学校における統計教育の位置づけ

概要

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂されています。

平成29年に小学校・中学校の新学習指導要領、平成30年には高等学校の新学習指導要領が公示されました。これら新学習指導要領は、小学校では令和2年度、中学校では令和3年度から全面実施され、高等学校では令和4年度から入学生から年次進行で実施されることとなっています。

改訂のポイントでは、理数教育の充実に係る事項として・必要なデータを収集・分析し、その傾向を踏まえて課題を解決するための統計教育の充実(小学校:算数、中学校:数学)について言及されています。

新学習指導要領に関する詳しい情報は、文部科学省のウェブサイトの「平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等」のページ別ウィンドウで開きますをご参照ください。

新学習指導要領で強化された統計教育のポイント

文部科学省初等中等教育局視学官 長尾 篤志
※「統計調査ニュース 平成31年2月号」より抜粋

昨年(2018年)3月に高等学校学習指導要領が公示されました。この学習指導要領は2022年に高等学校に入学した生徒から年次進行により適用されることになっています。
数学科では、「数学的活動の一層の充実」や「統計教育の一層の充実」などをその特色としています。

統計教育については、高等学校数学科だけではなく、一昨年(2017年)3月に公示された小学校及び中学校学習指導要領の小学校算数科、中学校数学科でも充実させる方向になっています。その背景として、近年のデータサイエンスの進展や、いろいろな場面でデータに基づいた意思決定が重視されるようになったことがあげられると思います。

新学習指導要領は、次のような特色をもっています。

  • 育成すべき資質・能力の明確化
  • 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善
  • カリキュラム・マネジメントの実現

高等学校数学科では、主体的・対話的で深い学びを「数学的活動を充実した学び」と捉えています。

数学はその抽象性ゆえ、前提条件を満たせば結果を様々な事柄に適用できるのです(数学の実用性)が、現実的にはそのような数学のよさを生徒に十分感じ取らせていない可能性もあります。統計的な内容は数学の実用性を生徒に感じ取らせる、適した内容だとも言えます。情報科の内容や総合的な探究の時間の取組などとも関連付けて様々な場面で活用できる統計活用力を育てるとともに、統計的な内容の学習を通して高等学校数学科の他の内容への興味や関心を高めるようにしていただきたいと考えています。

先生方へ「補助教材」ご利用の際の留意点

「補助教材」は、学校の先生方が、そのまま、あるいは適宜アレンジを加えるなどして、統計教育にご活用いただくことのできる素材として作成したものです。

この教材では、統計局の実践する統計調査の結果の中から、新聞や雑誌などで紹介されることの多い、暮らしに身近な話題に関するものを中心に選んで、素材として使用していますが、素材によっては、児童・生徒の皆さんには理解しにくかったり、誤解を生んだりする可能性も皆無ではありません。

そのため、「補助教材」を教室でご活用いただくに当たっては、その内容をご確認いただき、必要に応じて教育的見地からアレンジを加えていただくなど、生徒達への十分なご配慮をお願いいたします。

新学習指導要領及び学習指導要領解説(統計教育部分抜粋)

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