ここから本文です。
2.高齢者の就業
高齢就業者数は、18年連続で増加し、909万人と過去最多
2021年の高齢者の就業者※1)(以下「高齢就業者」といいます。)数は、2004年以降、18年連続で前年に比べ増加し、909万人と過去最多※2)となっています。
※1)就業者とは、月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、又は月末1週間に仕事を休んでいた者
※2)比較可能な1968年以降
高齢就業者数の対前年増減をみると、2012年に「団塊の世代」が65歳となり始めたことなどにより、2013年から2016年を中心に、65〜69歳で増加しました。また、2017年以降は「団塊の世代」が70歳となり始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。(図4、図5)
高齢者の就業率は25.1%で前年と同率、65〜69歳は初めて50%超え
2021年の高齢者の就業率※3)は25.1%となり、前年と同率になっています。
年齢階級別※4)にみると、65〜69歳は10年連続で上昇し2021年に初めて50%を超えて50.3%となり、70歳以上は5年連続で上昇し2021年に18.1%となっています。
また、男女別にみると、男性が34.1%と前年に比べ低下、女性が18.2%と10年連続で前年に比べ上昇しています。このうち65〜69歳の就業率をみると、男性は2014年に50%を超え、2021年は60.4%となっています。一方、女性は2014年に30%を超え、2021年は40.9%となっています。 (図6)
※3)高齢者の就業率は、65歳以上人口に占める就業者の割合
※4)年齢階級別就業率は、各年齢階級の人口に占める就業者の割合
就業者総数に占める高齢就業者の割合は、前年と同率の13.5%で、
過去最高
15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は、前年と同率の13.5%と、過去最高※)となっています。(図7)
※)比較可能な1968年以降
高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い
高齢就業者を主な産業別にみると、「卸売業,小売業」が130万人と最も多く、次いで「農業,林業」が104万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が103万人、「医療,福祉」が101万人などとなっています。
なお、各産業の就業者に占める高齢就業者の割合をみると、「農業,林業」が53.3%と最も高く、次いで「不動産業,物品賃貸業」が26.8%、「サービス業(他に分類されないもの)」が22.8%、「生活関連サービス業,娯楽業」が19.4%などとなっています。 (図8)
高齢の非正規の職員・従業員は10年前に比べ225万人増加し、
その割合は6.3ポイント上昇
高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が517万人で高齢就業者の57.6%、自営業主・家族従業者が270万人で同30.1%、会社などの役員が111万人で同12.4%となっています。さらに、高齢就業者のうち役員を除く雇用者(以下「高齢雇用者」といいます。)を雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が75.9%を占めており、そのうちパート・アルバイトの割合が52.2%と最も高くなっています。 (図9)
また、高齢雇用者数の推移を雇用形態別にみると、正規の職員・従業員は2011年(74万人)から2021年(124万人)で50万人増加し、非正規の職員・従業員は、2011年(168万人)から2021年(393万人)で225万人増加しています。(図10)
非正規の職員・従業員についた主な理由は、
男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多
雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別の割合を男女別にみると、男性は「自分の都合のよい時間に働きたいから」(30.7%)が最も高く、次いで「専門的な技能等をいかせるから」(18.5%)、「家計の補助・学費等を得たいから」(16.4%)などとなっています。また、女性についても、「自分の都合のよい時間に働きたいから」(38.0%)が最も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」(21.7%)、「専門的な技能等をいかせるから」(8.7%)などとなっています。(図11)
日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準
主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、日本(+5.9ポイント)、韓国(+5.8ポイント)を始め、各国とも上昇しています。2021年の日本の高齢者の就業率は25.1%となっており、主要国の中でも高い水準にあります。 (図12)
<月次結果>
高齢就業者数は2021年8月から2022年5月まで減少傾向で推移
高齢就業者数の推移を月ごとにみると、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年は、前年同月に比べ最大46万人増加した月もあったのに対し、感染拡大後の2020年4月以降は、前年同月と比べた増加幅が最大でも28万人増加となるなど増加幅は縮小し、月によっては減少しています。
特に、東京都など21都道府県へ緊急事態宣言が発令された期間を含む2021年8月から2022年5月までは、前年同月に比べ、就業者は減少傾向で推移する一方、非労働力人口は増加するなど、高齢就業者が労働市場から退出する動きがみられました。(図13)
- 詳しい結果は、以下のホームページを御覧ください。