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IV 高齢者世帯・特定世帯の家計
1 高齢者世帯の家計
(1) 実収入,消費支出
二人以上の世帯のうち世帯主の年齢が65歳以上の世帯(高齢者世帯)の1か月平均実収入をみると,高齢勤労者世帯(世帯主の平均年齢68.4歳)が398,321円,高齢無職世帯(同72.3歳)が200,162円で,高齢無職世帯の実収入は,高齢勤労者世帯の約2分の1となっている。
実収入に占める収入の種類別割合をみると,高齢勤労者世帯は世帯主の勤め先収入が48.1%と最も高く,次いで社会保障給付が30.1%などとなっている。一方,高齢無職世帯は社会保障給付が78.1%と最も高く,次いで他の世帯員の勤め先収入が10.1%などとなっている。
また,可処分所得は高齢勤労者世帯が356,805円,高齢無職世帯が175,509円となっている。
1か月平均消費支出は,高齢勤労者世帯は307,487円,高齢無職世帯は257,230円となっており,高齢勤労者世帯は49,318円の黒字となっているのに対し,高齢無職世帯は81,721円の赤字となっている。この不足分は貯蓄などを取り崩して賄っているとみられる。(図IV-1,表IV-1)
(2) 貯蓄・負債
高齢者世帯の貯蓄現在高は,高齢勤労者世帯が2096万円,高齢無職世帯が2185万円となっている。一方,負債現在高は,高齢勤労者世帯が190万円,高齢無職世帯が72万円となっており,高齢勤労者世帯の負債現在高は,高齢無職世帯の2.6倍となっている。(表IV-1)
図IV-1 高齢者世帯の1か月平均実収入及び消費支出
表IV-1 高齢者世帯の1か月平均実収入及び消費支出
(3) 高齢者夫婦世帯
高齢者夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの世帯)の消費支出は260,846円となっており,夫婦のみの世帯(287,022円)全体と比べると9.1%少なくなっている。
費目別に消費支出に占める割合をみると,食料は23.5%となっており,夫婦のみの世帯(21.9%)を1.6ポイント上回っている。食料の内訳をみると,肉類及び外食を除くすべての費目で高齢者夫婦世帯の方が上回っている。
また,住居,光熱・水道,家具・家事用品,保健医療,教養娯楽の割合は高齢者夫婦世帯の方が高くなっている。一方,被服及び履物,交通・通信,「その他の消費支出」の割合は高齢者夫婦世帯の方が低くなっている。
次に,高齢者夫婦世帯を世帯主の年齢階級別にみると,消費支出は65〜69歳が280,412円,70〜74歳が259,749円,75歳以上が238,919円となっており,年齢階級が高くなるに従って少なくなっている。
費目別に消費支出に占める割合をみると,食料,住居,光熱・水道は年齢階級が高くなるに従って高くなっているのに対し,交通・通信は年齢階級が高くなるに従って低くなっている。
貯蓄現在高について,世帯主の年齢階級別にみると,65〜69歳が2225万円,70〜74歳が2231万円,75歳以上が2503万円となっており,年齢階級が高くなるに従って多くなっている。(表IV-2)
表IV-2 世帯主の年齢階級別高齢者夫婦世帯の消費支出(全世帯)