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統計研修受講記(平成24年度 No.2)
専科「人口推計」を受講して
山口市総務部情報管理課 有熊 江美子
私は、統計調査担当に配属されて2年目となりますが、推計人口の公表や経済センサス-活動調査などの実務だけでなく、統計に関する問合せを受けることも多くあります。 特に人口統計は官公庁や事業所だけでなく、高校生やお年寄りなどの一般市民からも問合せがあるなど、 統計調査の結果が多くの人々に利用されていることに気付きました。中でも、将来の人口見通しは自治体にとって重要であり、その推計手法について学んでみたいと思っていたため、専科「人口推計」を受講しました。
研修では、まず「現下の人口問題」で日本や世界の人口の現状と問題点、人口の推移から推察される展望などについて講義を受けました。 出生数の減少、高齢人口の増加といった問題は、 国内の全ての地域に共通で大都市圏も例外ではないことを学びました。
「推計のための人口基礎理論」では、人口推計の基礎となる様々な手法、分析の基礎やデータの利用方法について解説がありました。 推計に必要な「死亡」、「出生」、「移動」についての分析は、大変興味を持って拝聴しました。 また、演習を交えての講義でしたので、数学を敬遠しがちな私でも理解することができました。
「人口の将来推計」では、主にコーホートに着目した推計方法で演習を行いました。 コーホート変化率法、コーホート要因法による推計を行いながら、それぞれの利点や注意点についても解説がありました。 また他の手法との比較も行い、どういった手法やデータを用いるかで導き出される結果が大きく変わることが大変よく理解できました。
「世帯の将来推計」では、世帯の変化を考慮に入れながら推計することの難しさを実感しました。 推計手法について詳しく説明を受けたのですが、自分でその手法を使いこなせるまでには至らず、今後更に勉強していきたいと思います。
労働力人口は15歳以上の労働市場に参入している人数であり、経済を支える数字でもあります。 「労働力人口の推計」の講義では、労働力人口の意義から推計手法まで学びました。 推計要因として様々な要素を取り入れる点が面白く、またそれを担当者が選択する難しさも感じました。
研修に参加する前は不安もありましたが、研修を通して統計調査の重要性を実感しました。 調査から得られる統計結果があってこそ、将来の推計が可能なのです。 改めて自分の携わる業務の重要性を認識することができました。
最後になりましたが、丁寧な説明をしてくださった講師の先生方、研修に際し色々と御配慮いただいた統計研修所の皆様には大変お世話になりました。 ありがとうございました。
(統計調査ニュース 平成24年10月号より)