ここから本文です。

京都市における統計データの高度利用・視覚化・利活用推進の取組

京都府 京都市 総合企画局 情報化推進室 統計解析担当

京都府京都市 統計局長賞 情報政策 広報PR 公的統計データ 行政データ

「京都府京都市総合企画局情報化推進室統計解析担当のみなさん」サムネイル画像

概要

 EBPM*1の推進や経済の活性化、地域課題の解決等に寄与する目的で、統計データの高度利用、視覚化、利活用推進を全国に先駆けて積極的に取り組んでいます。

導入費・運用費

導入費 −(すべて京都市職員で実施のため、経費なし)
運用費 −(すべて京都市職員で実施のため、経費なし)

受賞

  • 「第1回 地方公共団体における統計利活用表彰 統計局長賞」(2016)

取組の流れ

  • PPDAC-problemアイコン画像

    地域課題の解決や経済の活性化に役立つ統計情報

  • PPDAC-planアイコン画像

    現状の業務を分析し、問題を可視化、ホームページのリニューアルも

  • PPDAC-dataアイコン画像

    政府統計の総合窓口(e-Stat*2)、統計調査の個票データ

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    統計情報の高度化、可視化を進める

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    統計データを二次利用可能な形で提供できる「次世代統計アプリ」の開発

ヒアリング・ここが知りたい!

取組のきっかけを教えてください。

自治体における統計情報の利活用推進は急務

 取組を始めた平成25年度は「オープンデータ憲章」の採択、「世界最先端IT国家創造宣言」でのオープンデータ推進、政府統計の総合窓口(e-Stat)のAPI機能の運用開始等、統計そのものの在り方が、行政の効率化や地域課題の解決、経済の活性化に役立つものへと国際的に変貌していこうとしていました。こうした状況を受け、京都市では、よりわかりやすい統計公開に向けての抜本的見直しに着手するための事業の推進に取り組むことになりました。

どのような計画を立てましたか?

よりわかりやすい統計情報公開に向けて抜本的見直しに着手

 統計情報公開の見直しにあたっては、現状の業務分析や主要課題の抽出等から問題の可視化を行うことが必要と判断し、アクセスログの解析や利用者のアンケート調査を実施しました。統計情報の公開の在り方について、今後の方針を示した事業計画を策定し、ホームページのリニューアル、オープンデータの推進など統計業務全体を取りまとめました。

京都市統計ポータル
京都市統計ポータル

どのようにしてデータを収集しましたか?

e-Statの「統計API」を利用した「次世代統計アプリ」を開発

 利用しているデータはすべて政府統計データで、政府統計の総合窓口(e-Stat)から取得したデータ、または、所管省庁に利用申請して提供を受けた統計調査の個票データです。統計API活用の第一歩となる「次世代統計アプリ」はe-Statの「統計API」を利用しました。当アプリは全ての自治体の人口等の統計データを横断的に取得できるところが特徴です。

次世代統計アプリ
次世代統計アプリ

どのような分析を行いましたか?

現状の業務分析や主要課題の抽出等による問題の可視化

京都市地域統計要覧ウェブサービス
京都市地域統計要覧ウェブサービス

 利用者アンケート及び現状の統計解析業務を分析した結果をもとに、ホームページをリニューアルしました。その結果、アクセス数が増加し、順調に滑り出すことに成功しました。職員が開発した「次世代統計アプリ」は、国際会議にて日本におけるオープンデータの先進的な取組として紹介されました。また、便利でわかりやすいサービスの提供や二次利用を念頭に置いた「京都市地域統計要覧ウェブサービス」を公開しました。

工夫した点や難しかった点は?

利用者が必要な情報にたどり着きやすいように工夫

 利用者が必要な情報にたどり着きやすいように、ホームページの構成を工夫しました。併せて、統計データをグラフや表形式で可視化することにより、よりわかりやすく表現するための工夫を凝らしました。ホームページのリニューアルやアプリケーションの開発については、特定の事業として予算化することなく、通常業務である統計調査の結果公表等と並行し、職員が業務の間の時間を利用して行いました。そのために、事業実施への意思決定や業務全体の進行管理等については困難を極めました。

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

地域の人口問題等を解決するための基礎資料として活用

 統計情報の総合的な利活用や視覚化を目的とした事業ですので、特定の政策を推進するような性質のものではありませんが、都市計画の立案や経済活性化の推進、地域の振興事業におけるエビデンスの一つとして大いに活用されていると考えています。「京都市地域統計要覧ウェブサービス」は、庁内外における地域の人口問題を解決するための基礎資料として、多方面に利用されています。

今後の改善点や展望をお聞かせください。

ホームページをより利便性の高いものにしていくための再リニューアル

 今後は、ホームページをより利便性の高いものにしていくための再リニューアルを行い、より多くの方々に活用してもらえるように、さらに幅を広げていきたいと考えています。また、経済活性化、行政の効率化に役立つように、ホームページに公開している統計表を二次利用しやすい形式に更新していく作業を進めています。また、統計LODの活用も視野に入れています。

脚注

 *1 EBPM:
 エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの頭文字を取った言葉。証拠に基づく政策立案という意。
 *2 e-Stat:
 政府統計の総合窓口(e-Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できるなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイト。

参考サイト

サイトマップ
ページ上部へ アンカーのアイコン画像