1 はじめに

統計って何?

 「統計」とは「統(す)べて計る」と書くように、まず、対象とする集団や現象を大量に観察・測定することから始まります。観察・測定には、調査や実験、記録データの収集が含まれます。

テストの平均点
テレビ番組の視聴率
野球選手の打率

 集められたデータを知りたい目的に沿って整理し、平均や指数などを求めて指標としてとらえたり、グラフでまとめて表現(統計グラフ)したものが統計です。

統計の役割ってどんなこと?

 さて、このような「統計」は何の役に立つのでしょうか?
 ここでは、身長を例に考えてみましょう。

 あるクラスの平均身長と、他のクラスの平均身長を比べると、そのクラスの平均身長が他のクラスに比べてどのくらい高いのか、あるいは低いのか、といった比較ができます。

 また、ある学年の平均身長の時間的な変化を追いかけていくことで、その学年の平均身長が時間とともにどの程度伸びたのか、といった様子を観察することができます。

日本にはどんな統計があるの?

 日本では、社会や経済の実態をとらえるために様々な統計が定期的に作られ、公表されています。そのような統計は、テレビや新聞のニュースなどで毎日のように報道されたり、社会科などの教科書や参考資料などで数字が引用されたりしています。

 教科書などでしばしば引用される主な統計には次のようなものがあります。

日本全国と地域別の人口・世帯とその内訳を調べる
事業所・企業の経済活動の状態を調べる
農家などの就業状態、農業生産、販売などの状況を調べる

 また、次の統計は、小中学校の教科書などに引用されることはあまりありませんが、最新の経済情勢を示す統計として毎月公表され、テレビや新聞などでも報道されます。

日本中の家庭の家計の収入・支出の状況が分かる
工業の従業者数、出荷額などを調べる
日本中に何人の就業者や失業者がいるかが分かる
私たちの購入する商品やサービスの物価の変化が分かる
日本中の工場などでの生産高の動きが分かる

 以上は、日本の統計のほんの一部で、このほかにも様々な統計が公表されています。