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3.経済
デフレの時代から景気回復へ
【完全失業率が上昇、バブル期水準まで低下】「完全失業率」は、バブル崩壊後の平成14年・15年とリーマンショック後の21年に過去最高の5.5%となりましたが、30年5月にはバブル期と同水準の2.3%まで低下しています。この間、「就職氷河期」という言葉が生まれたように、特に若い世代(15〜24歳)の失業率は10.9%にまで上昇しました。
図12 年齢階級別完全失業率の推移(平成元年〜30年)
注)季節調整値。平成23年は東日本大震災に伴う補完推計値資料:総務省統計局「労働力調査(基本集計)」
【消費支出が減少】1世帯当たり1か月間の「消費支出」は、平成5年(335,246円)にピークとなった後、減少傾向にあり、30年は287,315円となっています。その内訳をみると、「交際費」等が含まれる「その他の消費支出」が減少傾向にあります。
図13 10大費目別1世帯当たり1か月間の消費支出の推移(平成元年〜30年)
注1)平成11年までは農林漁家世帯を除く。注2)平成30年1月から調査で使用する家計簿等の改正を行っており、30年結果には,当該改正の影響が含まれるため,時系列比較をする際には注意が必要である。
注3)ここでは、「消費支出」のうち他の世帯への贈答品やサービスの支出は、「その他の消費支出」のうち「交際費」に含めている(用途分類)
資料:総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯)
【緩やかなデフレに】「消費者物価指数(総合)」の前年比は平成11年にマイナスとなり、継続的な物価下落という意味において、日本経済は13年から緩やかな「デフレの時代」となりました。 これを主な財・サービス別にみると、「サービス」は、「デフレ前の時代」には上昇が続いたものの、「デフレの時代」はゼロ近傍で推移しました。
図14 消費者物価指数(総合)の前年比の推移(平成元年〜30年)
注)月例経済報告におけるデフレに関する記載の変遷等を踏まえ、平成期をここでは便宜次の3つの時代に区分1. バブル崩壊を経て、物価上昇率が低下した時代(「デフレ前の時代」、平成元年〜12年)
2. 物価が持続的に下落した時代(「デフレの時代」、平成13年〜24年)
3. 物価が上昇基調に転じた時代(「デフレ脱却に向かう時代」、平成25年〜)
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
【サービス価格・賃金の動き】「サービス指数」の前年比の推移を賃金と比べてみると、バブル崩壊前までは、「サービス指数」に比べて「賃金」の上昇率が高くなっています。一方、「デフレの時代」には、「サービス指数」・「賃金」ともにゼロ近傍で推移又は下落しています。
図15 サービス指数と賃金の前年比の推移(平成元年〜30年)
注)賃金は、一般労働者の6月分の所定内給与額(所得税等を控除する前の額。超過労働給与額、賞与、期末手当等特別給与額は含まれない。)。一般労働者とは、短時間労働者以外の者(短時間労働者は、同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い又は1週の所定労働日数が少ない労働者)資料:総務省統計局「消費者物価指数」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
【勤め先収入は減少から増加の傾向へ】勤労者世帯の1世帯当たり1か月間の「勤め先収入」は平成9年(558,596円)をピークに減少し、23年には473,115円と、ピーク時に比べて15.3%落ち込みましたが、24年以降は増加傾向にあります。
図16 1世帯当たり1か月間の勤め先収入の推移(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)(平成元年〜30年)
注1)平成11年までは農林漁家世帯を除く。注2)平成30年1月から調査で使用する家計簿等の改正を行っており、30年結果には、当該改正の影響が含まれるため、時系列比較をする際には注意が必要である。
注3)平成30年の名目増減率は、家計簿の改正の影響を除去した変動調整値
資料:総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯)