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統計調査結果の活用事例「統計は国民の共有財産」 平成27年版 全国消費実態調査
全国消費実態調査 周期:5年
目的:国民生活の実態について、全国及び地域別に世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とする。
1 行政上の施策への利用
1 社会保障・税
社会保障・税の見直しに関する検討
- 公的サービスによる受益と負担の関係を把握し、平均公的年金給付額や所得税、医療・介護の自己負担額を試算するために、世帯類型ごとの平均消費支出額が利用されています。
税制の見直しに関する検討
- 税制調査会における相続税や贈与税の見直しの際に、年齢階級別の資産残高の分布が利用されています。
- 貯蓄現在高別、住宅・宅地資産額階級別の分布状況が基礎資料として利用されています。
介護保険の財政の検証
- 社会保障審議会介護保険部会において高齢者世帯の所得格差を説明する際に、世帯主の年齢階級別のジニ係数が利用されています。
2 福祉
生活扶助基準の検証
- 生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態を比較検証するための基礎資料として利用されています。
3 公務員関連
公務員の給与の検討
- 国家公務員の給与を検討するに当たり、標準的な生計費を算出するために、家計収支の結果が利用されています。
4 経済成長戦略
長寿社会における経済成長戦略の検討
- 産業構造審議会基本政策部会の中間取りまとめ(平成23年7月1日)において夫婦高齢者世帯の貯蓄の状況を把握するために、夫婦高齢者世帯現在貯蓄高別世帯数分布や世帯主の年齢別1世帯当たり貯蓄額・負債額が利用されています。また、高齢者による消費の見通しを推計する際に、世帯主の年齢別月間消費額が利用されています。
5 エネルギー問題
新エネルギーについての検討
- 四国地域における太陽熱の利用状況を説明する際に、太陽熱温水器の地域別普及率が利用されています。
2 国民経済計算の推計への利用
- 家計消費支出の推計に利用されています。
3 最近の白書等における分析での利用
1 経済財政白書
所得からみた経済的格差の分析
- 収入の種類別、世帯員別所得格差(ジニ係数)
- 家計の所得格差(ジニ係数)の推移
- 相対的貧困率の国際比較
- 貯蓄率の推移
- 子供の有無別1か月当たりの消費支出
2 男女共同参画白書
家計の内訳で見た高齢男女の生活状況の分析
- 高齢無職単身世帯(65歳以上)の1か月平均家計収支の構成(男女別)
3 消費者白書
消費者を取り巻く社会経済情勢の分析
- 勤労者世帯の可処分所得と消費支出の推移
4 労働経済白書
家計に与える物価の影響
- 年齢階級別の平均消費性向と平均貯蓄率の推移
- 年齢階級別のライフステージ別消費構造の変化
5 土地白書
人口減少、少子高齢化等による土地利用変化
- 世帯主の年齢別宅地資産保有額
6 国土交通白書
住まい方の変化の分析
- 家賃の対可処分所得比の推移
4 地方公共団体における利用
1 政策決定への利用
ICT化の現状の把握
- 多くの地方公共団体で策定されるICT化推進のための計画において、ICT化の現状を分析する資料としてパソコンの普及率や携帯電話の普及率が利用されています。
公務員給与
- 地方公務員の給与を検討するに当たり、標準的な生計費を算出するために、家計収支の結果が利用されています。
住宅政策
- 県営住宅の耐震性の確保に当たり、平均年収を全国と比較するために、世帯平均年収が利用されています。
環境政策
- 県が導入している自然エネルギーを推計するために、太陽熱温水器の普及率が利用されています。
- 市のエネルギー消費量が増加している要因を分析する際に、持ち家率及び1世帯当たりの住居の平均延べ床面積の全国平均との比較が利用されています。また、市における電力需要の増加要因を分析する際に、二人以上の世帯における各種家電製品の普及率が利用されています。
2 政策の効果の推計
- 地方公共団体における産業やイベントの経済波及効果を推計する際に家計収支の結果が利用されています。
3 県民経済計算、市民経済計算
- 県民経済計算や市民経済計算を推計する際に消費支出、世帯数、世帯人員が利用されています。
5 民間企業や各種団体における利用
民間企業や各種団体における消費や所得に関する分析
- 所得の世代間格差、地域間格差の分析
- 高齢者世帯の経済状況の分析
- 品目ごとの購入先の分析
- 資産の世代間格差の分析
- 主要耐久消費財の普及率を踏まえた新商品開発に係る分析
商店街の活性化策
- 所得環境の悪化を示す際に1世帯当たりの消費支出の推移が利用されています。
- 消費者が一般小売店において購入する比率の低下を示す際に購入先別消費支出割合の推移が利用されています。