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経済統計課長インタビュー

山形 成彦
総務省統計局統計調査部
経済統計課長
経済統計課長インタビュー_画像1
井手
本日は、総務省に興味を持っている皆さんに向けて、理工系事務官の魅力を実感していただけるようなお話を山形課長からお伺いできればと思います。最初に、山形課長が平成12年に総務省に入省されたきっかけを教えてください。
山形
学生時代は、空気や水の動きに関する微分方程式の理論研究という、ディープな世界(笑)に没頭していました。そんな中、ふとこんな命題が湧いてきたんです。「自分の数学力は、リアルな社会でどこまで通用するんだろう?」と。これが、総務省の扉をたたいた原点ですね。
井手
お恥ずかしながら私にはそのようなかっこいい命題、浮かんできたことありません。数学の素養を使う総務省のフィールドに惹かれて入省されたということですね。入省後はどのようなお仕事に携わってこられたのでしょうか。
山形
入省後は、統計に内在する誤差の分析を任されました。ビッグデータやAI技術を駆使して、「統計精度」と「即時性」を両立させる課題に取り組んだこともあります。こうした理工系スキルを直接活かせる場面では、同時にスキルアップも実感できました。その一方で、途上国への技術支援やデータ利活用を拡大する法改正といった国家プロジェクト、さらには他府省・他部局での一般行政分野にも幅広く参画してきました。現在は統計局の経済統計課長として、日本経済を支える企業活動の統計データ整備を指揮しています。
井手
ビッグデータやAI技術、行政政策や法改正まで!これまで本当に幅広い業務に携わられてこられたのですね。ところで、現在経済統計課ではどのようなことをされているのでしょうか。
山形
日本には数百万社もの企業があるんです。当課のミッションは、その収益、雇用、研究開発投資などの動きから、我が国の産業構造や競争力を数字で可視化すること。月単位・年単位で発表するデータの作成に加えて、現在は5年に一度の“経済の国勢調査”、「令和8年経済センサス‐活動調査」の真っ只中です。そういえば私自身、入省時の配属が当課でしたね。
井手
入省後最初の部署に課長として戻ってくる、何だか感慨深いですね。
山形
はい。当時から蓄積している長期時系列データは、時代の移り変わりを雄弁に語ります。一方で経済センサスは、業種も規模も異なる無数のプレイヤーを、同一手法・同一時点でとらえる、歴史の新しい統計データです。統計手法を変えれば、経済の見え方も変わります。GDPや産業政策などの根拠となる基礎データを、時代に合わせて自らの手で設計し、進化させられる。この仕事ならではの醍醐味ですね。
井手
私も山形課長の下、経済構造実態調査という約27万企業を対象に産業ごとの売上高や費用内訳などの実態を把握する調査を担当していますが、GDPなどの国民経済計算の精度向上に貢献できるスケールの大きい仕事に携われることに、日々やりがいを感じながら仕事をしています。
井手
さて、理工系事務官として総務省で働くことの魅力はずばり何だとお考えでしょうか。
山形
理工系事務官の活躍の場は、統計にとどまりません。総務省の所管は、行政評価、地方自治、情報通信など幅広く、しかも分野横断的。私が直前に在籍していた行政評価局では、経済産業省・環境省が所管するサーキュラーエコノミー(循環経済)政策を科学的に検証し、改善を提言するという、まさに理工系アプローチで切り込む仕事を担いました。総務省の最大の魅力は、データとロジックを武器に、分野の垣根を超えて社会課題に挑める点だと思いますね。
井手
今のお話を聞いて、専門的でありながら幅広い業務に従事できることに魅力を感じて総務省の扉をたたいたことを鮮明に思い出しました。では、そんな理工系事務官に求められる素養とは、どのようなものでしょうか。
山形
皆さんがこれまで磨いてきたリサーチ力、分析力、論理的思考力などは、統計に限らず、課題を立体的に捉え、複雑な議論を整理し、解決策を体系化するすべての実務で、基礎体力となるものです。
井手
これまで皆さんが大学や大学院で取り組んできたことすべてが武器になるということですね。
山形
そうですね。加えて、今や生成AIによって、誰でも「もっともらしい解答」を簡単に得られる時代。そこで大切となるのは、AIの出力を批判的に吟味する眼と、AIに代替できないオリジナリティです。AIと協働しながら質の高い最適解を導く。そんな次世代型の「理工系力」が、強く求められていると感じています。
経済統計課長インタビュー_画像2
井手 健太
聞き手
井手 健太
総務省統計局統計調査部
経済統計課審査発表係
井手
それでは最後に、理工系事務官に興味を持たれている皆さんに、熱いメッセージをお願いします。
山形
このサイトをご覧の皆さんは、学業や日常生活で生成AIやデジタル技術をごく自然に使いこなす「AIネイティブ」世代だと思います。行政の世界では、前例や慣行を大切にするあまり、環境変化への対応が遅れがちになることもあります。だからこそ、若い感性と恵まれた情報リテラシーをもつ皆さんの力が必要なんです。
自分が携わったデータや仕組みが、数年後の社会を左右する。そんなスケールの仕事に、若いうちから携われるのが総務省です。理工系センスを社会変革につなげたい―――そんな意欲ある皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。
井手 健太
聞き手
井手 健太
総務省統計局統計調査部
経済統計課審査発表係

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