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第2章 家計からわかる暮らしの特徴
家計支出の内容は、住んでいる地域によって違ったり、暮らしぶりの変化に伴い変わります。ここでは、家計からわかる暮らしの特徴を取り上げて見てみましょう。
1. 食生活から垣間見える土地柄
消費者の食生活には土地柄によって特徴が表れます。
都道府県庁所在市及び政令指定都市別の結果(二人以上の世帯)から、代表的な品目を取り上げました。
「しゅうまい」の支出金額全国一の横浜市
横浜市は、しゅうまいの2023〜2025年平均の1世帯当たりの年間支出金額が2,849円で、全国平均(1,177円)の2.4倍となっています。
横浜市では、しゅうまいが駅弁や土産品として広く知られており、横浜を代表する名物の一つとなっています。
「喫茶代」の支出金額全国一の名古屋市
名古屋市は、喫茶代の2023〜2025年平均の1世帯当たりの年間支出金額が16,431円で、全国平均(10,261円)の1.6倍となっています。
愛知県では、喫茶店文化が地域に深く根付いており、人々の交流や憩いの場として親しまれています。
「かつお」の支出金額全国一の高知市
高知市は、かつおの2023〜2025年平均の1世帯当たりの年間支出金額が7,530円で、全国平均(1,682円)の4.5倍となっています。
高知県を代表する郷土料理「かつおのたたき」に使われるかつおは、地域の食文化に欠かせない存在となっています。
下の表は、2023〜2025年平均の品目別「年間支出金額」又は「年間購入数量」が、全国で上位(青の太字は1位)である主な品目(食料)について、それぞれの地域の特徴を踏まえ、まとめたものです。
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都道府県庁所在市 |
品目 |
|---|---|
| 札幌市 | さけ、他の生鮮肉(羊肉など)、ほたて貝 |
| 青森市 | りんご、ビール、カップ麺 |
| 盛岡市 | 中華麺、わかめ、ゼリー |
| 仙台市 | かまぼこ、チューハイ・カクテル、だいこん漬 |
| 秋田市 | さんま、ほうれんそう、ウイスキー |
| 山形市 | 中華そば(外食)、さといも、他の果物(さくらんぼなど) |
| 福島市 | 桃、 清酒、 米、 納豆 |
| 水戸市 | メロン、 せんべい、 ヨーグルト |
| 宇都宮市 | いちご、洋食(外食)、ぎょうざ |
| 前橋市 | きゅうり、弁当、乳酸菌飲料 |
| さいたま市 | ブロッコリー、ケーキ、ドレッシング |
| 千葉市 | レタス、ワイン、キウイフルーツ |
| 東京都区部 | チーズ、飲酒代、トマト |
| 横浜市 | しゅうまい、ピーマン、紅茶 |
| 新潟市 | 塩さけ、さやまめ、カレールウ |
| 富山市 | ぶり、いか、オレンジ |
| 金沢市 | れんこん、すし(外食)、もち |
| 福井市 | 油揚げ・がんもどき、コロッケ、ようかん |
| 甲府市 | ぶどう、あさり、まぐろ |
| 長野市 | しめじ、みそ、りんご |
| 岐阜市 | 柿、和食(外食)、ケチャップ |
| 静岡市 | まぐろ、しらす干し、緑茶 |
| 名古屋市 | 喫茶代、中華食(外食)、オレンジ |
| 津市 | 小麦粉、ソーセージ |
| 大津市 | コーヒー、キャンデー、たまねぎ |
| 京都市 | 他の野菜の漬物(千枚漬など)、なす、牛肉 |
| 大阪市 | えび、はくさい、たこ |
| 神戸市 | 食パン、紅茶、マーガリン |
| 奈良市 | すし(弁当)、牛乳、かぼちゃ |
| 和歌山市 | 梅干し、みかん、しらす干し |
| 鳥取市 | かに、いわし、かれい、梨 |
| 松江市 | しじみ、あじ、さば |
| 岡山市 | 桃、ぶどう、合いびき肉 |
| 広島市 | かき(貝)、ソース、ビール |
| 山口市 | スポーツドリンク、あじ、ふりかけ |
| 徳島市 | さつまいも、ちくわ、生しいたけ |
| 高松市 | 生うどん・そば、日本そば・うどん(外食) |
| 松山市 | 他の柑きつ類(伊予かんなど)、たい |
| 高知市 | かつお、はくさい漬、発泡酒 |
| 福岡市 | 風味調味料、たらこ、鶏肉 |
| 佐賀市 | 干しのり、たい、ごぼう |
| 長崎市 | カステラ、あじ、かまぼこ |
| 熊本市 | すいか、他の生鮮肉(馬肉など) |
| 大分市 | 鶏肉、干ししいたけ、焼肉 |
| 宮崎市 | 焼酎、ぎょうざ、 砂糖 |
| 鹿児島市 | 揚げかまぼこ、酢、さば |
| 那覇市 | にんじん、ハンバーガー(外食)、かつお節・削り節 |
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政令指定都市 |
品目 |
|---|---|
| 川崎市 | ジャム、キウイフルーツ、おにぎり・その他 |
| 相模原市 | ハム、ココア・ココア飲料、チーズ |
| 浜松市 | うなぎのかば焼き、ぎょうざ、緑茶 |
| 堺市 | はくさい、えび、たこ |
| 北九州市 | たらこ、さしみ盛合わせ、たい |
2. 最近の特徴的な支出
最近の家計消費の動き
2025年の消費支出は実質0.9%の増加となり、3年ぶりの実質増加
