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統計研修受講記(令和7年度 No.3)
令和7年度 「GISによる統計活用」を受講して
熊本市都市建設局都市政策部都市安全課 本門 凌
今回の研修「GISによる統計活用」を受講し、地理情報システム(GIS)を用いたデータ分析の有効性と、行政業務における活用可能性の大きさを改めて実感しました。
これまでも災害リスク評価など一部の業務でGISを利用してきましたが、今回の研修を通じて、統計データと地理空間データを組み合わせることで見えてくる情報の質が大きく向上し、地域課題をより構造的かつ客観的に把握できる点が非常に印象に残りました。
研修では、国勢調査などの公的統計をGIS上に重ね合わせ、地域ごとの差異を地図として表現する手法を学びました。従来、同じ統計データを表形式で確認していた際には、数値の比較に意識が向き、全体像を直感的に把握しにくいという課題がありました。しかし、これを地図化することで、人口構成の偏りや地域特性が一目で把握でき、政策立案の初期段階において迅速かつ的確な判断を行うための強力なツールになることを実感しました。
また、視覚的な表現は庁内説明や住民説明の際にも理解されやすく、行政としての説明責任を果たす上でも非常に有用だと感じました。
特に興味深かったのは、統計データを地域メッシュ単位に落とし込み、より詳細な分析を可能にする方法です。町丁字単位の分析では把握しきれない微細な人口動態の違い、高齢化の進行度、公共施設までの距離など、地域の実態をよりリアルに捉えることができます。災害対策を検討する上でも、避難困難者が集中するエリアの特定や、優先して対策すべき区域を合理的に抽出できることから、現場に直結した活用方法が多いと感じました。
さらに、研修ではGISの基本操作から応用機能まで幅広く学ぶことができました。レイヤー管理や属性データの編集方法、簡単な空間分析の仕組みなど、実務で必要となる知識を体系的に身につけることができました。特定条件に合致する地点を自動抽出する機能は、危険区域の把握や対策エリアの設定にそのまま活用できるため、業務効率化にも大きく貢献すると感じています。
また、人口統計と災害リスク情報を重ね合わせることで、避難困難性を客観的に示すことができ、根拠に基づいた判断を支える材料として極めて有効でした。
今回の研修を通じ、GISは単なる地図作成のためのツールではなく、地域課題の可視化と政策形成を科学的に支える基盤技術であるという認識が強まりました。今後は研修で得た知識を積極的に業務へ生かし、資料作成や分析業務にGISを取り入れることで、より説得力のある行政運営に貢献していきたいと考えています。
(統計調査ニュース 令和8年5月号より)
