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2-5 住宅の設備
<台所の型>
「食事室・居間兼用」の台所の割合は建築の時期が新しくなるほど上昇
住宅を台所の型別にみると,「独立の台所」は2015万戸で住宅全体の40.6%,「食事室兼用」(いわゆるDK)は1583万戸(31.9%),「食事室・居間兼用」(いわゆるLDK)は1058万戸(21.3%),「その他と兼用」は141万戸(2.8%),「他世帯と共用の台所」は11万戸(0.2%)となっている。
平成15年と比べると,台所が他の用途と兼用の住宅は2.3ポイント低下しているものの,全体の半数以上を占めている。
<表2−22>
台所の型別割合を建築の時期別にみると,「食事室兼用」は建築の時期が新しくなるほど割合が低くなる傾向にある。一方,「食事室・居間兼用」は建築の時期が新しくなるほど割合が高くなり,「昭和25年以前」は9.6%となっているが,「平成18年〜20年9月」は39.1%と約4割を占めている。
<図2−14>
<トイレ・浴室・洗面所の保有状況>
水洗化率は90.7%,洋式トイレ保有率は89.6%
水洗トイレのある住宅は4501万戸で,水洗トイレのある住宅の割合(水洗化率)は90.7%となっており,平成15年の88.4%に比べ2.3ポイント上昇し,9割を超えている。
水洗化率を所有の関係別にみると,持ち家が92.2%であるのに対し,借家は96.1%と持ち家より高くなっている。借家の内訳をみると,公営の借家が93.3%,都市再生機構・公社の借家が100.0%,民営借家(木造)が88.6%,民営借家(非木造)が99.6%,給与住宅が98.5%となっており,民営借家(木造)以外はいずれも9割を超えている。
<表2−23,表2−24>
洋式トイレのある住宅は4445万戸で,洋式トイレのある住宅の割合(洋式トイレ保有率)は89.6%となっており,平成15年の85.9%に比べ,3.7ポイント上昇し,ほぼ9割となっている。
洋式トイレ保有率を所有の関係別にみると,持ち家は93.2%,借家は91.2%となっており,両者に大きな差は見られない。借家の内訳をみると,公営の借家が90.4%,都市再生機構・公社の借家が99.1%,民営借家(木造)が78.1%,民営借家(非木造)が96.7%,給与住宅が93.4%となっており,水洗化率と同様に民営借家(木造)以外はいずれも9割を超えている。
<表2−23,表2−24>
水洗化率,洋式トイレ保有率を建築の時期別にみると,建築の時期が新しくなるほど,水洗化率,洋式トイレ保有率は共に高くなる傾向にある。「平成18年〜20年9月」に建築された住宅では,それぞれ99.3%,99.4%となっており,ほとんどの住宅が水洗トイレ,洋式トイレを保有している。
<表2−24>
浴室保有率は95.5%,洗面所保有率は89.5%
浴室のある住宅は4739万戸で,浴室のある住宅の割合(浴室保有率)は95.5%となっている。
浴室保有率を所有の関係別にみると,持ち家が99.3%,借家が97.2%となっており,大きな差はない。借家の内訳をみると,公営の借家が97.4%,都市再生機構・公社の借家が99.6%,民営借家(木造)が93.0%,民営借家(非木造)が98.9%,給与住宅が98.2%となっている。
建築の時期別にみると,昭和26年〜35年に建築された住宅で93.9%と最も低く,昭和56年以降建築された住宅では99%以上と,ほとんどが浴室のある住宅となっている。
<表2−25,表2−26>
洗面所のある住宅は4441万戸,洗面所のある住宅の割合(洗面所保有率)は89.5%で,平成15年の88.1%に比べ,1.4ポイント上昇している。
洗面所保有率を所有の関係別にみると,持ち家で96.5%,借家で85.3%となっており,持ち家は借家に比べ,11.2ポイント高くなっている。借家の内訳をみると,公営の借家が89.8%,都市再生機構・公社の借家が97.5%,民営借家(木造)が69.9%,民営借家(非木造)が89.3%,給与住宅が92.6%となっている。
<表2−25,表2−26>
水洗化率及び洋式トイレ保有率が最も高い沖縄県
