埼玉県では、庁内からの経済波及効果分析や人口推計に関する市町村からの問い合わせに職員自ら対応していましたが、分析依頼件数が月2回ペースであり、経済分析担当で対応することが困難となりました。
また、地域の人口を分析するためには、自地域のデータ分析だけでは不十分と考え、他地域のデータと比較することにより、自地域の長所や短所が明らかになることもあるので、全国の市区町村を対象とした統計ツールの開発の必要性を感じていました。

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埼玉県では、統計データを瞬時に表示し、見やすい形でデータを提供できる「役に立つ統計ツール」を公表しています。「役に立つ統計ツール」を使用すれば、データの検索や加工に時間を費やすことなく、分析に集中することができるので、県職員だけでなく市町村職員や民間企業などからもニーズがあり、延べ4万7千件のダウンロード件数があります。
統計ツールは、人口系、経済系の2種類に分かれています。「全国の市区町村別昼夜間人口見える化ツール」や価格波及を分析する「価格変動分析ツール」など、様々な分野のツールを用意しています。
導入費 −(職員自ら開発)
運用費 −
庁内や市町村からのデータ分析の要望が多くなり、経済分析担当のみでは対応が困難。また、自地域の分析をするためには、自地域のデータだけでは不十分と考え、全国の市区町村を対象とした統計ツールの必要性を実感
全国の地域と比較分析ができる統計ツールの開発を計画
e-Statの活用やミクロデータの申請により全国のデータを収集
利用者の視点に立ち、操作性を重視し、ボタン1つで複数の分析結果が見られるツールを開発
予算要求や政策立案の資料として活用。自治体職員だけでなく、幅広い層の方に利用されている
分析の需要が高まり、マンパワーが不足。地域の分析には、自地域のデータだけでは不十分と考え、全国の市区町村を対象とした統計ツールの開発の必要性を実感
埼玉県では、庁内からの経済波及効果分析や人口推計に関する市町村からの問い合わせに職員自ら対応していましたが、分析依頼件数が月2回ペースであり、経済分析担当で対応することが困難となりました。
また、地域の人口を分析するためには、自地域のデータ分析だけでは不十分と考え、他地域のデータと比較することにより、自地域の長所や短所が明らかになることもあるので、全国の市区町村を対象とした統計ツールの開発の必要性を感じていました。
全国の地域と比較分析ができる統計ツールの開発を計画
埼玉県の市区町村に限定せず、全国の市区町村のデータを瞬時に表示させることにより、他地域と比較分析ができる統計ツールができないか模索し、「役に立つ統計ツール」を作成することにしました。
e-Statの活用やミクロデータの申請により全国のデータを収集
データは、埼玉県産業連関表以外は、全国のデータを収集する必要があり、総務省統計局の「e-Stat(政府統計の総合窓口)」のデータを収集しました。
「埼玉県の将来人口推計ツール(コーホート要因法)」の死亡数については、通常、生命表を使うところですが、生命表の公表時期が遅いため、県独自の手法として、2015年(平成27年)までの「出生票」、「死亡票」のミクロデータ(個票)の申請(厚生労働省)を行い、「出生票」は母の年齢別出生数、「死亡票」は死亡時の年齢別集計を行い、集計したデータを基に、出生率、生残率、純移動率を計算しました。
(活用した統計データ:国勢調査、全国産業連関表、全国延長産業連関表、埼玉県産業連関表、埼玉県県民経済計算、住民基本台帳人口移動報告、人口動態調査(出生票、死亡票))
操作性を重視し、ボタン1つで複数の分析結果を表示
6種類の人口系ツールと3種類の経済系ツールを作成しました。利用者の視点に立ち、調べたい地域等を選択するだけで、複数の分析結果が簡単に表示されます。
(活用したツール等:EXCEL表計算ソフト)
予算要求や政策立案の資料として活用
「埼玉県の市町村別将来人口推計ツール」や「全国の昼夜間人口見える化ツール」、「全国の移動人口見える化ツール」は、県及び市町村の計画立案に利用されています。「経済波及効果分析ツール」も県の予算要求に利用されています。
令和4年度は、原油価格高騰が与える影響など、「価格変動分析ツール」の需要が高まりました。
使いやすさ、分かりやすさ、見た目の美しさを心掛け製作
誰でも簡単に分析できるように、使いやすさ、分かりやすさ、見た目の美しさを心掛けて、製作しました。マクロを用いた場合、エクセルのバージョンが古いと、使用できないことがあるため、関数のみを使用するなど多くの方が利用できるツールを意識しました。
また、膨大なデータを扱っているため、処理速度を如何に速くするか、その工夫に苦慮しました。
幅広い層の方が利用できるよう、今後、様々なジャンルの統計ツールの作成に挑戦したい
シンクタンク、大学、高校、地方公共団体、一般県民、マーケティング会社等、幅広い層の方々が利用されています。「この様な統計ツールがあるのを知らなかった。次のツールの公表の時期は、いつか。」等の言葉をいただいています。
ジャンルに囚われず、多くの方々に使われる統計ツールを作成していきたいと考えています。