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私たち平成23年社会生活基本調査を応援します!
聖徳大学人文学部准教授 齊藤 ゆか |
私たちの生活は,1日24時間1年365日という生活時間を基準に生きています。しかし,その時間の過ごし方は,年齢や性別等によって,あるいは各々のライフステージや家族形態によって異なるものです。こうした一人ひとりの時間をどのように過ごしているのか,仕事と生活のバランスはとれているのか,など生活の現状を把握する政府統計が『社会生活基本調査』です。 私は,生活行動の中でも,特に「ボランティア活動」の動向に注目し,属性別にみた現状を分析して参りました。その例として,次のようなレポートを書いています。 ○月刊誌「統計7月号」〜「日本におけるボランティアの行動実態」(PDF:655KB) 「ボランティア活動」は無償が基本となりますが,人々の生活に欠かすことのできない重要な生産的活動であり,「無償労働」に位置づけられています。平成18年のボランティア国際年では,ボランティアの人的資源の重要性や社会経済に与える影響力について,国際的に確認されました。 この「ボランティア活動」の内容を,NPO法(特定非営利活動促進法)を踏まえて整理し,調査項目として『社会生活基本調査』で初めて導入したのは平成13年調査からです。同調査は,日本におけるすべての人口を対象とした唯一のボランティア統計なのです。この項目は,第1回調査の「奉仕的な活動」(昭和51年),「社会奉仕活動」(昭和56年),「社会奉仕」(昭和61年)「社会的活動」(平成3年・平成8年)に接続させています。 平成23年調査では,特に「地域コミュニティ活動等に関する統計の整備」の観点から,「NPO ,ボランティア,地域コミュニティ活動等の調査内容・集計」のさらなる充実を図っています。NPOにおけるボランティアの存在を把握することも可能となるのです。 さて,平成23年のわが国は,東日本大震災や台風など大規模な自然災害の影響で,多くの方々が困難な生活を強いられています。しかし,困難なときだからこそ,人と人との「絆」や「助け合い」が必要とされています。私たちの生活の中で,他者のために行動した時間はどの程度あったでしょうか。 『社会生活基本調査』は,一人ひとりの大切な生活時間や生活行動を現状認識する上で大切な統計調査となります。調査のご負担もありますが,是非皆様のご協力を頂きたく,心よりお願い申し上げます。 |
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