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平成30年度EBPMモデル研究事業「滋賀県における女性の年代別労働力率(M字カーブ)の落ち込みの要因分析等」

滋賀県 総合企画部 統計課 分析係

滋賀県 子育て・教育 産業振興 公的統計データ

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概要

 滋賀大学データサイエンス学部と連携し、庁内の課題等について、同学部、統計課および課題を提出した原課とで研究会、ワーキンググループを開いています。データに基づく課題解決の手法であるPPDACサイクル*1に従って、EBPM*2の進め方やデータ分析の手法等を学びながら、課題解決・政策立案を目指します。平成30年度のテーマは「滋賀県における女性の年代別労働力率(M字カーブ)の落ち込みの要因分析等」です。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 2,000千円(滋賀大学への委託費)

取組の流れ

  • PPDAC-problemアイコン画像

    子育て期の女性が働き続けるために必要なことは何か

  • PPDAC-planアイコン画像

    ブレイン・ストーミング*3等によるM字カーブに影響している要因の洗い出し。要因を階層ごとにロジックツリー*4にまとめて分析

  • PPDAC-dataアイコン画像

    ロジックツリーに挙げられた項目について必要と思われるデータの収集・整理

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    相関分析、重回帰分析等を行って、各都道府県の女性(30歳代有配偶)の労働力率に影響する要因およびその影響度を比較

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    女性労働力率の最も大きいマイナス要因は女性正規雇用者割合の低さであることが判明し、対策を取った

ヒアリング・ここが知りたい!

どのような課題がありましたか?

子育て期の女性が働き続けるためには?

 滋賀県の女性の年代別労働力率(M字カーブ)の落ち込みは大きく、その深さは全国第39位(平成27年国勢調査)となっています。
 そこで滋賀県では、女性が出産や子育てを経ても希望に応じて働き続けることができる環境をつくるため、就労を希望する子育て期の女性が働き続けられるための要因分析を行いました。

エビデンス(データ)収集のために、どのような計画を立てましたか?

滋賀大学と研究会等を重ね、PPDACサイクルを活用

ブレイン・ストーミングの様子

 統計課、テーマを提出した原課(女性活躍推進課)および滋賀大学データサイエンス学部とで研究会・ワーキンググループを開催し、PPDACサイクルに従って、EBPMを進めました。
 ブレイン・ストーミング等で、M字カーブに影響している要因を洗い出し、また、施策への影響・効果の大小等を考慮し、要因を階層ごとにロジックツリーにまとめて分析の方針(仮説)を設定しました。

データの収集はどのように行いましたか?

インターネットを活用して、必要なデータを収集

出来上がったロジックツリー

 統計課および原課とで、ロジックツリーに挙げられた項目について必要と思われるデータを主にインターネット(e-Stat*5等)を使って収集・整理しました。
(活用した統計データ:国勢調査(総務省)、社会生活基本調査(総務省)、賃金構造基本統計調査(厚生労働省)、就業構造基本調査(総務省)、福祉行政報告例(厚生労働省)、保育所等関連状況取りまとめ(厚生労働省)、地域における女性の活躍に関する意識調査(内閣府))

どのような分析を行いましたか?

相関分析や主成分分析、重回帰分析も

 女性(30歳代有配偶)の労働力率と各要因との相関を調べる相関分析、さらに、各要因間の関係を調べる主成分分析、女性の労働力率に影響があると考えられる要因に対する重回帰分析(モデル構築)を行いました。
(活用したツール等:e-Stat、Excelなどの表計算ソフト)

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

要因の解消に向けた新規事業の立案

 これまで経験的に推測された要因をデータ面で裏付けることができ、原課が取り組んできた施策の方向性を確認することができました。
 また、分析結果により、滋賀県において労働力低下の最も大きなマイナス要因は「女性正規雇用者割合」が低いことだと分かりました。そこで、この数値の向上を図るため、女性が正規雇用者として働き続けることができる環境づくりを支援するための啓発・広報等の新規事業が立案されました。

データ利活用(収集や分析)において工夫した点や難しかった点について教えてください。

分析結果の見せ方を工夫

 事前に想定していたような結果がなかなか出ず、分析方法を色々と考えて試しました。また、報告書にまとめる際に、分析手法や結果の解釈等について関係者等に理解して頂けるよう、いかに分かりやすく見せるかという点において工夫しました。

その政策によって、どのような効果が現れましたか?
また、今後どのような改善点や展望をお考えでしょうか?

EBPMの進め方や分析方法等のノウハウの蓄積へ

 本事業の政策による効果については、今後、効果が表れるものと思います。それらの効果測定や、データの更新等による新たな分析等も必要になってくると考えています。
 モデル研究事業としては、今後も色々なテーマ、やり方を試して、EBPMの進め方や分析方法等のノウハウを蓄積するとともに、庁内への周知を進めていきたいと考えています。

脚注

 *1 PPDACサイクル:
 データを利用した問題解決の手法の一つ。Problem(問題)、Plan(計画)、Data(データ)、Analysis(分析)、Conclusion(結論)の頭文字。

 *2 EBPM:
 エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの頭文字を取った言葉。証拠に基づく政策立案という意。

 *3 ブレイン・ストーミング:
 複数人で自由な発想で話し合い、新しいアイディアを見つけることを目的とした会議手法の一つ。

 *4 ロジックツリー:
 問題解決に使うツールの一つ。要素を大項目→中項目→小項目と、階層ごとに分解していき整理する。

 *5 e-Stat:
 政府統計の総合窓口(e-Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できたりするなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイト。

参考サイト

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