統計の歴史 統計にはどんな歴史があるの?
統計の歴史のお話

いきなり質問ニャ!
統計ってだれが作ったものだと思う?
だれか一人の天才が発明したものではないんだよ。
多くの人々が長い長い年月をかけて、少しずつ形作ったものなんだニャ。
みんながいつも使っている統計がどのようにして生まれ、発展してきたのかをお話をするよ!
国の実態をとらえるための統計
統計がいつできたのか、はっきりとは分かってないけど、人々が集団を作り、それを率いる立場になると統計が自然と必要になるニャ。
例えば、あなたがドッグ船長の代わりにこの宇宙統計ステーション「NARUHODO」の船長になったら、どんなことをする必要があるかな?
船長がやる必要のあること

- ステーションの安全管理
- 乗組員全員の水、空気、食料の管理
- みんなの仕事が進んでいるかのチェック
- 燃料のチェック
いろいろあるニャ。そのためには、食べ物や飲み物はその量を正確に知る必要があるし、乗組員の仕事量も分かっている必要があるね。宇宙ステーションで生きるのに必要な燃料などの資源の量も正確に知る必要がある。
もし、宇宙ステーションの船長でなく、国のリーダーだったら何が必要かニャ?
国のリーダーがやる必要のあること

- 国民の安全管理
- 国民が必要とする水や、食料
- 国を動かすための予算
- 税金がいくら必要になるか
こちらもいろいろあるニャ。社会という船を安定させて、適切なかじ取りをするためには、様々な数を正確に知ることが必要なのだ。
英語で「統計」を意味する「statistics」という言葉は「status」、ラテン語の「国家」に由来しているのだ。
statistics(統計)
言葉の由来は、status(国家)
昔から国を治めるためには統計がどうしても必要だということが分かるんだニャ。
古代エジプトやローマ帝国(ていこく)で人口や土地を調べる調査が行われたという記録も残っているよ。
規則性をとらえるための統計
ところで、統計は国家を治めるという目的以外の流れでも発展してきたのだ。
17世紀ごろからイギリスでは、社会のさまざまな現象を観察し、その中にひそむ規則性やパターンを見つけ出す試みが盛んになったんだ。
この試みの成果として、例えば生命保険があるのだ。生命保険は保険料を納めた人が亡くなると、残された家族にお金を支はらう制度だニャ。
適切な保険料を決めるには、人がどのくらい生きるのかの情報が必要。でも、どれくらい生きるのかは人によってまちまちだニャ。多くの人にとってちょうど良い保険料はどう算出すればいいかな?
適切な生命保険料

多くの人の寿命(じゅみょう)のデータを集めて平均寿命を調べれば、一人ひとりが亡くなるのが早くてもおそくても、全体として大体の適切な保険料が分かる
それまでは人の寿命は神様かぐうぜんが支配していると考えられていたよ。でも、たくさんのデータを集めてそこに規則性を見つけ出すことが、統計を使うことでできるようになったんだ。彗星(すいせい)が一定の周期で回っていることを発見した、E・ハレ―という人も統計を発展させた一人だニャ。ハレー彗星という名前にもなっている。
確率をとらえるための統計
統計の歴史には、もう一つ大切な流れがある。統計はぐうぜんで勝負が決まるギャンブルからも発展したって知ってるかニャ?そもそも、ギャンブルってなにか分かるかニャ?ルーレットやスロットマシーンなどいろいろな種類があるよ。
16世紀から17世紀の人々は、サイコロ賭博(とばく)というギャンブルに勝つために、ぐうぜんの出来事を場合に分けて考える確率論を発展させたんだ。そして、その理論は現代の統計学の重要な基礎(きそ)となっているんだよ。
では今回の話をまとめるのだ!
統計の発展には3つの流れがあったね。なんだったかニャ?
統計の発展 3つの流れ
- 人口や資源の量などの国の実態をとらえるための統計
- 多くのデータから規則性をとらえるための統計
- 確率的なできごとをとらえるための統計
これが分かれば、パーフェクトだニャ!
統計は、こんな風に複数の目的のために発展してきたのだ!そして今、みんなは宇宙から地球を観察して、統計を使って未来を探求する立場にいるニャ!
いっしょに統計を学んで、より良い未来を探していこう!