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平成13年社会生活基本調査 結果の要約 生活時間に関する結果
調査の概要
平成13年社会生活基本調査は,国民の生活時間の配分及び自由時間等における主な活動について調査し,国民生活の実態を明らかにすることにより,各種行政施策の基礎資料を得ることを目的として,総務省統計局が平成13年10月に実施した。
社会生活基本調査は,昭和51年の第1回調査以来5年ごとに実施しており,今回の調査は6回目に当たる。
調査の対象は,全国の世帯から無作為に選定した約7万7,000世帯にふだん住んでいる10歳以上の世帯員約20万人である。
今回公表する調査結果は,このうち生活時間の配分に関する結果である。
なお,自由時間等における主な活動に関する結果は,7月31日に公表したところである。
結果の概略
○ 1日の生活時間 | 15歳以上の人の1日の生活時間(週全体平均)をみると,男女とも,平成8年に比べて仕事などの2次活動時間が20分前後減少し,自由時間における活動である3次活動時間が15分以上増加。
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○ 仕事時間 | 仕事時間は,男性の有業者が6時間48分,女性の有業者が4時間51分。平成8年に比べて男性は12分,女性は20分の減少。
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○ 家事関連時間 | 家事関連時間は,男性が33分,女性が3時間45分。平成8年に比べて男性は6分の増加,女性は1分の減少。
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○ 夫と妻 | 週間就業時間が35時間以上の妻は,35時間未満の妻よりも3次活動時間が1時間15分短い。夫の3次活動時間は,妻の就業時間にかかわらずあまり差がない。
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○ 高齢者 | 65歳以上の単身高齢者が一人で過ごす時間は,1日のうち20時間36分。
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○ 介護している人 | 介護・看護を行った人の介護・看護時間は2時間35分。平成8年に比べて25分減少。
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○ 在学者 | 小学生(10歳以上)から大学・大学院生までの在学者の学業時間は,大学・大学院生が2時間59分と最も短い。 |
用 語
- 1次活動 睡眠,食事など生理的に必要な活動
- 2次活動 仕事,家事など社会生活を営む上で義務的な性格の強い活動
- 3次活動 上記以外で各人が自由に使える時間における活動
結果の要約
1.1日の生活時間
概観 - 2次活動時間が減少し,3次活動時間が増加。 特に60歳代前半の男性の増減が顕著
15歳以上の人の1日の生活時間(週全体平均)をみると,男性は,1次活動時間が10時間28分,2次活動時間が6時間55分,3次活動時間が6時間37分で,女性は,それぞれ10時間40分,7時間4分,6時間15分となっている。
平成8年と比べると,男女とも,仕事などの2次活動時間が減少し,自由時間における活動である3次活動時間が増加している(表1)。
男女,年齢階級別にみて増減が最も顕著なのは60歳代前半の男性で,2次活動時間が30分減少する一方,3次活動時間が32分増加している。
睡眠時間 - 平日と日曜日は減少,土曜日は増加
1次活動時間のうち睡眠時間は,男性が7時間49分,女性が7時間35分となっている。平成8年と比べると,男女とも,平日と日曜日は減少しているが,土曜日は増加している(表2)。
仕事時間(1) - 土曜日で大幅に減少
2次活動時間のうち仕事時間は,男性の有業者が6時間48分,女性の有業者が4時間51分となっている。平成8年と比べると,男女とも減少しており,曜日別では特に土曜日が大幅に減少している(表3)。
仕事時間(2) - 男性は30歳代後半,女性は20歳代前半が最も長い
有業者の仕事時間を年齢階級別にみると,男性は30歳代後半が7時間34分と最も長く,女性は20歳代前半が5時間37分と最も長くなっている(図1)。
家事関連時間 - 依然として大きい男女差
2次活動時間のうち家事関連時間(家事,介護・看護,育児及び買い物の時間)は,男性が33分,女性が3時間45分となっている。
平成8年と比べると,男性が6分増加し,女性が1分減少したものの,依然として大きな差がある(表4)。
曜日別に家事関連時間を平成8年と比べると,男性は土曜日の13分の増加,女性は日曜日の7分の減少が,それぞれ最も大きい(表4)。
