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ゼミナール編 〜統計データ利活用のために

1時限目 データ利活用の進め方
〜 実例で見るPPDACサイクル 〜

P(problem、問題)問題の把握と明確化

それでは、PPDACの各フェーズについて順に見ていきます。

実例として、滋賀県の「平成30年度EBPMモデル研究事業(*)」を紹介しつつ解説していきます。この事業は、滋賀大学データサイエンス学部と連携して行われました。滋賀県の庁内公募により決定したテーマは、女性活躍推進課の「滋賀県における女性の年代別労働力率(M字カーブ)の落ち込みの要因分析等」で、PPDACサイクルを活用した事例の一つとして、実際の過程が理解できるでしょう。

*総務省の「平成30 年度統計技術の研究及び統計情報の収集等のための業務委託(統計データ利活用推進業務)」を受けて行われた。本業務は、社会の情報基盤である統計データをさらに有効に活用するため、統計データの利活用推進を目的にしている。

現実と理想のギャップを埋める

まず、P(問題の把握と明確化)の内容を見ていきましょう。

問題の把握は、理想と現実の状態とのギャップをとらえることから始まります。逆にいえば、理想と現実、いずれをも明確に把握することで、より問題の明確化が図られます。

また、定量的に計ることのできる評価指標を設定することが重要です。滋賀県の事例では「M字カーブの谷の深さ」を評価指標としてあげています。この評価指標の値を理想の方向に変える条件や要因を考えることこそが、データを利活用した問題解決ともいえます。

「理想」と「現実」のどちらも明確にしないと「問題」も明確にならない

滋賀県の実践例

理想の状態(目指すところ)は?

あらゆる場面で「男女共同参画」を実感できる滋賀(パートナーしがプラン2020)
→女性が出産や子育てを経ても希望に応じて働き続けることができる環境づくり
→女性の潜在的な力が発揮される社会

現実は?

滋賀県のM字カーブの谷の深さは9.9ポイント、全国第39位(2015国勢調査による)
→出産・子育て期の女性の就労率の低下が大きい

*M字カーブ...日本の女性の労働力率を年齢階級別にグラフ化したとき、アルファベットのMのような形になることから、こう呼ばれている。M字カーブの谷の深さとは、M字の 左頂点と谷底の差を指し、いったん就労した女性が、20代後半から30代の出産・子育て期に離職するために発生するとされる。

県内男女比較
全国比較

問題

  • 定量的指標
    → M字カーブの底上げ
  • 定性的指標
    → 就労を希望する子育て期の女性が働き続けることを可能とするために必要なことは何か? 要因分析を行いたい。

ここがポイント!

  1. 問題は、理想(目指すべきところ)と現実のギャップの間に存在する。
  2. そのためには、理想と現実の双方を明確にすることが大事。
  3. (理想)−(現実)=(問題) ⇒問題がより明確に把握できる。
  • サイクル成功を握るのは?
    次は、もう一つのP(計画)です。

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