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福井県人口減少対策データ分析・調査事業

福井県 地域戦略部 未来戦略課

福井県 人口問題 公的統計データ 行政データ 新規に調査

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概要

 福井県では、「DATA FOR POLICY」の理念を重要視する知事が主導し、企画立案のためのデータ分析を専門家協力のもと実施し、EBPMを進めています。令和2年度は、人口減少対策を「自然減」「社会減」に分類し、関係するデータの分析・調査を実施し、分析結果から得られた新たな知見に基づく新しい人口減少対策施策を立案しました。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 4,400千円(分析・調査委託料)

取組の流れ

  • PPDAC-problemアイコン画像

    人口減少問題に対し、より効果的な施策を実行するため、エビデンスに基づく人口減少対策施策に転換することが必要

  • PPDAC-planアイコン画像

    人口減少を「自然減」と「社会減」に分け分析・調査を実施することを計画。人口減少対策の事業担当課と部局横断的なチームを結成

  • PPDAC-dataアイコン画像

    各事業担当課の独自アンケートの活用と新たに人口減少に対する意識調査を実施

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    幅広いデータを一元的に取扱い、データサイエンスに位置づけられる分析手法により分析を実施

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    分析結果から人口減少対策として複数の施策を立案

ヒアリング・ここが知りたい!

どのような課題がありましたか?

施策の評価や数値目標の算定が困難

 人口減少問題についてより効果的な施策を実行するため、担当者の個人的な経験などの主観的情報からエビデンス(客観的な情報)に基づく人口減少対策施策に転換することが必要であると考えていました。
 特に、ふくい創生・人口減少対策戦略に掲げる目標(2030年合計特殊出生率1.8)の達成のために必要な数値目標の算定や、これまでの実施してきた政策の有効性を測定することに苦慮していました。

エビデンス(データ)収集のために、どのような計画を立てましたか?

「自然減」と「社会減」に分け大学への業務委託を実施

 人口減少対策を「自然減」と「社会減」に分け、それぞれデータサイエンス等の専門家として、「自然減」に関しては横浜市立大学、「社会減」に関しては福井県立大学に業務委託し分析・調査を実施しました。また、庁内の人口減少対策の事業担当課と部局横断的なチームを結成しました。

データの収集はどのように行いましたか?

事業担当課の独自アンケートの活用と新たに人口減少に対する意識調査を実施

 自然減については、事業担当課が個別に実施していた人口減少対策に関する独自のアンケート調査結果を利用しました。また、社会減については、福井県出身者および福井県になじみがある18歳以上の方を対象として新たに人口減少に関する意識調査を実施(Webアンケート調査)しました。
(活用した統計データ:人口動態統計、国勢調査、福井県の子ども・子育て支援事業計画に関する調査、福井県の人口減少に関する意識調査)

どのような分析を行いましたか?

データサイエンスに位置づけられる様々な分析手法により分析を実施

出生率の予測モデル
出生率の予測モデル

 自然減については出生率の予測モデルを作成することで2030年までに合計特殊出生率1.8を達成するために必要な出生数を算定し、政策目標を明確化しました。また、希望する子ども数を従属変数、夫婦の婚姻年齢や施策の認知度等を説明変数とする重回帰分析を行い、子どもの希望数の増加に寄与する要素を検証し、政策の有効性等を確認しました。
 社会減については、ロジックツリーによる人口減少の要素分解と福井県の人口に関する現状把握を行いました。「福井県の人口減少に関する意識調査」の結果を用いて、現住所に至った経路別(「定住」「流出」「Uターン」「流入」「経由」)に、因子分析による項目集約やクラスター分析によるグループ分けを行い分析しました。結果、人口減少を抑制するインパクトのある取組は、「定住促進」よりも「流出抑制」と「Uターン促進」の2点であり、ともに職業選択の幅や柔軟性の不足、学びたい学部などの不足といった「受け皿問題」の解消が必要である事がわかりました。
(活用したツール等:EXCEL等の表計算ソフト等)

ロジックツリー
ロジックツリー

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

分析結果から複数の施策を立案

広報ポスター
左:ふく育応援団 右:ふく育パスポート

 自然減については、「本県の女性の婚姻年齢を1歳引き下げると希望出生数が0.14人増加する」という分析結果から、早婚夫婦に対する支援金制度を創設しました。また、「すでに実施している子育て支援施策の認知度が上がると希望子ども数が増加(+0.1〜0.7人)」という分析結果から、社会全体で子育てを応援する環境づくりを進めるため、すべての子育て世帯や妊婦を応援する店舗によるサービス提供事業を新たに立案しました。
 社会減については、「受け皿問題」解消のため、若者や女性が働きたくなる環境整備を支援する加算枠を創設し、高付加価値を生み出す企業や都市圏等の小さくても魅力のある企業等を誘致する高付加価値企業誘致推進補助金制度を新たに立案しました。

データ利活用(収集や分析)において工夫した点や難しかった点について教えてください。

部局横断チームにより幅広いデータを一元的に分析

 これまでは事業担当課で個別にデータ収集・分析を実施していたものを、部局横断的なチームで人口減少対策に関するデータを収集・分析したことで、幅広いデータを一元的に分析することができました。

その政策によって、どのような効果が現れましたか?
また、今後どのような改善点や展望をお考えでしょうか?

今後も分析・調査を継続し、政策評価や新規事業の立案につなげる

 令和3年度は社会減対策に関する分析・調査を継続し、政策評価や新規事業の立案につなげることを予定しています。また、自然減対策については、出生率等の推移を引き続き把握するとともに、数年間の結果を見たうえで、新規事業の効果を見極めていきます。
 今後も継続して人口減少対策施策の企画・立案時における統計データの活用を図っていきたいと考えています。

参考サイト

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