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平成7年国勢調査 第1次基本集計 結果の要約
平成8年11月29日公表
1 人口総数
〇 平成7年国勢調査による10月1日現在の我が国の総人口は,125,570,246人で,前回調査の2年に比べ1,959,079人,1.6%増加した。人口増加率は昭和55年以降低下を続け,この5年間は戦後最低となっている。
〇 我が国の人口は,世界の人口57.2億人の2.2%を占め,中国(12.2億人),インド(9.4億人),アメリカ合衆国(2.6億人),インドネシア(2.0億人),ブラジル(1.6億人),ロシア(1.5億人),パキスタン(1.4億人)に次いで8番目となっている。
〇 我が国の人口密度は337人/平方キロメートルで,人口1000万以上の国の中ではバングラデシュ(836人/平方キロメートル),韓国(453人/平方キロメートル),オランダ(380人/平方キロメートル)に次いで4番目となっている。
〇 全国47都道府県のうち,人口300万人以上は10都道府県,200万人台が9府県,100万人台が21県,100万人未満が7県となっている。
〇 人口増加率は埼玉県が5.5%で最も高く,以下,滋賀県(5.3%),千葉県(4.4%),沖縄県(4.2%),奈良県(4.0%)と続いており,34道府県で人口が増加した。人口減少県の数は,昭和60年〜平成2年の18道県から13都県に減少している。
2 男女別人口
〇 人口を男女別にみると,男子が61,574,398人,女子が63,995,848人で,女子が2,421,450人多く,人口性比(女子100人に対する男子の数)は96.2となっており,平成2年に比べ 0.3ポイント低下している。
〇 人口性比を都道府県別にみると,神奈川県が104.3と最も高く,以下,埼玉県(102.4),千葉県(101.7),愛知県(100.3),東京都(100.2)と続き,この5都県で100を超えている。一方,最も低いのは鹿児島県の88.2で,四国及び九州地方で人口性比の低い県が多くなっている。
3 年齢別人口
〇 人口を年齢別にみると,年少人口は20,013,730人(総人口の15.9%),生産年齢人口は87,164,721人(同69.4%),老年人口は18,260,822人(同14.5%)となっている。
〇 老年人口は,平成2年に比べ3,366,227人(22.6%)増と,調査開始以来最も高い増加率となっている。
また,総人口に占める割合も2.5ポイント拡大しており,高齢化が更に進行している。総人口に占める老年人口の割合はフランス,スペインなどとほぼ同水準となっている。
〇 年少人口は,平成2年に比べ2,472,509人の減少となっており,総人口に占める割合も15.9%と調査開始以来最も低くなっている。
〇 生産年齢人口は,平成2年に比べ1,260,745人の増加となっている。総人口に占める割合は69.4%で,平成2年に比べわずかに縮小している。我が国の生産年齢人口の総人口に占める割合は,韓国,イタリア,ドイツなどとともに高い水準となっている。
〇 平成7年の人口ピラミッドの形態は,45〜49歳(第1次ベビーブーム世代),20〜24歳(第2次ベビーブーム世代)を中心とした膨らみをもつ「ひょうたん型」となっている。
〇 総人口に占める老年人口の割合を都道府県別にみると,島根県が21.7%と最も高く,埼玉県が10.1%で最も低くなっている。老年人口の割合を平成2年と比べると,すべての都道府県で拡大しており,全国的に高齢化が進行している。なお,総人口に占める年少人口の割合はすべての都道府県で平成2年と比べて縮小している。
〇 総人口に占める生産年齢人口の割合を都道府県別にみると,神奈川県が74.0%と最も高く,島根県が62.0%と最も低い。生産年齢人口の割合を平成2年と比べると,32都道県で縮小している。
〇 22都県で老年人口が年少人口を上回っている。
4 配偶関係
