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未来がわかる方程式

GALTON BAR

ようこそ。平さま。

女性のお客様をお連れだから奥にしますか?

そうだね。奥の席にするよ。

ここが統計学者たちの溜り場といわれる伝説のゴルトンバーね。

杏さんぼくの隣だよ。

今夜はゴルトンにちなんだ話でもするか。

では、ワインでも頼みます?

ワインですね。

回帰分析によるボルドーワインなら、ご用意できますよ。/p>

今夜は、ゴルトンにちなんで回帰の話になりそうだね。

回帰分析のワイン?!

回帰分析で予測した当たり年のワインよ!

楽しみだわ。

杏さんさすがだね。

ワ!

ワインがきたぞ!

プリンストン大学の経済学者、オーリーは毎年、回帰分析を用いて、ボルドーワインの価格を予測します。これは、当たり年と予測された年のワインで、お手軽価格で飲み頃なので、予測の結果をお楽しみください。

うまい!

いー匂い!

最高ね!

おいしい!

うっとりね!

でも、どうしてワインの価格を回帰分析で予測できるの?

ワインの価格を回帰分析で予測

ワインの価格は、生産年で大きく変わる。そして、その価格の評価には生産年から数年が必要とされる。オーリーは、生産年の時点でも気象情報だけで価格を予測できると考えた。ボルドーワインは暑くて乾燥した年ほど伝説のワインができる可能性が高いからだ。彼はボルドーの数十年にわたる気象データを基に価格とその関係を式にした。1989 年から、生産年に競売価格の予測を発表しているが、彼の予測精度は高い。伝統的な評論家たちは批判的だが、ワインを買う人の役に立っている。

毎年驚くほど的中しているよ。

杏さん、変動する値の関係をデータを基に相関を求めるのが回帰分析ですよね。

そうよ。売上予測とか生産予測とか国の政策効果なども回帰分析ね。

「回帰分析」はゴルトンの「平均回帰」とは異なる概念だ。

平さん、回帰分析の起源はゴルトンだって言われるのは、どうしてですか?

フランシス・ゴルトンの平均回帰

フランシス・ゴルトンの肖像画

フランシス・ゴルトン(1822-1911)

イギリスの探検家で人類学者でもあるゴルトンは、ナイチンゲールから大学への統計学講座寄付の相談を受け、自らの遺産で実現した統計学者。彼は遺伝研究に統計学的方法を導入、「平均回帰」と呼ばれる現象を発見し、相関を表す数値を「相関係数」と名付けた。ゴルトンの行った分析では回帰性を示していたことが語源になり、変数間の関係を分析することを「回帰分析」と呼ぶようになった。

ゴルトンは、父親の身長と息子の身長の相関関係を調べて、背の高い父親の息子の平均は父親より低く、背の低い父親の息子の平均は父親より高くなるという平均回帰の現象を発見する中で、相関という概念を生み出したんだ。

親子の身長の平均回帰のXY座標

この場合の平均回帰とは、X の結果のY が次のX になるという相関があれば、回を重ねるごとに、より全体の平均に近づいていく現象のこと。

そうか!相関という概念の始まりなんだ。

ゴルトンの平均回帰は未来に期待が持てるわ。ダメな私でも子どもは、私より善くなる可能性があるということね。

どこがダメなの?

ゴルトンは数学は得意でなかったが、彼の仕事は意義深いんだ。

ゴルトンがスゴいのは、その後数十年間の研究の多くは、彼の仕事から着想を得て、急速に発展したことだ。彼は指紋にも着目し、犯罪者の特定を行う捜査方法の確立にも貢献しているんだ。

ゴルトンは、指紋のパターンは大きく3つに分類され、さらに細かく分類すると最後にはカウント1になり、指紋で個人が特定できることを発見した。

平さん、ゴルトンの平均回帰は、遺伝的つながりの測定が前提の現象ですよね。でも、今の平均回帰は、正規分布に従う現象のランダムな測定で、特別に高得点の場合は、まぐれだから、次回は平均に近い結果になるという現象ですよね。

大くん、その話ならこっちにおいで!

席、かわろ!

2本目

ゴルトンの統計学での仕事は面白いけど、そこから何がひらめくか、それは後世の人の問題なのね。

そうね。今は、誰でも何でも、回帰分析で予測できる時代、でも結果をどう利用するかよね。

3本目

ゴルトンは教授職も設立したのね。

初代教授は教え子のピアソンで次がピアソンの息子とフィッシャーと続くのよ。

金利を下げれば、投資が活性化してGDPは増加しますよね。

それは理論だけど、金利を1%下げたらGDP は何%変化するかを知りたいだろ?

みんなの話はまだまだ続きそうです。

統計の話がしたくなったらあなたも是非いらしてください。ゴルトンバーは回帰分析を用いて最善のサービスを提供します。

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