ここから本文です。
統計トピックスNo.55
地上デジタル放送移行によるテレビ等への支出金額の影響−「家計消費状況調査」の結果から−
1 月別の購入状況
「家電エコポイント制度」対象商品となっていたテレビについて、二人以上の世帯における1世帯当たり1か月間の支出金額の対前年同月実質増減率をみると、発行ポイント数が減少する前の平成22年11月に大幅な増加となり、制度が終了した23年3月には減少となりましたが、4月以降は増加に転じました(図1参照)。
「家電エコポイント制度」の対象商品が含まれる品目における平成22年12月までの支出金額の動きにつきましては、「家計消費状況調査年報」を御参照ください。
図1 テレビへの1世帯当たり1か月間の支出金額の対前年同月増減率の推移(二人以上の世帯)
テレビへの支出金額について、平成23年1月以降の対前年同月実質増減率の推移をみると、「家電エコポイント制度」終了前の平成23年2月は9.5%の増加となり、終了時の3月は減少に転じましたが、4月は再び増加となり、地上デジタル放送に移行する7月まで大幅な増加となっています。移行後の8月は35.3%の大幅な減少となっています(図2参照)。
また、デジタル放送チューナー・アンテナへの支出金額及びビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への支出金額の対前年同月実質増減率の推移をみると、平成23年1月から7月まで増加となっています。8月は、デジタル放送チューナー・アンテナは1.6%の減少となりましたが、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)は41.1%の大幅な増加となっています(図3、図4参照)。
図2 テレビへの1世帯当たり1か月間の支出金額の対前年同月増減率の推移(二人以上の世帯)―平成23年―
図3 デジタル放送チューナー・アンテナへの1世帯当たり1か月間の支出金額の対前年同月増減率の推移(二人以上の世帯)―平成23年―
図4 ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への1世帯当たり1か月間の支出金額の対前年同月増減率の推移(二人以上の世帯)―平成23年―
2 平成23年5月〜7月平均のテレビ等への1世帯当たり1か月間の支出金額
二人以上の世帯における1世帯当たり1か月間のテレビ等への支出金額について、地上デジタル放送に移行した平成23年7月を含めた過去3か月(5月〜7月)の平均を、地方・都市階級別、世帯主の年齢階級別及び年間収入階級別にみると、次のとおりとなっています。
(1) 地方・都市階級別
地方別にみると、テレビへの支出金額は、北陸地方(4,589円)が最も多くなっており、次いで、関東地方(3,618円)、九州・沖縄地方(3,396円)などとなっています。また、デジタル放送チューナー・アンテナへの支出金額は関東地方(474円)が、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への支出金額は中国地方(1,039円)が、それぞれ最も多くなっています。
なお、テレビ及びビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)は、一部の地方で前年同月より少なくなっていますが、デジタル放送チューナー・アンテナは全ての地方で前年同月より多くなっています。
都市階級別にみると、テレビは小都市B・町村(4,220円)が、デジタル放送チューナー・アンテナは小都市A(423円)が、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)は大都市(1,012円)が、それぞれ最も多くなっています(図5〜図7参照)。
図5 地方・都市階級別テレビへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図6 地方・都市階級別デジタル放送チューナー・アンテナへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図7 地方・都市階級別ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
(2) 世帯主の年齢階級別
世帯主の年齢階級別にみると、テレビへの支出金額は、50〜59歳の世帯(3,810円)が最も多く、次いで60〜69歳の世帯(3,675円)などとなっています。また、デジタル放送チューナー・アンテナへの支出金額は60〜69歳の世帯(440円)が、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への支出金額は40〜49歳の世帯(1,284円)が、それぞれ最も多くなっています(図8〜図10参照)。
図8 世帯主の年齢階級別テレビへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図9 世帯主の年齢階級別デジタル放送チューナー・アンテナへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図10 世帯主の年齢階級別ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
(2) 年間収入階級別
年間収入階級別にみると、テレビへの支出金額は、2000万円以上の世帯(5,574円)が最も多く、次いで1250〜1500万円の世帯(5,055円)などとなっています。また、デジタル放送チューナー・アンテナへの支出金額及びビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への支出金額も、2000万円以上の世帯(660円、2,219円)が最も多くなっています(図11〜図13参照)。
図11 年間収入階級別テレビへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図12 年間収入階級別デジタル放送チューナー・アンテナへの1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)
図13 年間収入階級別ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)への1世帯当たり1か月間の支出金額(二人以上の世帯)