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エジプト中央動員統計局(CAPMAS)における統計情報の質向上プロジェクトの紹介
概要
総務省統計局は、エジプト中央動員統計局(CAPMAS)に対し、総務省統計研修所、独立行政法人統計センターと一体となって、独立行政法人国際協力機構(JICA)による「エジプト中央動員統計局(CAPMAS)における統計情報の質向上プロジェクト」に協力しました。
政府開発援助(ODA)の一環である「エジプト中央動員統計局(CAPMAS)における統計情報の質向上プロジェクト」は、JICAによるCAPMASに対する技術協力プロジェクトで、2016年3月から2019年10月までの3年7か月に渡って実施されました。本プロジェクトの目的は、エジプトにおける2017年の人口・住宅センサスやその他の統計調査を効果的に実施するためのCAPMAS職員の統計能力を強化させることです。本プロジェクトにおいて、統計局は、エジプトにおける2017年の人口・住宅センサス実施に係る支援のほか、CAPMAS職員への研修などを通じて、職員の能力の構築・向上させるための支援を行いました。
背景・経緯
エジプト中央動員統計局(CAPMAS)は、正確なデータや情報に基づいて、政策立案者が意思決定を行い、問題を解決するために役立つはずである統計データや情報を公表することで、エジプト国家開発計画の実施過程において重要な役割を果たしています。
CAPMASは、人口統計、社会、経済分野での公的統計の作成を担当する唯一の政府機関です。また、計画省、労働力・移民省、貿易産業省などの多くの省庁が、国家開発計画を実施するうえで指針として依存するデータや統計を、国家機関、大学、研究機関や国際機関に、公式の情報として提供しています。さらに、多くの国際機関が開発要件を決定するためにCAPMASのデータに依存してします。
これらのすべての省庁や機関は、家計収入、支出、消費実態調査(HIECS)のデータ、労働力調査、インフレ率、価格統計(ICP、CPI)、人口・経済センサス、貿易統計、観光統計など、CAPMASによって作成された重要な指標やデータに依存し、使用しています。
このような中、CAPMASによる2017年人口・住宅センサスの準備段階で、CAPMASの、特に品質管理部門(20名(多くが若中年層))と標本抽出部門(20名(多くが若中年層))の職員の能力の構築、改善を行う必要があると判断され、エジプト政府から我が国に対して、協力の要請があったことにより、本プロジェクトが実施されることとなりました。
2015年12月22日、エジプト中央動員統計局(CAPMAS)とJICAエジプト事務所による二国間合意書(RD)が締結され、 これに基づき、 統計局は、CAPMASに対し専門家としての職員派遣、CAPMAS職員の統計局への受入れ(本邦研修)などを実施することになりました。
プロジェクトの成果
- 上位目標
エジプトの統計調査の品質向上により政策の妥当性が向上する。
- プロジェクト目標
CAPMAS職員の人口・住宅センサス及びその他の統計調査を実施する能力が強化される。
- 成果
(1)必要なITを活用した統計企画、実地調査、データ処理が高品質で効果的に実施される。
(2)サンプリング能力が品質面で向上する。
(3)2017年人口・住宅センサスの結果に係る精度検証(事後調査及び品質管理を含む)が国際基準に沿って適切に実施される。
- 日本側投入内容
(1)JICAによる投入
プロジェクトの実施にかかる事項について、JICA専門家によるCAPMASに対する技術的指導、助言、勧告
(a)専門家派遣
[長期]
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チーフアドバイザー
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プロジェクトコーディネーター
[短期]
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IT (データ集計)、事後調査 (集計 / マッチング)等
(b)研修
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現地における研修
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日本における研修
(c)セミナー/ワークショップ
(d)機材 (タブレット、車両)
(e)実施活動経費の一部(例:専門家活動経費)
上記に示した以外の事項は、必要に応じてプロジェクトの実施期間中にJICAとCAPMAS間の相互協議を通じて決定される。
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- 期間
第1回専門家派遣の日から3年間
さらに詳しくお知りになりたい方は、エジプト中央動員統計局(CAPMAS)における統計情報の質向上プロジェクトのページをご覧ください。