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令和6年4月12日
総務省
統計トピックスNo.140
我が国における企業の研究費の動向
− 科学技術週間(4月15日〜4月21日)にちなんで −(科学技術研究調査の結果から)
総務省統計局では、我が国における科学技術に関する研究活動の状態を調査し、科学技術振興に必要な基礎資料を得ることを目的として、科学技術研究調査を毎年実施しています。
今回は調査結果から、科学技術研究費(以下「研究費」といいます。)のうち、我が国における企業の研究費の動向について御紹介します。
〔要約〕
【研究費】
・ 研究費は過去最高、研究主体別では企業が約7割を占める
・ 産業別では製造業の研究費が最も多く、製造業の中では自動車・同附属品製造業が最多、次いで医薬品製造業
・ 売上高に占める研究費の割合は横ばいで推移
【技術貿易】
・ 企業の技術貿易収支額は増加傾向で推移
・ 技術輸出の受取額を産業別にみると、製造業では自動車・同附属品製造業が最多、次いで医薬品製造業
(注)技術貿易とは、外国との間における技術の提供又は受入れをいいます。
- 本統計トピックスは、2023年(令和5年)科学技術研究調査の結果(令和5年12月15日公表)によるものです。
- 詳しい結果を御覧になりたい場合は、次のURLを御参照ください。
https://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/index.html
1 研究費
・研究費は過去最高、研究主体別では企業が約7割を占める
2022年度の研究費の総額は、20.7兆円で過去最高となっています。2007年度以降の研究費を研究主体別にみると、企業が約7割を占めており、2022年度は73.1%となっています。(図1)
図1 研究主体別研究費の推移
(注1) ( )内は研究費総額に占める各研究主体の研究費の割合
(注2) 単位未満を含む数値で計算を行っているため、表章数値による計算とは一致しない場合があります。以下同様
・産業別では製造業の研究費が最も多く、製造業の中では自動車・同附属品製造業が最多、次いで医薬品製造業
企業の研究費を産業別にみると、2022年度は製造業が12.8兆円と、全産業の研究費の8割以上を占めています。製造業では、自動車・同附属品製造業が最も多く、次いで、医薬品製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業などとなっています。(図2)
図2 産業別研究費の推移
(注) ( )内は研究費総額に占める各産業の研究費の割合
2007年度を100として研究費の動きをみると、全産業では、2009年度に86.6に低下した後、2014年度には2007年度と同程度の水準に回復しました。2014年度以降はおおむね横ばいで推移した後、2021年度から2年連続で上昇し、2022年度は109.4となりました。研究費が多い上位5産業※についてみると、自動車・同附属品製造業は2009年度に79.5と大幅に低下しましたが、2010年度以降はおおむね上昇傾向が続き、2020年度以降は高い水準で推移し、2022年度は161.6となっています。また、電子部品・デバイス・電子回路製造業は、2017年度までは2007年度の水準を下回っていましたが、2018年度以降、大幅な上昇傾向となっており、2022年度は147.3と、自動車・同附属品製造業に次いで大きな伸びとなっています。(図3)
※医薬品製造業、業務用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業及び自動車・同附属品製造業
図3 産業別の研究費の動き
・売上高に占める研究費の割合は横ばいで推移
研究を実施している企業(金融業,保険業を除く。)の売上高に占める研究費の割合をみると、2007年度以降は3%前後で推移しています。(図4)
図4 売上高及び売上高に占める研究費の割合の推移
(金融業,保険業を除く全産業)
2 技術貿易
・企業の技術貿易収支額は増加傾向で推移
企業の技術貿易※の動きをみると、技術輸出の受取額は2007年度から2009年度にかけて減少し、2010年度からおおむね増加傾向となり、2016年度から2019年度まではおおむね横ばいで推移しています。2020年度には大きく減少しましたが、2021年度から2年連続で増加、特に2022年度は大きく増加し5.0兆円となりました。一方、技術輸入の支払額は2007年度から2011年度にかけてやや減少傾向となっていますが、おおむね横ばいで推移しており、2022年度は0.7兆円となっています。
技術輸出の受取額から技術輸入の支払額を引いた技術貿易収支額は、技術輸出の受取額の動きとほぼ同様に推移しています。(図5)
※技術貿易とは、外国との間における技術の提供又は受入れをいいます。
図5 企業の技術貿易の推移(全産業)
・技術輸出の受取額を産業別にみると、製造業では自動車・同附属品製造業が最多、次いで医薬品製造業
技術輸出の受取額を産業別にみると、2022年度は、全産業が5.0兆円であるのに対し、製造業は4.5兆円となっています。また製造業では、自動車・同附属品製造業が最も多く、次いで、医薬品製造業となっています。
技術輸出のうち、親子会社での取引が占める割合をみると、2022年度は、全産業では63.6%となっています。産業別にみると、自動車・同附属品製造業は87.3%と、親子会社での取引の割合が高くなっていますが、医薬品製造業は41.9%と、全産業の割合よりも低くなっています。(図6)
図6 産業別技術輸出のうち親子会社での取引が占める割合(2022年度)
(注1) 【 】内は各産業の技術輸出の受取額
(注2) ( )内は各産業の技術輸出の受取額に対する親子会社又は親子会社以外での取引の割合
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総務省統計局統計調査部経済統計課 科学技術研究調査係
〒162-8668 東京都新宿区若松町19番1号
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E-Mail: e-kagaku_atmark_soumu.go.jp
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