2025年の二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人、世帯主の平均年齢60.7歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均314,001円で前年に比べ名目4.6%の増加となりました。また、物価変動(3.7%)の影響を除いた実質でも0.9%の増加となりました。「食料」などが減少となった一方、前年の反動で「自動車等関係費」が増加、大阪・関西万博の影響などにより「交通」や「教養娯楽サービス」が増加したことで、3年ぶりの実質増加となりました。
2025年における月別の動き
2025年の消費支出を月別にみると、1月は、前月の気温が低かったことで「電気代」が増加したことなどにより、実質0.8%の増加となりました。
2月は、うるう年であった前年より1日少なかった影響もあり、実質0.5%の減少となりました。
4月は、生鮮野菜の価格上昇が落ち着いてきたことから「野菜・海藻」などが増加した一方、気温が低く夏物衣料が低調だったことで「洋服」が減少したことなどにより、実質0.1%の減少となりました。
8月及び9月は、「自動車等関係費」が増加したほか、大阪・関西万博の影響などにより文化施設入場料などの「教養娯楽サービス」が増加し、それぞれ実質2.3%、実質1.8%の増加となりました。
11月は、前年に比べて休日が多かったことにより、「家庭用耐久財」や外食を含む「食料」などの幅広い分野で増加し、実質2.9%の増加となりました。
消費支出の対前年同月増減率(二人以上の世帯)
統計豆知識 〜名目と実質〜
「名目」とは額面どおりの金額で、普段私たちがスーパーなどで目にしている金額そのものです。一方、「実質」とは、物価の変動の影響を取り除いたものです。
支出金額の名目増減率は、支払った金額の動きを示し、実質増減率は、支払った金額(名目)から消費者物価指数の変化分を取り除いた実質的な金額の動きを示します。実質増減率は、数量や品質の変化分に当たります。
2025年における主な品目別の動き
「米」の1か月当たりの支出金額を月別にみると、支出額の増加傾向は続いており、2025年は全ての月で前年同月の支出額を上回る高い水準で推移しています。特に9月から10月にかけて大幅な上昇がみられるなど、米の支出額の上昇傾向が顕著に表れています。
「米」の月別支出金額の推移(二人以上の世帯)
「文化施設入場料」についてみると、2025年4月から10月までの合計の支出金額は前年の同時期と比べて1.6倍となっています。特に8月に大幅な上昇がみられるなど、同時期に開催された「2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)」の影響によるものと考えられます。
「文化施設入場料」の月別支出金額の推移(二人以上の世帯)
「ゲーム機」についてみると、2025年6月の支出金額は前年同月と比べて6.4倍、12月は4.0倍に増加しています。また、5月以降の月では継続して前年同月を上回っています。これは、2025年6月に発売された「Nintendo Switch 2」の人気が継続したことに加え、年末商戦やクリスマスプレゼントとしての需要増などによるものと考えられます。
「ゲーム機」の月別支出金額の推移(二人以上の世帯)
「映画・演劇等入場料」についてみると、2025年は映画「鬼滅の刃」や「国宝」など話題作のヒットが相次いだこともあり、概ね前年を上回る水準で推移しました。
「映画・演劇等入場料」の月別支出金額の推移(二人以上の世帯)
3. あの日には欠かせない この日には欲しい この品目
特定の日に購入が集中する「もち」と「チョコレート」
1年の中でも特定の日に購入が特に多くなる商品があります。
2025年12月の「もち」の支出金額を日別にみると、特にクリスマスが終わった頃から支出が増え、最も多くなるのは12月30日(131.9円)となっています。年間を通じた1日当たりの平均支出金額の約25倍になっています。大晦日の前日で多くなるのは、お供えとして飾る鏡もちが含まれることもあり、いわゆる「一夜飾り」を嫌う風習も一因かもしれません。
また、「チョコレート」の支出金額は、バレンタインデー前に支出が増加しており、少し余裕をもってチョコレートを購入する世帯がいる一方、バレンタインデー直前に購入する世帯も多いようです。
「もち」の1世帯当たり1日当たりの支出金額(二人以上の世帯)
「チョコレート」の1世帯当たり1日当たりの支出金額(二人以上の世帯)
4. 変わる季節性
購入時期が早まる通学用かばん
商品の中には、消費者が購入する時期が、昔とは異なってきているものがあります。
通学用かばんの支出金額は、20年前は年末から入学前にかけて多くなっていました。10年前は夏頃から多くなる傾向がみられました。最近では春から初夏にかけて多くなってきているなど、購入時期が大きく変化しています。
最近は、ランドセルメーカーや小売店が、祖父母が孫のために購入する需要を見込んで、4、5月のゴールデンウィークなどの時期を中心に、親が子を連れて帰省する機会を狙い、春頃から翌年用のランドセルの新商品の販売を開始するようになりました。また、ランドセルの色や素材は多種類から選べるようになり、人気ブランドやデザインによっては、早々に売り切れることも珍しくないため、購入時期が早まる傾向にあるようです。
「通学用かばん」の月別支出金額(二人以上の世帯)
注1 2023年4月から2026年3月までの月ごとの平均
注2 2013年4月から2016年3月までの月ごとの平均
注3 2003年4月から2006年3月までの月ごとの平均

