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2 高齢者世帯と最寄りの医療機関までの距離について
近年,医療について,地域格差の観点で取り上げられることがあります。この場合,人口当たりの病院数や医師の数でみることが多いようです。住宅・土地統計調査の確報集計結果からは,住居から最寄りの医療機関,老人デイサービスセンターなどまでの距離という観点でも住環境をとらえることができます。
ここでは,人口の高齢化,核家族化が進む中,交通弱者といわれる高齢者の住んでいる住居と最寄りの医療機関までの距離の状況について見てみます。
「夫婦とも65歳以上の世帯」のうち最寄りの医療機関までの距離が1km以上の世帯の割合は,6県において40%以上
○ 65歳以上の世帯員のいる世帯,夫婦とも65歳以上の世帯,65歳以上の単身世帯について,住居から最寄りの医療機関までの距離が1km以上である世帯の割合は,それぞれ24.4%,21.5%,17.7%となっています。
これを世帯全体(17.6%)と比べると,それぞれ6.8ポイント,3.9ポイント,0.1ポイント高く,高齢者の住んでいる住居は,相対的に医療機関から遠いところにあることがうかがえます。
○ 住居から最寄りの医療機関までの距離が1km以上である世帯を都道府県別にみると,夫婦とも65歳以上の世帯は,鹿児島県が47.9%と最も高く,次いで岩手県が44.0%,島根県が41.3%などとなっています。一方,東京都が3.2%と最も低く,次いで神奈川県が6.4%,大阪府が7.2%などとなっています。
また,65歳以上の単身世帯は,鹿児島県が43.6%と最も高く,次いで岩手県が40.8%,島根県が39.1%などとなっています。一方,東京都が2.8%と最も低く,次いで神奈川県及び大阪府が共に4.4%などとなっています。
○ この割合が最も高い都道府県と最も低い都道府県の差をみると,夫婦とも65歳以上の世帯では44.7ポイント,65歳以上の単身世帯では40.8ポイントと大きなものとなっています。
※2 医療機関は,診療科目として内科,外科,あるいは小児科のいずれかを含む常設の病院・医院・診療所
※3 最寄りの医療機関までの距離は,住居のある調査区(国勢調査の調査区)の中心から医療機関までの距離
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