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統計研修受講記(平成21年度 No.3)
専科「産業連関表の構造と分析」を受講して
さいたま市総務局総務部 上遠野 顕孝
私は平成21年4月にさいたま市に入庁し、現在の部署に配属されました。当初は市民経済計算や産業連関表など経済分析を主とする専門性の高い仕事に慣れませんでしたが、日々の業務を通じて徐々に理解を深めていきました。そうした中で、更に知識を深め今後の業務の内容をより充実させていきたいと思い、当該研修を受講しました。以下、簡単ながら各講義の内容について触れさせていただきたいと思います。
@ 「国民・県民経済計算の意義・役割」では、産業連関表を学ぶ上で重要となるSNAによる経済の比較という視点を、各国の統計グラフを基に解説していただき大変参考になりました。さらに統計データの収集方法やデータの見方など基礎的な考え方も分かりやすく教えてくださり、充実した内容でした。
A 「産業連関表の概要」では、産業連関表の仕組みや表の見方について基礎的な理解を深めることができました。また、産業連関分析を行う際に必要となる投入係数やレオンチェフ逆行列の解説は、Excelを用いて行列計算の基礎から学べたので、とても理解しやすいものでした。加えてADAMという分析システムも紹介してくださったので、今後の業務に役立てていきたいと思います。
B 「産業連関表作成のための基礎統計と部門分類」では、産業連関表の基礎的な部門分類についての解説から特殊な取扱いをする部門に関する解説まで、分析の前提となる知識や考え方を学ぶことができました。この科目の内容を学んだ後に、より発展的な内容を学ぶことで更に理解が深まると感じました。
C 「Excelを用いた産業連関分析」では、実際に産業連関表を用いて分析方法を教えていただきました。それまでの講義で学んだ理論を基にしたデータ分析が行えたのでイメージがつかみやすく、楽しく講義を受けることができました。さらに経済波及効果分析についての演習も行えたので、実践的な知識を身に付けることができました。講義の進め方も、基礎的な内容を深く解説してくださるといったもので無理なく理解を進めていくことができました。
今回の研修を通じて、地域の産業構造を明らかにすることのできる産業連関表は、政策立案過程に欠かせないものだと実感しました。昨今よく聞かれる「経済波及効果○○億円!」という報道にもあるように、産業連関表を用いた分析は重視されています。今後このような分析を行っていく上で必要となる知識を、研修で基礎から学べたことは非常に有意義でした。
最後になりましたが、丁寧な講義をしてくださった講師の先生方、研修を通じて親切な対応をしてくださいました事務局の皆様に厚く御礼申し上げます。
(統計調査ニュース 平成22年1月号より)