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統計研修受講記(平成20年度 No.3)
専科「国民・県民経済計算」(秋季)を受講して
静岡県企画部政策推進局統計利用室 川北 周吾
平成20年の4月に静岡県に入庁し、最初に配属されたのが、県民経済計算の推計を行う現在の部署でした。業務に携わるうちに、多少の専門用語や、県民経済計算の概要を理解することはできるようになりました。しかし依然として、県民経済計算全体を貫く本質的な考え方や、その数値をどのようにとらえ、どう活用すれば良いのか、ということについては分からないままでした。そこで、本質的なところから体系的に学び、今後の実務に役立てたいと思い、「国民・県民経済計算」(秋季)研修を受講しました。
講義は、「国民・県民経済計算の意義・役割」から始まり、「国民経済計算の概要」、「県民経済計算の概要」、「国民・県民経済計算を用いた回帰モデル・経済モデル」と基本的な部分から、回帰分析を用いた経済予測などの応用的な部分まで、豊富な内容でした。
国民経済計算に関する講義では、ケインズモデルやIS-LM モデルから、用語上の定義(国内総固定資本形成(投資)は、設備投資等の総固定資本形成と在庫品増加に分かれる、など)まで、理論と、実務に役立つ知識を学べました。
また、県民経済計算に関する講義では、基本だけではなく、地域特性の把握方法や一人当たり県民所得を考える上での注意等々、応用的な部分も学べました。中でも、「県別の経済力を評価する場合は、一人当たり県民所得よりも、県内総生産で考えるべきである。」という講師の言葉が印象に残っています。
国民(県民)経済計算は、経済の規模や構造をとらえるだけでなく、その時系列的な変化や経済の相対的地位を把握し、また行財政の目標や計画の策定に用いる有用なものです。この研修を受講することにより、 国民(県民)経済計算の数値を、どのように見て、活かせば良いかということを1週間で修得することができますので、統計職員だけでなく、他の部署に所属する方々にも参加することをお勧めします。
また、今回の研修では、講義だけではなく、他県の職員との交流も意義深いものでした。交流の中で得られる、業務をこなす上での苦労話や、県民経済計算に関する情報は貴重なものです。
最後になりましたが、お世話になりました講師の先生方、事務局の皆様方に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
(統計調査ニュース 平成21年2月号より)