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平成9年全国物価統計調査 結果の概要〔大規模店舗編〕
5 地域の価格競争と価格分布
- 電気冷蔵庫の平均価格は東北から関東北部にかけての県で低く、価格の散らばり度合が大きい。
- 平均価格の低い県ではディスカウント販売店の割合が高い。
(1) A社の電気冷蔵庫(内容積が約400リットル、4ドア)について,各都道府県ごとの平均価格とその価格分布をみると、東北地方から関東地方北部にかけての県は平均価格が全国平均に比べて低く、また、価格の散らばり度合(四分位範囲)が大きく、これらの地方での価格競争の厳しさを示している。
(2) 一方、中国、四国、九州地方の大部分の県は平均価格が高く、また、価格の散らばり度合が小さくなっている。
<参考>
- 価格の違いをみる際には、単に平均値だけでなく、調査された価格の分布状況、すなわち散らばり度合も重要な情報となる。
- これをみる指標の一つとして、四分位範囲がある。
- 四分位とは、調査されたそれぞれの価格を低い方から高い方に順に並べ、全体を同じ価格数になるように4つのグループに分けた場合の3つの境界に当たる価格値で、低い方から25%点(第1四分位)、50%点(第2四分位又は中位数)、75%点(第3四分位)と呼び、この75%点と25%点の差を四分位範囲という。
- 一般に、図上では次のように四分位範囲を箱(□)で、50%点を「+」で示し、散らばり度合を表わす。
この図の「+」と箱の左右それぞれの両端までの長さも、価格の散らばり(又は集中)度合を示している。
図5-1 電気冷蔵庫の都道府県別平均価格と価格分布
図5-2 量販専門店でディスカウント販売している店舗の割合と平均価格
○関東地方のブロック別価格比較
- A社の電気冷蔵庫の価格に違いのみられた関東地方の各都県について,量販専門店のブロック別平均価格をみると、栃木県の各ブロック、群馬県の東部(太田市周辺)と西部(高崎市周辺)、茨城県の南部(つくば市、土浦市周辺)、千葉県西部(船橋市、松戸市周辺)、秋葉原が含まれる東京都の区部中心部が調査市町村全体の平均価格に比べて1割以上低くなっている。
- なお、東京都の川の手ブロックや北多摩地域の各ブロック、神奈川県の京浜ブロック(横浜市周辺)、千葉県の南部(木更津市周辺)と中央部(千葉市周辺)は調査市町村全体の平均価格に比べて高くなっている。
図5-3 電気冷蔵庫の関東地方における量販専門店のブロック別平均価格