自由時間活動 - 休養・くつろぎの時間や趣味・娯楽の時間が増加
3次活動時間のうち,最も時間の長いテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の視聴等の時間は,男性が2時間40分,女性が2時間28分,次に長い休養・くつろぎの時間は,それぞれ1時間18分,1時間20分となっている。
また,3番目の趣味・娯楽の時間は,男性が49分,女性が35分となっている(表5)。
平成8年と比べると,趣味・娯楽の時間は男女とも増加しており,男性は7分,女性は5分の増加となっている。また,休養・くつろぎの時間も男女とも増加しており,男性は5分,女性は4分の増加となっている(表5)。
2.夫と妻などの生活時間
夫と妻の生活時間 - 自由に使える時間が短い「週間就業時間35時間以上」の妻
夫も妻も雇用者である「夫婦と子供の世帯」について,妻の週間就業時間別に2次活動時間をみると,就業時間が週35時間未満の妻は8時間47分,週35時間以上の妻は10時間5分となっている。また,自由に使える3次活動時間は,それぞれ,5時間21分,4時間6分と,週間就業時間が35時間以上の妻の自由に使える時間が短くなっている。
一方,夫の2次活動時間は,妻の週間就業時間にかかわらず8時間44分前後でほぼ同じ,自由に使える3次活動時間は,妻の週間就業時間が35時間未満の場合は5時間21分,35時間以上の場合は5時間16分となっている(図2)。
高齢者(1) - 1日のうち20時間以上一人で過ごす単身高齢者
高齢者(65歳以上)が1日のうち一人で過ごす時間は,14時間54分(睡眠時間8時間30分を含む。)となっている。また,家族と一緒にいた時間のある高齢者は83.7%,その平均時間は8時間29分となっている。
このうち,単身高齢者が一人で過ごす時間は20時間36分(睡眠時間8時間27分を含む。)と極めて長くなっている。また,家族と一緒にいた時間のある単身高齢者は15.9%,その平均時間は4時間53分となっている(表6)。
高齢者(2) - 子供と離れて住むほど一人で過ごす時間が長くなる単身高齢者
子供のいる単身高齢者(65歳以上)が一人で過ごす時間は,子供が同一敷地内に住んでいる場合で19時間18分(睡眠時間8時間36分を含む。),近所に住んでいる場合で20時間2分(同8時間30分),同一市町村内の場合で20時間45分(同8時間32分),他の地域の場合で20時間54分(同8時間28分)と,子供が離れて住むほど一人で過ごす時間が長くなっている(表7)。
ふだん家族を介護している人 - 介護・看護の時間は平成8年に比べて25分減少
ふだん家族を介護している人は,15歳以上人口の4.4%と,平成8年に比べて0.8ポイント上昇している。男女別にみると,女性が5.4%と,男性の3.3%に比べて高くなっている。
このうち,調査日に介護・看護を行った人の介護・看護時間は,2時間35分となっており,平成8年に比べて25分減少している。男女別にみると,女性が2時間39分と,男性の2時間19分に比べて長くなっている(表8)。
在学者(1) - 小学生より学業時間の短い大学・大学院生
小学生(10歳以上)から大学・大学院生までの在学者の学業時間をみると,中学生が5時間26分,高校生が5時間21分と長くなっており,3時間5分の短大・高専の学生と2時間59分の大学・大学院生は,4時間41分の小学生(10歳以上)より短くなっている。
在学者(2) - 学校のない土曜日の学業時間が増加
学校のない土曜日における小・中学生及び高校生の生活時間を平成8年と比べると,小・中・高校生とも,テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の視聴等が10〜30分程度減少する一方,学業が15分前後増加している(表9)。
3.地域別の生活時間
睡眠時間 - 「東北」が長く「南関東」が短い
全国14地域の生活時間をみると,睡眠時間が最も長い地域は,「東北」(7時間59分)で,最も短い「南関東」(7時間38分)との差は21分となっている。
仕事時間 - 「東北」と「北陸」が長く「沖縄」が短い
雇用者の平日の仕事時間が最も長い地域は,「東北」と「北陸」(7時間38分)で,最も短い「沖縄」(7時間1分)との差は37分となっている。
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌 - 「北海道」が長く「南関東」が短い
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の視聴等の時間が最も長い地域は,「北海道」(2時間52分)で,最も短い「南関東」(2時間23分)との差は29分となっている。
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