4 産業別技術貿易収支額の構成比(2012年度)
◆ 科学技術研究調査とは
我が国における科学技術に関する研究活動の状態を調査し、科学技術振興に必要な基礎資料を得ることを目的とし、総務省統計局が毎年実施している統計調査です。
調査結果は、国民経済計算確報の推計や、科学技術白書を始めとする各種白書の作成などに利用されています。
お問い合わせは・・・
総務省統計局統計調査部経済統計課 科学技術研究調査係
〒162-8668 東京都新宿区若松町19番1号
電話: (03)5273-1169(ダイヤルイン)
E-Mail: e-kagaku@soumu.go.jp