水洗化率を都道府県別にみると,沖縄県が97.2%と最も高く,次いで石川県が95.5%,静岡県が95.1%,埼玉県が94.9%,兵庫県が94.7%などとなっており,関東地方,東海地方,北陸地方,近畿地方で高くなっている。一方,岩手県が69.7%と最も低く,次いで高知県が72.9%,秋田県が73.9%,和歌山県が75.5%,佐賀県が76.0%などとなっている。
洋式トイレ保有率をみると,沖縄県が93.9%と最も高く,次いで北海道が93.7%,埼玉県が92.6%,兵庫県が92.3%,長野県が92.0%などとなっている。一方,高知県が78.1%と最も低く,次いで和歌山県が79.8%,岩手県が80.9%,青森県が82.1%,愛媛県が83.3%などとなっている。
浴室保有率をみると,島根県及び佐賀県が共に98.6%と最も高く,次いで秋田県及び山形県が共に98.3%などとなっている。一方,東京都が91.4%と最も低く,次いで大阪府が92.3%,京都府が93.4%,神奈川県が93.8%などとなっている。
洗面所保有率をみると,福井県が95.2%と最も高く,次いで富山県が94.9%,滋賀県が94.8%,鳥取県が94.7%,岐阜県が94.3%などとなっている。一方,北海道が82.7%と最も低く,次いで東京都が84.9%,青森県が85.3%,岩手県が86.6%,神奈川県が86.9%などとなっている。
<図2−15,表2−27>
3大都市圏は,水洗化率,洋式トイレ保有率が全国を上回り,浴室保有率,洗面所保有率が下回る
3大都市圏における設備の保有状況は,水洗化率が93.6%,洋式トイレ保有率が91.0%,浴室保有率が94.1%,洗面所保有率が88.9%となっている。
これらを全国と比べると,水洗化率,洋式トイレ保有率は,それぞれ2.9ポイント,1.4ポイント上回っているのに対し,浴室保有率,洗面所保有率はそれぞれ1.4ポイント,0.6ポイント下回っている。
<表2−28>
<高齢者等のための設備>
高齢者等のための設備がある割合は,平成8年以降建築された住宅で5割を超え,平成18年以降では7割強
高齢者等のための設備についてみると,設備がある住宅は2415万戸で,住宅全体の48.7%となっており,平成15年の1866万戸(39.8%)に比べ,8.9ポイント上昇している
「手すりがある」住宅は1852万戸で,住宅全体の37.3%となっており,平成15年の30.4%と比べ,6.9ポイント上昇している。手すりの設置場所をみると,「階段」が1188万戸で,住宅全体の24.0%と最も高く,次いで「浴室」が984万戸(19.8%),「トイレ」が831万戸(16.8%)となっており,平成15年に比べ,それぞれ4.3ポイント,4.7ポイント,3.6ポイント上昇している。
「またぎやすい高さの浴槽」がある住宅は1134万戸(22.9%),「廊下などが車いすで通行可能な幅」となっている住宅は800万戸(16.1%),「段差のない屋内」となっている住宅は990万戸(20.0%),「道路から玄関まで車いすで通行可能」な住宅は616万戸(12.4%)となっており,平成15年に比べ,それぞれ5.4ポイント,3.5ポイント,6.9ポイント,3.1ポイント上昇している。
所有の関係別にみると,高齢者等のための設備がある持ち家は1924万戸で,持ち家全体の63.5%となっており,借家の491万戸(借家全体の27.6%)を大きく上回っている。設備の内訳をみても,持ち家は借家をいずれも上回っている。
また,建築の時期別にみると,平成8年以降に建築された住宅は,それ以前に建築された住宅と比べて高齢者等のための設備がある割合が高く,5割を超えており,平成18年以降では7割強となっている。
<表2−29,表2−30>
<自動火災感知設備の状況>
自動火災感知設備設置率は「寝室」及び「台所」が高く,共に約3割
自動火災感知設備(住宅用火災警報器等(注))のある住宅数は2230万戸で,住宅全体に占める割合(自動火災感知設備設置率)は45.0%となっており,平成15年の1112万戸(23.7%)に比べ,ほぼ倍増している。
