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移動理由アンケート

長崎県 県民生活環境部 統計課

長崎県 特別賞 人口問題 公的統計データ 行政データ

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概要

 移動理由アンケートは、性別、年齢といった基本的属性のみならず、転入・転出の理由、移動先の地域情報(都道府県・市町村名)、更には移動後の業種・職種などを把握し、今までにエビデンスが存在しなかった、「どこに、どうして、移動するのか」という事実を明らかにするアンケート調査です。 令和3年3月から県と県内の全21市町が一体となって実施しており、調査手法としては紙調査票による回答及びインターネット回答(二次元バーコードを読み込んでスマホで回答可能)を併用し、令和3年3月〜令和3年12月までの集計で、転入・転出合わせて約28,000人のデータが得られ分析を行いました。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 5,062千円(データ集計委託費など)

受賞

  • 「第7回 地方公共団体における統計データ利活用表彰 特別賞」(2022)

取組の流れ

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    「就業構造基本調査」のミクロデータの分析結果から課題が浮き彫りに

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    浮き彫りとなった課題を踏まえて転出入者全員を対象にアンケートを実施

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    転入者の約4割、転出者の約3割からアンケートを回収

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    統計課及び政策企画課において記述統計による分析、分析結果等については政策企画課を中心に県庁各部局・市町と共有し、活用を協議

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    移動理由や背景などが把握可能となり、分析の深みが増し、より効果的な人口減少対策の施策の立案に活用

ヒアリング・ここが知りたい!

どのような課題がありましたか?

「就業構造基本調査」のミクロデータの分析結果から課題が浮き彫りに

 本県では、全国でも早いスピードで人口減少が進んでおり、その要因の一つである県外流出について、転入・転出の理由などを把握することが課題でした。
 そこで、長崎県の近年の転入・転出の構造(属性別移動理由等)を把握し、これまで推測していた内容を客観的データにより確認し正確な現状把握を行うことを目的に「就業構造基本調査」のミクロデータ分析を令和元年度に県独自で行いました。
 その結果、就業構造基本調査のミクロデータ分析では、市町別に分析出来ない、調査時点(平成29年)でのデータであり、現時点での状況を把握できない、という課題が浮き彫りになり、その課題を解決するために当事業を実施しました。

エビデンス(データ)収集のために、どのような計画を立てましたか?

浮き彫りとなった課題を踏まえて転出入者全員を対象にアンケートを実施

 アンケート内容は、就業構造基本調査の項目をベースに人口減少対策の関係部署の意見も取り入れながら作成しました。
 県内全ての市町と連携することで、県・市町をまたいで転出入される方全員を対象に、住民票の異動届の際に市町の窓口でアンケートを実施することとしました。

移動理由アンケート

データの収集はどのように行いましたか?

転入者の約4割、転出者の約3割からアンケートを回収

 令和3年3月から12 月の移動理由アンケートの集計者数は、転入で14,907人、転出で13,411人であり、住民票の移動者数に対する回答率は、転入で39%、転出で30%という結果となりました。
 県内市町で回収したアンケート用紙は、県統計課が集約しました。また、二次元バーコードによるスマートフォンからの回答も可能としました。
(活用した統計データ:移動理由アンケート)

どのような分析を行いましたか?

統計課及び政策企画課において記述統計による分析、分析結果等については政策企画課を中心に県庁各部局・市町と共有し、活用を協議

 統計課及び政策企画課で、基本的な集計表やグラフを作成し、移動理由アンケートだけではなく、長崎県異動人口調査をはじめ、他の多くの統計データ等も交えながら男女別、年齢別、理由・背景別など多角的な分析を行いました。
 集計表や分析結果等は元データとともに県庁各部局・市町と共有し、政策企画課を中心に意見交換を行うなど、活用に向けて協議しています。
(活用したツール等:EXCEL等の表計ソフト)

役割分担

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

移動理由や背景などが把握可能となり、分析の深みが増し、より効果的な人口減少対策の施策の立案に活用

 例えば、県外へ就職する背景として「県内に希望する業種・職種がない」の回答の割合が高いという結果から、県内企業に関する情報発信が不足していることが要因のひとつであると考えられるため、情報発信を促進する施策に注力しています。
 また、退職・転職を機に他県から転入する若い世代(20代)が多いという結果から、移住者の就職支援やSNSを活用した情報発信を強化することで転入者の増加に繋げる取り組みを推進しています。

移動理由アンケートの活用方法

データ利活用(収集や分析)において工夫した点や難しかった点について教えてください。

大量のデータ処理のためのマンパワーや施策立案につなげるための独自調査等が必要

 難しかった点は、膨大なデータ量に加え二次元バーコードも併用したことでデータの前処理、作表・作図に多くのマンパワーが必要であったこと、本アンケートの実施にあたっては、転入・転出の手続きを行う市町との連携が必要不可欠でした。
 また、本アンケートだけでは、調査項目などに限界があるため、施策の検討にあたっては、当該調査に加えて、既存のデータとの組み合わせや、独自調査が必要となるケースも考えられます。

その政策によって、どのような効果が現れましたか?
また、今後どのような改善点や展望をお考えでしょうか?

集計結果の有効活用のためのアンケート項目の見直しの実施

 各部局からの要望や議会での議論を踏まえ、アンケート項目の見直し・改善を行い、令和5年1月からのアンケートに反映させました。また、項目見直しにより、転入・転出の背景等を深掘りして分析するとともに、引き続き、アンケートの調査結果を活用し、県庁各部局や市町と情報共有や意見交換を図り、人口減少対策として、より効果的な施策の立案や推進に繋がるよう進めていきます。

参考サイト

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