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統計Today No.133
日本の住宅事情の今を明らかに
― 住宅・土地統計調査を今秋実施します! ―
総務省統計局統計調査部国勢統計課長 山田 幸夫
はじめに
総務省統計局では、今年の10月1日を期日として、「平成30年住宅・土地統計調査」を実施します。第1回調査は昭和23年に行われ、その後5年ごとに実施しており、今回は節目の15回目の調査となります。
都市計画や耐震・防災施策、空き家対策などにも幅広く活用
この調査は、全国約370万世帯の方々を対象とする我が国でも最大の標本調査で、調査結果は、国や地方公共団体における住生活に関する計画や、耐震・防災を中心とした都市計画の策定、近年特に注目を集めている空き家対策など、皆様の身近な生活環境の改善に幅広く活用されています。最近では、「住生活基本計画」の成果指標にも活用されています。
本調査について御理解いただくため、前回調査の結果から、主なデータを御紹介します。
(1)総住宅数は6063万戸、5年前に比べ304万戸増加
総住宅数は増加の一途をたどり、昭和43年には総住宅数が総世帯数を上回り(全国値)、昭和48年には全ての都道府県で総住宅数が総世帯数を上回りました。平成25年の総住宅数は6063万戸となり、5年前に比べ304万戸増加し、増加率は5.3%となっています。
図1 総住宅数及び総世帯数の推移−全国(昭和33年〜平成25年)
(注) *印の数値は、沖縄県を含まない。(2)空き家数は820万戸、空き家率は13.5%、いずれも過去最高
空き家についてみると、空き家数も増加を続け、平成25年には820万戸となり、空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)も13.5%と、いずれも過去最高となりました。
図2 空き家数及び空き家率の推移−全国(昭和33年〜平成25年)
(注) *印の数値は、沖縄県を含まない。(3)進む住宅のバリアフリー化
「高齢者等のための設備がある住宅」についてみると、平成25年は住宅全体の50.9%となっており、平成15年の39.8%に比べ11.1ポイントと大きく上昇し、5割を超えました。
図3 高齢者等のための設備がある住宅の割合−全国(平成15年、25年)
空き家や住宅の「質」についても新たに把握
近年、住環境対策として空き家対策の重要性が年々高まっている中、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、住生活基本計画において初めて空き家に関する指標が設定(下図参照)されたことを踏まえ、今回の調査では、空き家の建築時期や所有状況などの実態を新たに把握することとしています。これにより、耐震性の有無や建物内部の状況などを把握することが可能となり、住生活基本計画における空き家の除却推進に係る施策の企画立案にも活用されることが期待されています。
また、今回の調査では、中古住宅の市場がどのような形態の住宅を求めているかを知る指標として、新たにリフォームの有無を確認することにしています。
パソコン・スマートフォンでも、郵送でも
調査の実施面では、特に都市部においてマンション等の増加や共働き世帯の増加などにより、調査員が世帯員との面接に苦慮する場面も多くなってきています。このような状況を踏まえ、今回の調査では、前回調査で導入したオンライン調査を更に改善し、パソコンだけではなく、近年普及の著しいスマートフォンでの回答も可能としました。また、郵送での回答も可能とし、従来からの調査員の往訪による回収と併せて、多様な回答方法を用意することとしています。
速報の公表を早期化
また、今回の調査では、集計体系を見直して、速報の公表を3か月早期化し、住宅数概数集計として来年4月の公表を予定しているところです。迅速な公表により、調査結果の社会への還元を少しでも早くできるよう努めていきます。
皆様の御支援・御協力、何卒よろしくお願い申し上げます。
(平成30年9月5日)
の項目は、政府統計の総合窓口「e-Stat」掲載の統計表です。