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統計研修受講記(平成21年度 No.5)
本科(第111期)」を受講して
衆議院調査局決算行政監視調査室 鎌田 純也
衆議院調査局の業務は多岐にわたるものとなっていますが、大きく分けると、@国会議員からの調査依頼への対応、A法案や委員会のための参考書づくりとなっており、統計データを活用した資料は国政を分析する上で重要なものとなっています。
本研修のカリキュラムは、基礎的な統計手法を学ぶことに重点を置きつつ、人口分析、金融、経済統計など統計を応用した各指標の読み方等を学ぶとともに、個人研究を通して、授業で学んだ統計の知識、理論の習得を目指すものであり、これに加えて、グループごとに統計調査票作成の「いろは」を学ぶグループ研究も盛りこまれています。
研修開始当初は、3か月という長丁場と科目の多さに戸惑いを感じていましたが、授業が進むにつれ、統計を構築する理論、その手法を学ぶことにより、統計に対する新しい見方が広がっていくことを実感していきました。特に私が興味を持ったのは、カリキュラム全体を通して学んだ統計的な分析手法、解釈の仕方等です。
ある事象について、主成分分析、重回帰分析等といった統計的分析手法を使って、データを分析、解釈を行う過程は、調査業務を行う上でも重要なプロセスであり、この研修で学んだ知識、手法は今後の糧になると考えています。
また、一方で、データ収集・加工・解析手法の選択は恣意的に行いうるものであり、科学的根拠を踏まえた分析であっても、その結果が完全に客観性を備えたものではないことを実感できたことも非常に重要な経験だったと考えています。
さらに、グループ研修においては、個々の経験や知識をいかし、テーマに基づいて意見を語り合い、多くの議論を重ね、お互いに切磋琢磨し有意義な時間を過ごすことができました。普段違う職場で働く方々との出会いは、私にとって新しい価値観の発見や業務に対する向上心を刺激するものであり、とても貴重な体験となりました。本研修を通して得た統計的知識、そして、人との出会いから培われた知識、経験を本来の職場でいかしていければと思います。
世界の潮流として統計が重視され、我が国においても統計の価値が高まりつつある中、統計に関する研修に行かせていただいたことに感謝しております。
最後になりますが、折しも新型インフルエンザ流行の兆しがある中、熱心に教鞭べんを執ってくださった講師の先生方、そして、より良い研修環境に御配慮いただいた研修所の方には心より厚くお礼申し上げます。
(統計調査ニュース 平成22年4月号より)