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平成10年5月1日
総務庁統計局
平成7年国勢調査からみた 我が国の職業構造の変化


1.増加が著しい「専門的・技術的職業従事者」
職業構造の長期的な推移をみると,「専門的・技術的職業従事者」,「事務従事者」,「販売従事者」及び「サービス職業従事者」は,一貫して増加傾向にある。特に,「専門的・技術的職業従事者」は,この30年間に就業者全体の5.5%(265万人)から12.5%(801万人)へと著しく増加している。
一方,「農林漁業作業者」が,急激に減少しているほか,「運輸・通信従事者」及び「技能工,採掘・製造・建設作業者及び労務作業者」も減少傾向にある。(図1参照)
2.増加が大きい「情報処理技術者」及び「看護婦・看護士」
(1)「専門的・技術的職業従事者」は,昭和60年(1985)から平成7年(1995)までの10年間に183万人増と大きく増加したが,その内訳を職業小分類別にみると,「情報処理技術者」(27万人増),「看護婦・看護士」(23万人増),「土木・測量技術者」(19万人増),「建築技術者」(17万人増)などで,特に大きく増加している。(表1参照)
(2)「専門的・技術的職業従事者」の年齢構成をみると,40歳未満の若年層の割合が55.5% (就業者全体では41.8%)と職業大分類の中で最も高くなっている。また,この年齢層では,例えば,10年前の25〜29歳を今回の35〜39歳と比較すると,105万人から108万人と3万人増加していることもあり,今後も,この職業の増加傾向が続くことが予想される。(図2参照)
3.高齢化が著しい「農林漁業作業者」
平成7年(1995)の全国の「農林漁業作業者」は381万人で,就業者全体に占める割合は,この30年間に24.5%から5.9%へと大幅に低下している。年齢別にみると,40歳未満が,昭和60年(1985)の92万人(構成比17.2%)から平成7年の 39万人(同10.2%)へ減少する一方,65歳以上は,昭和60年の111万人(同20.6%)から平成7年の 149万人(同39.2%)へ増加しており,高齢化が進行している。(図3参照)
詳細については参考表3参照。
4.欧米諸国に近づきつつある職業構造
職業分類の基準に違いがあり,厳密に比較することは難しいが,平成7年(1995年)の我が国の職業構造を欧米諸国と比較すると,「専門的・技術的職業従事者」及び「サービス職業従事者」の割合は低く,「生産関連・運転・単純労働者」及び「販売従事者」の割合が高い。しかし,我が国の職業構造を昭和60年(1985年)と比較すると,「専門的・技術的職業従事者」及び「サービス職業従事者」の割合は高くなり,一方,「生産関連・運転・単純労働者」の割合は低くなっており,我が国の職業構造は,おおむねアメリカなど欧米諸国に近づきつつあるといえる。
詳細については参考表4参照。
出典:日本は「国勢調査」 総務庁統計局
外国は「世界の統計 1997」 総務庁統計局
注) 図4の職業分類は国際標準職業分類(ISCO-68)である。日本は,国勢調査の職業大分類を組み替えて表章している。