自動火災感知設備設置率を建て方別にみると,一戸建は31.1%,長屋建は33.8%,共同住宅は64.1%,その他は39.1%となっており,共同住宅が他の建て方に比べ高くなっている。平成15年と比べると,一戸建の増加率が274.3%,長屋建が283.0%,共同住宅が52.8%,その他が12.9%となっており,一戸建及び長屋建が他の建て方に比べ高くなっている。
<図2−16,表2−31>
また,所有の関係別にみると,持ち家は1201万戸で住宅全体の39.6%,借家は1029万戸(57.9%)となっており,借家の割合が高くなっている。
設置場所別にみると,「寝室」が1436万戸で住宅全体の28.9%,「台所」が1447万戸(29.2%),「階段」が268万戸(5.4%),「廊下」が274万戸(5.5%),「その他」が276万戸(5.6%)となっており,「寝室」及び「台所」が共に約3割と他の設置場所に比べ高くなっている。
<図2−17,表2−32>
注)住宅用火災警報器等は,平成16年6月2日の消防法の一部改正により設置が義務付けられ,新築住宅は平成18年6月1日から,既存住宅は市町村条例で定める日からそれぞれ適用となっている。
自動火災感知設備設置率が最も高い宮城県
自動火災感知設備設置率を都道府県別にみると,宮城県が73.8%と最も高く,次いで石川県が64.9%,愛知県が64.1%,富山県が62.6%,青森県が57.3%などとなっている。
一方,徳島県が26.8%と最も低く,次いで宮崎県が26.9%,高知県が27.1%,佐賀県が27.8%,秋田県が28.2%などとなっている。
<表2−33>
自動火災感知設備設置率が高い中京大都市圏
3大都市圏の自動火災感知設備設置率は 49.1%で,全国の45.0%に比べ,4.1ポイント高くなっている。
また,3大都市圏別にみると,関東大都市圏が48.1%,中京大都市圏が58.1%,近畿大都市圏が47.0%となっており,いずれの大都市圏も全国を上回っている。特に,中京大都市圏は6割弱となっている。
設置場所についてみると,3大都市圏では「寝室」が33.0%,「台所」が31.7%となっており,全国(28.9%,29.2%)に比べ,それぞれ4.1ポイント,2.5ポイント高くなっている。
<図2−18,表2−34>
<省エネルギー設備等の状況>
太陽光を利用した発電機器がある住宅は1.0%,普及率はほぼ倍増
省エネルギー設備等のある住宅についてみると,「太陽熱を利用した温水機器等あり」は262万戸で,住宅全体の5.3%となっており,「太陽光を利用した発電機器あり」は52万戸(1.0%),「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」は1044万戸(21.1%)となっている。
これを所有の関係別にみると,持ち家は,「太陽熱を利用した温水機器等あり」が252万戸で持ち家全体の8.3%,「太陽光を利用した発電機器あり」が50万戸(1.6%),「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」が838万戸(27.6%)となっているのに対し,借家は,それぞれ11万戸(借家全体の0.6%),3万戸(0.1%),206万戸(11.6%)となっており,いずれも持ち家が借家より多くなっている。
また,平成15年と比べると,「太陽熱を利用した温水機器等あり」は46万戸,15.0%の減少,「太陽光を利用した発電機器あり」は24万戸,88.7%の増加,「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」は201万戸,23.8%の増加となっており,「太陽光を利用した発電機器あり」の増加率が他の省エネルギー設備等のある住宅に比べ高くなっている。
これを所有の関係別にみると,持ち家は,「太陽光を利用した発電機器あり」が24万戸,92.7%の増加,「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」が176万戸,26.7%の増加となっており,借家(それぞれ1万戸,34.6%の増加,24万戸,13.3%の増加)に比べ増加率が高くなっている。
<表2−35>
「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」の割合が高い北海道・東北地方,北陸地方
