ここから本文です。

ゼミナール編(1) 〜データ利活用の進め方

1時限目 データ利活用の進め方
〜 実例で見るPPDACサイクル 〜

D(data、データ収集)データの収集・整理

P(計画)フェーズの結果をふまえ、データを実際に収集・整理していきます。

データの収集方法は、既存データ(公的統計などオープンデータや、自分たちがもつ蓄積データ)を使用する場合と、新たに調査を行う方法の大きく2つに分けられますが、ここでは、公的統計の利活用に的をしぼり、「統計マクロデータ」(集計結果)と「統計ミクロデータ」(調査票情報)の2つの角度から紹介します。

公的統計の利活用(1) 〜 統計マクロデータ

EBPM推進において、公的統計の利活用は欠かすことはできません。主に国民の皆様から集めた情報が政策立案に活用され、国民生活の改善という形で国民に還元されるという循環は、EBPMで求められる成功の一つともいえます。

各府省が公表する統計データは、オープンデータとして「政府統計の総合窓口(e-Stat)」に集約・提供することを目指しており、インターネットで誰でも、閲覧、ダウンロードできます。主要なデータは、「統計ダッシュボード」で視覚的に見ることができます。

公的統計の利活用(2) 〜 統計ミクロデータ

e-Statなどで入手できる統計調査の集計結果(=マクロデータ)に対して、集計前の個票形式のデータが「ミクロデータ(調査情報)」です。

調査対象の秘密の保護を図ったうえで、世帯単位や事業所単位といった集計する前の個票形式で提供されており、ミクロデータを用いることで、より自由で多様な分析を行うことが可能になるため、新たな発見につながることが期待されます。

滋賀県の実践例

ロジックツリーで整理された要因に関する公的統計データを収集しました。
平成27年国勢調査をベースに分析を行うため、他の統計データも同年または同年に近いものを利用しました。

ミクロデータ(調査票情報)の活用も検討しましたが、主に利用した平成27年国勢調査等がこの時点ではまだ利用できなかったため、見送られました。

仮説に合わせてデータを収集する

ロジックツリーで整理された要因ごとに公的統計等を利用

  内容 公的統計等 入手場所
調査名 調査元 調査・報告年
1 労働力率、人口、世帯、雇用形態、産業等 国勢調査 総務省 平成27年 e-Stat
2 生活時間(仕事、通勤・通学、家事、育児) 社会生活基本調査 総務省 平成28年 e-Stat
3 収入(賃金) 賃金構造基本統計調査 厚生労働省 平成27年 e-Stat
4 離職理由等 就業構造基本調査 総務省 平成29年 e-Stat
5 保育所 福祉行政報告例 厚生労働省 平成27年 e-Stat
保育所等関連状況取りまとめ 厚生労働省 平成27年4月1日 厚生労働省HP
6 意識 地域における女性の活躍に関する意識調査 内閣府男女共同参画局 平成27年度 内閣府HP

ここがポイント!

  1. 公的統計、まずは「e-Stat」「統計ダッシュボード」「RESAS」。
  2. 統計データの調査年をそろえる。
  3. 公的統計のミクロデータ活用も視野に。
  • 次は、A(分析)フェーズ。
    データ分析の4つの視点とは?

サイトマップ
ページ上部へ アンカーのアイコン画像