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統計Today No.31
「統計図書館」で統計について知識を深めませんか
総務省統計研修所統計図書館長 花ヶ崎 道子
統計図書館は、皆様に統計をよりよく活用していただくために、統計に関する情報や知識を広く提供する役割を担っています。統計について調べたい、もっと知りたいと思われる方は、是非、統計図書館を御利用ください。
統計図書館はこのような図書館です
統計図書館は、国内や外国の統計書や明治以降の統計資料などを幅広く集めている統計の専門図書館です。また、国立国会図書館の支部図書館でもあります。当館の歴史は古く、明治14年6月太政官統計院の中に「書籍掛」が置かれたことに始まります。
統計図書館は、一般の方にも開放し、図書・資料の閲覧などのサービスを行っていますので、統計に関する資料をお探しの際は、お気軽に御利用ください(利用案内)。
蔵書と蔵書検索について
統計図書館の蔵書は、主に統計関係分野の書籍です。国内の図書としては、総務省統計局(以下、「統計局」という。)を始め、内閣府や各省庁、都道府県等が刊行した統計調査の報告書や総合統計書などが主体となっています。また、海外からは、国際連合やOECD等の国際機関や諸外国の統計関係の資料を集めています。これらを合わせた蔵書数は、約27万冊(内訳は、和図書11.3万冊(41.5%)、和雑誌6.6万冊(24.3%)、洋図書6.7万冊(24.6%)、洋雑誌2.6万冊(9.6%))です。このほか、CD-Rが約8,500枚、明治以降の重要な古資料が約1,300冊あります。
蔵書の内訳(平成21年度末現在)
当館の蔵書は蔵書検索システムに登録されており、館内だけでなく御手元のPCで統計図書館のウェブサイトからも検索することができますので、当館へお出掛けになる前に確認されると便利です。
統計相談(統計データの所在案内)も行っています
統計図書館では、統計相談室を設けて、統計局所管の統計データを始め様々な統計データについての御相談に対して、お探しの統計データがどこにあるかをお調べして御案内するサービスを提供しています。御来館による御相談だけでなく、電話、文書や電子メールによるお問い合わせにもお答えしています。
夏休みの後半や卒業論文の作成時期になると、統計データの御照会が増えます。お問い合わせが多い時期は、すぐにお返事できない場合もありますので、御理解ください。
統計相談の内容をみると、その時々の社会の動きを反映しているのが分かります。
所管機関別統計相談件数 | 分野別統計相談件数 |
(平成22年9月) | (平成22年9月)統計局所管分 |
![]() |
![]() 注)統計局を100%とした分野別相談件数 |
これまでの様々なお問い合わせの中からよく頂く質問と答えを取りまとめた「統計データFAQ」を統計図書館のページに掲載しています。お問い合わせの前に、一度こちらのウェブサイトを御覧になることをお勧めします。あなたの御質問の答えが見付かるかもしれません。
統計資料館で統計について知識を深めませんか
統計図書館には、統計資料館が併設されています。当資料館は、一般の方々に広く統計への関心を深めていただき、統計調査に対するより一層の理解を得ること目的として、統計局創設120周年を記念して平成3年10月18日(統計の日)に、統計局敷地内に開設されました。
館内では、統計の発達の歩みについての資料や機械を収集・展示しており、統計に親しみながら学んでいただけます。どなたでも自由に観覧できますので、機会がありましたら、是非お立ち寄りください。
館内の展示は、以下のコーナーがあります。
・古資料にみる統計の歩みコーナー
明治初期からの統計に関する貴重な文献(物産表、辛未政表、甲斐国現在人別調など)や第1回国勢調査に関する記録資料(調査票、記念品、ポスターなど)などを展示しています。

・統計のはなしコーナー
統計の意義や役割、統計調査の起源、日本の統計制度等について、パネルを使って解説しています。統計資料館の入口左に、我が国の統計学の開拓者であり、初代の統計局長ともいうべき杉亨二氏(PDF:169KB) の胸像があります。館内では、杉亨二氏を始め、統計の発展に貢献された大隈重信侯(PDF:162KB)、呉文聰氏(PDF:152KB)、伊藤清氏(PDF:175KB)の業績をパネルで紹介しています。

・機器にみる統計の歩みコーナー
統計調査結果を集計する際に使用された機器などを展示しています。 初の国産統計集計機である「川口式電気集計機」(明治38年)とその入力用カードを作成する「亀の子型穿孔(せんこう)機」は、(社)情報処理学会により情報処理技術遺産として認定されています。

・各種統計調査コーナー
国勢調査を始め、家計調査、小売物価統計調査、労働力調査などに関する資料及びその最新結果を展示しています。
大正9年(第1回国勢調査)、昭和25年、昭和55年及び平成52年(将来推計人口)の各年と平成17年の人口構成が比較できる人口ピラミッドも展示しています。

・外国センサスコーナー
国際連合が提唱する世界人口センサス年(2000年)をベースに、2000年前後に実施された各国の国勢調査関係用品やポスターを展示しています。
また、国際連合では、2010年10月20日を「世界統計の日」とすることが総会で決められました。館内には、「世界統計の日」のポスターも展示しています。

統計図書館・統計資料館の利用に合わせ、政府統計共同利用システムのデモンストレーションや(独)統計センターなどの見学を行うことも可能です。お気軽に御相談ください(http://www.stat.go.jp/library/index.htm)。
(平成22年11月15日)