省エネルギー設備等のある住宅の割合を都道府県別にみると,「太陽熱を利用した温水機器等あり」は,宮崎県が26.9%と最も高く,次いで熊本県が20.6%,高知県が18.0%,佐賀県が16.4%などとなっており,温暖地域である九州地方が高くなっている。一方,北海道が0.8%と最も低く,次いで東京都が0.9%,秋田県が1.6%,青森県が1.8%などとなっている。
<表2−36,図2−19>
「太陽光を利用した発電機器あり」は,佐賀県が3.0%と最も高く,次いで宮崎県が2.7%,熊本県が2.2%,鹿児島県が2.0%などとなっている。一方,北海道が0.3%と最も低く,次いで青森県及び東京都が共に0.4%,秋田県及び新潟県が共に0.5%,神奈川県及び大阪府が共に0.6%などとなっている。
<表2−36>
「二重サッシ又は複層ガラスの窓あり」は,北海道が83.0%と最も高く,次いで青森県が69.9%,秋田県が64.8%,岩手県が57.9%などとなっており,厳冬地域である北海道・東北地方,北陸地方が高くなっている。一方,沖縄県が5.7%と最も低く,次いで鹿児島県が9.0%,高知県が9.2%,宮崎県が9.3%などとなっている。
<表2−36,図2−20>
<エレベーターあり・オートロック式>
非木造の共同住宅の3割がオートロック式
非木造の共同住宅(1794万戸)のうち,「エレベーターあり」の住宅は846万戸で47.2%となっている。
エレベーター内の防犯設備をみると,「ドアの一部がガラス張り」が524万戸で非木造の共同住宅全体の29.2%,「防犯カメラの設置」が458万戸(25.6%)となっている。
エレベーター内の防犯設備の割合を建物の階数別にみると,6階建以上では,半数以上が「ドアの一部がガラス張り」となっている。また,「防犯カメラの設置」は建物が高層になるほど高くなっており,「15階建以上」で86.4%となっている。
建築の時期別にみると,「ドアの一部がガラス張り」及び「防犯カメラの設置」は共に建築の時期が新しくなるほど高くなる傾向となっている。
<表2−37>
「オートロック式」の住宅は542万戸で非木造の共同住宅全体の30.2%と3割となっている。
「オートロック式」の住宅の割合を建物の階数別にみると,建物が高層になるほど高くなる傾向となっており,6階建以上では5割を超えている。
建築の時期別にみると,建築の時期が新しくなるほど高くなる傾向となっており,平成13年以降に建築されたものでは5割を超えている。
<表2−37,図2−21>
エレベーターありの割合が最も高い大阪府,オートロック式の割合が最も高い福岡県
非木造の共同住宅について,「エレベーターあり」の割合を都道府県別にみると,大阪府が62.0%と最も高く,次いで東京都が58.6%,兵庫県が55.9%,福岡県が55.0%,神奈川県が52.5%などとなっている。一方,秋田県が14.1%と最も低く,次いで山梨県が15.2%,長野県が15.5%,福島県が16.9%,群馬県が17.8%などとなっている。
<表2−38,図2−22>
「オートロック式」の割合をみると,福岡県が41.1%と最も高く,次いで京都府が39.0%,東京都が38.2%,神奈川県が35.7%,大阪府が35.3%などとなっている。一方,長野県が7.7%と最も低く,次いで群馬県が8.9%,沖縄県が9.4%,山梨県が9.9%,富山県が10.9%などとなっている。
<表2−38,図2−23>
エレベーター内の防犯設備の割合が高い大阪府
非木造の共同住宅について,エレベーター内の防犯設備の割合を都道府県別にみると,「ドアの一部がガラス張り」は,大阪府が40.9%と最も高く,次いで兵庫県が39.8%,宮城県が38.7%,北海道が36.2%,京都府が35.6%などとなっている。一方,三重県が7.6%と最も低く,次いで山梨県が8.3%,秋田県が8.6%,群馬県及び長野県が共に9.0%などとなっている。
「防犯カメラの設置」についても,大阪府が38.7%と最も高く,次いで東京都が32.2%,兵庫県が31.1%,宮城県が30.5%,京都府が29.8%などとなっている。一方,長野県が4.0%と最も低く,次いで山梨県が5.0%,福島県及び沖縄県が共に6.7%,富山県が7.2%などとなっている。
<表2−39>