〇 15歳以上人口の配偶の関係をみると,有配偶率は男子が62.6%,女子が59.1%,未婚率は男子が32.1%,女子が24.0%となっており,男女とも有配偶率は低下し,未婚率は上昇している。男子25〜34歳,女子20〜29歳の未婚率は昭和60年からの15年間に大幅に上昇しており,男女とも晩婚化が進んでいることを示している。
〇 25〜29歳の未婚率が最も高いのは,男女とも東京都でそれぞれ75.8%,59.4%となっている。一方,最も低いのは,男子が宮崎県で59.9%,女子が福井県で39.8%となっている。
5 一般世帯
〇 一般世帯数は43,899,923世帯で,平成2年に比べ3,229,448世帯,7.9%増加した。平成2年〜7年の一般世帯数の増加率を世帯人員別にみると,2人世帯が20.4%増,1人世帯が19.7%増,3人世帯が10.6%増と,世帯人員が3人以下の各世帯で増加しているのに対し,4人以上の各世帯では減少している。
また,一般世帯の1世帯当たり人員は2.82人で,世帯規模は引き続き縮小している。
〇 一般世帯数の増加率は,埼玉県と滋賀県がともに12.4%と最も高く,島根県が4.2%と最も低い。
また,1世帯当たり人員は,山形県が3.45人と最も多く,東京都が2.34人と最も少なく,平成2年に比べ全都道府県で減少している。
6 世帯の家族類型
〇 一般世帯の家族類型別割合をみると,核家族世帯が58.7%,単独世帯が25.6%となっている。単独世帯の割合は,引き続き拡大している。
7 住居の状態
〇 持ち家に住む世帯は25,633,037世帯,民営の借家に住む世帯は11,618,423世帯で,住宅に住む一般世帯数に占める割合は,それぞれ60.2%,27.3%となっている。
また,住宅に住む一般世帯の持ち家率は60.2%で,2年(61.2%)に比べ1.0ポイント低下している。
〇 住宅に住む一般世帯の1世帯当たり延べ面積は85.9平方メートルで,住宅の所有の関係別にみると,持ち家の世帯は115.4平方メートル,民営の借家の世帯はその約3分の1の37.9平方メートルとなっている。
〇 住宅に住む一般世帯数に占める持ち家世帯の割合を都道府県別にみると,富山県が80.4%と最も高く,東京都が42.0%と最も低くなっている。一方,民営の借家世帯の割合は,東京都の41.5%が最も高く,富山県の12.3%が最も低くなっている。
また,住宅に住む一般世帯の1世帯当たり延べ面積は富山県が141.3平方メートルと最も広く, 東京都が57.6平方メートルと最も狭い。
8 65歳以上の親族のいる一般世帯
〇 65歳以上の親族(高齢親族)のいる一般世帯は,12,780,231世帯(一般世帯数に占める割合は29.1%)で,平成2年に比べ2,050,767世帯,19.1%増加した。
このうち,核家族世帯(65歳以上親族のいる一般世帯数の40.4%)が35.8%増,単独世帯が(同17.2%)が35.6%増と大幅に増加しており,65歳以上の親族のいる一般世帯では核家族化の進行と単独世帯の割合の拡大が顕著となっている。
9 高齢単身世帯
〇 高齢単身世帯(65歳以上の単独世帯)は,2,202,160世帯で,平成2年に比べ,578,727世帯,35.6%増加した。また,高齢単身者は65歳以上人口の12.1%を占め,男子が460,159人,女子が1,742,001人で,女子が男子の3.8倍となっている。
10 高齢夫婦世帯
〇 高齢夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦)は2,762,585世帯で,平成2年に比べ795,086世帯,40.4%増加した。
11 外国人
〇 我が国に在住する外国人は1,140,326人で,平成2年に比べ253,929人,28.6%増加している。国籍別では,韓国・朝鮮が560,414人(外国人人口の49.1%)と最も多くなっている。これを平成2年と比べると,韓国・朝鮮が減少しているのに対し,ペルーが4.4倍,ブラジルが3.2倍,タイが2.8倍,フィリピンが1.9倍と大幅に増加している。
図2 都道府県別老年人口の割合
図3 都道府県別持ち家率