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統計研修受講記(令和5年度 No.1)
令和5年度 「経済予測」を受講して
沖縄県企画部企画調整課 真栄田 美里
私の所属する部署は、県内景気動向の判断や県経済情勢を公表しているほか、県内総生産を始めとする経済指標を定量的に推計し、「経済見通し」を策定する業務を担っております。
県経済の構造や相互関連を表す連立方程式体系から成るマクロ経済モデルを活用し、経済見通しの策定業務を担当していることから、本研修を希望いたしました。
本研修の前には、自身の業務に関連している「国民・県民経済計算」及び「初めて学ぶ統計」の動画講座も受講いたしました。
本研修初日の「現下の経済動向」は、景気の山・谷がどのようなプロセスで判定されるのか、過去データを基に分析していくほか、各種統計から見た現下の日本経済の構造や日本経済見通しについての研修でした。業務に直結する内容で、また経済史に関する補足資料の配布もあり、大変参考になりました。
「産業連関表による経済波及効果」では、産業連関表の構造解説から始まり、経済波及効果分析の基礎、そして分析する上での留意事項の説明があり、またExcelで実際に経済波及効果を算出し、レオンチェフ逆行列の計算など演習を行いました。経済波及効果算出や行列計算は初めて学びましたが、講師の解説と研修資料が非常に理解しやすく吸収できました。
「予測のための経済基礎理論・マクロ計量モデルによる経済予測」では、モデル構築と推計のための練習問題をこなしていく研修であり、回帰分析を経験したことのない研修生がほとんどでしたが、回帰分析の工程全てを説明していただきマスターすることができました。回帰分析は、その後の講義でも使用したため、すぐに習得することができました。
「生産関数による経済予測」では、経済循環構造、経済予測における三つの経済モデルの特徴を理解した上で、生産関数を用いた分析を学びました。また、資本ストックの推計方法や、生産関数に関連するデータの解説があり、膨大な情報量が資料でまとめられており、独学で学習するには限界がある内容だったと感じました。
本研修は、経済予測や産業連関表に関する基礎知識から実践まで含まれているため、該当する業務を担う方々にとって非常に有意義な研修になるかと思います。
また、今回は研修所の寮に宿泊することで、講義終了後も寮でゆっくり資料を確認できたため、集中して講義に臨むことができました。
研修終了後も、講義動画が視聴可能だったことから、演習Excelと併せて確認し、理解の定着を図りました。
最後になりますが、研修生の進捗に合わせて丁寧に御教示くださった先生方及び事務局の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。研修期間中は誠にありがとうございました。
更なる知識向上のため、引き続き統計研修等を受講し、業務にいかしていきたいと思います。
(統計調査ニュース 令和5年12月号より)