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第4章 年齢階級別に見た暮らしの特徴
家計支出の内容は世帯主の年齢によって異なることがあります。ここでは、世帯主の年齢階級別に暮らしの特徴を見てみましょう。
二人以上の世帯
1. 30歳未満で多い住居費
世帯主の年齢が低い世帯ほど、借家に住む世帯の割合が高いため、家賃地代を含む、住居費の支出が多くなる傾向にあります。特に、30歳未満の世帯では家賃地代の支出が住居費の90.9%を占め、他の年代に比べ最も高くなっています。
なお、世帯主の年齢が高い世帯ほど持家に住む割合が高いため、設備修繕・維持の支出が多くなる傾向にあります。
図 4-1 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の住居費(二人以上の世帯)(2023年)
2. 30歳代で多い子供用衣料など
世帯主が30歳代の世帯では、幼児のいる割合が高いため、子供用衣料などが他の年代に比べ多くなっています。
図 4-2 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の子供用衣料など(二人以上の世帯)(2023年)
子供用衣料など:子供用洋服、子供用シャツ・セーター類、子供用下着類、子供用靴下、
子供用靴・サンダル
3. 40歳代及び50歳代で多い教育関係費
世帯主が40歳代及び50歳代の世帯は、子供が成長し、授業料、学習参考書代、仕送り金、塾の費用などの「教育関係費」の支出が他の年代に比べ多くなっています。
世帯主が40歳代の世帯では、子供が中学校や高校に在学している世帯の割合が高いため、学習塾や家庭教師への月謝などが含まれる「補習教育」のほか、学校給食や文房具などを含む「その他の教育関係費」の支出が他の年代に比べ多くなっています。
世帯主が50歳代の世帯では、子供が親元を離れ、大学に進学する世帯の割合が高いため、子供への「仕送り金」の支出は、40歳代の世帯の1.7倍になっています。
図 4-3 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の教育関係費(二人以上の世帯)(2023年)
仕送り金:国内遊学仕送り金
その他の教育関係費:学校給食、男子用学校制服、女子用学校制服、鉄道通学定期代、
バス通学定期代、書斎・学習用机・椅子、文房具、通学用かばん
4. 60歳代で多いスポーツ施設使用料
フィットネスクラブなどの「スポーツ施設使用料」の支出金額をみると、60歳代の世帯が最も多く、最も少ない30歳代の世帯の3.7倍になっています。
なお、消費支出に占める「スポーツ施設使用料」の割合も60歳代の世帯が最も高くなっています。
図 4-4 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間のスポーツ施設使用料
(二人以上の世帯)(2023年)
スポーツ施設使用料:ゴルフプレー料金、スポーツクラブ使用料、他のスポーツ施設使用料
5. 70歳以上で多いサプリメントなどの支出
サプリメントなどの「健康保持用摂取品」の支出金額をみると、70歳以上の世帯が最も多く、最も少ない30歳未満の世帯の4.5倍になっています。
また、消費支出に占める「健康保持用摂取品」の割合も70歳以上の世帯が最も高くなっています。
図 4-5 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の健康保持用摂取品の支出金額
(二人以上の世帯)(2023年)
※ 健康保持用摂取品には、青汁、ローヤルゼリー、サプリメントなどが含まれます。
単身世帯
35歳未満の男性の外食の支出は1か月当たり1.8万円
単身世帯について、男女の年齢階級別に食費の内訳をみると、男女ともに、35歳未満で「外食」の支出が最も多くなっており、60歳以上で野菜や魚介類などの「素材となる食料」の支出が最も多くなっています。
図 4-6 男女、年齢階級別1か月間の食費(単身世帯)(2021〜2023年平均)
外食:外食、賄い費
調理済みの食料:菓子類、調理食品
素材となる食料:穀類、魚介類、肉類、乳卵類、野菜・海藻、果物、油脂・調味料
ペット関連費の支出が多い35〜59歳の女性
単身世帯について、男女の年齢階級別にペット関連費をみると、35〜59歳の女性の支出が最も多くなっています。
図 4-7 男女、年齢階級別年間のペット関連費(単身世帯)(2021〜2023年平均)
ペット関連費:ペットフード、ペット・他のペット用品、動物病院代、
他のペット関連サービス(ペットの美容院代など)