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産官学連携によるデータ分析とアナリティクス人材育成

福島県 会津若松市 企画政策部 情報統計課

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概要

 平成24年度よりオープンデータの取組を進めてきましたが、オープンデータの普及・活用のためには様々な主体と連携して公開データの活用事例を作り出す必要がありました。また、今後ニーズが高まるアナリティクス人材を地域で育成する必要もあったので、会津大学及びデータ分析に知見のある民間企業による講座と連携し、学生の手で公共データ等を分析し自治体への政策提言を行うプログラムを立ち上げました。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 −

取組の流れ

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    アナリティクス人材の育成と、オープンデータをはじめとした市保有データの活用促進

  • PPDAC-planアイコン画像

    産官学の特徴を生かした役割分担でデータ分析の座組みを形成

  • PPDAC-dataアイコン画像

    オープンデータをはじめとする市保有データと、学生が収集した各種統計データ

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    学生側でテーマとデータに応じて手法を検討し分析

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    アナリティクス人材の育成とデータ活用・分析事例創出

ヒアリング・ここが知りたい!

どのような課題がありましたか?

さらなるオープンデータの活用へ、課題は人材育成

 会津若松市では平成24年度からオープンデータの取組を進めてきました。市としては、さらにオープンデータを普及・活用することを目指していましたが、そのためには、民間企業や大学などとの連携をさらに強化する必要がありました。また、オープンデータを扱えるアナリティクス人材を地域で育成したいという課題も抱えていました。

エビデンス(データ)収集のために、どのような計画を立てましたか?

産官学がスクラムを組みデータ分析

会津大学のICTラボ

 もともと会津若松市と会津大学、アクセンチュア株式会社の三者間で、震災復興に向けた産業の振興と雇用の創出に取り組むべく協定を締結していました。そのような背景のもと、様々な面での産官学連携の取組のうちの一つとして、アクセンチュア株式会社の社員が講師となり、会津大学の講座において会津若松市が保有するデータの分析・活用を平成27年度より開始しました。

データの収集はどのように行いましたか?

テーマに応じて、学生が率先して収集

 主な目的は「会津若松市が保有するデータの分析事例・活用事例の創出」「市場価値の高いアナリティクス人材の育成」であり、分析対象となるテーマや、分析に必要なデータは会津若松市から提供しました。それ以外の公的統計データなどは、テーマごとに必要に応じて学生側で収集してもらいました。テーマの選定にあたっては、市が持っている課題やデータをもとに、学生が熱意をもって取り組めるものを自ら選んでもらっています。
(活用した統計データ:会津若松市保有データなど)

どのような分析を行いましたか?

記述的分析とポジショニング分析

 学生が取り組むテーマによりそれぞれで分析手法は異なります。例えば、過去に起きたことを調べる記述的分析やアンケートの回答などによって、競合との立ち位置を見定めるポジショニング分析などを行いました。
(活用したツール等:e-Stat*1、RESAS*2、Excelなどの表計算ソフト)

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

外部のコンテストで見事受賞

ご担当者

 短期での分析ということもあり、市の施策や計画への効果は限定的ですが、中には分析結果が市の計画の中間報告の資料として採用されたものもあります。
 また、ある学生チームの分析結果と施策提案は、東京大学主催の「チャレンジ!オープンガバナンス」というコンテストにエントリーし、見事に賞をいただくことができました。このように、会津若松市と会津大学との一層の連携強化にも一役買っています。

データ利活用(収集や分析)において工夫した点や難しかった点について教えてください。

学生と市職員が意見交換し、ニーズに合った仮説を設定

 データ分析作業は会津大学及びアクセンチュア株式会社の指導の下、会津大学生が行っていますが、何の予備知識もなくデータを分析するだけでは的外れな仮説設定や分析を行ってしまう可能性があります。そのため、分析にあたっては学生と市職員とで意見交換・ヒアリングを行う場を設け、より現場のニーズや課題感に沿った分析が行われるように努めています。

その政策によって、どのような効果が現れましたか?
また、今後どのような改善点や展望をお考えでしょうか?

大学生から斬新なアイデア得る

 学生ならではの発想から新しい気付きを得られることも多く、庁内からもデータ分析に対する新たなニーズが出てきました。学生にとっても、現実のデータをリアルに見てもらうことで、実践的なデータ分析の経験を積めていると思います。
 今後も関係者と連携した取組を引き続き進めていくとともに、より高度な分析の実施や政策提言の有効性を向上させていくため、分析するテーマの深掘りや庁内情報のデータ化・データ収集を行っていきたいと思います。

脚注

 *1 e-Stat:
 政府統計の総合窓口(e-Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できたりするなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイト。

 *2 RESAS:
 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステム。

参考サイト

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