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統計Today No.105

平成28年社会生活基本調査の実施に向けて
〜 ある日の我が家の会話から 〜

総務省統計局統計調査部 国勢統計課労働力人口統計室企画官 土生 勉


 私事ですが、私の妻が、ある日、友人と機織り体験をしてきました。
 これは、後日の我が家での会話です。


      妻: お父さん! 中島みゆきの「糸」っていう歌知ってる?
            あの歌の歌詞で縦の糸は「あなた」、横の糸は「わたし」ってあるでしょ。
            機織りしてみてわかったんだけど、
            縦の糸は、ただ縦に張ってるだけなのよ!!
            それに比べて、横の糸は右に行ったり左に行ったりとても忙しいの!!


      私: しっかりと張り続けるということは、それはそれで大変なんだよ!!


      妻: あらっそう?それからもう一つわかったの。
            横の糸は、いろんな色に染まるの!


      私: ???


 漫才のような話ですが実話です。
 我が家の縦の糸は、それなりに頑張っているつもりなのですが・・・。
 中島みゆきさんがどのような「糸」、ではなく「意図」でこの歌詞を書いたかはわかりませんが、本年10月に実施する社会生活基本調査は、このような縦の糸と横の糸の実態も含めた国民生活の質的側面を、1日の生活時間と過去1年間の余暇活動の観点から明らかにします。
 ここでは、調査の実施に先立って、今回実施する調査のねらいや特徴、概要などについて御紹介します。


社会生活基本調査の沿革と役割

≪調査の沿革≫

 社会生活基本調査は、昭和51年の第1回調査以来、5年ごとに実施しており、平成28年調査は9回目に当たります。
 この調査が初めて実施された当時は、第1次石油危機を経て日本経済が高度成長期から安定成長期へと移行を始めた時期であり、国民の意識も金銭的・物質的な面ばかりでなく、生活の質的向上や精神的充実へと向けられるようになりました。このような中、社会生活基本調査は、生産・所得・雇用などの分野と比較して、統計が十分ではなかった国民生活の質的側面の実態を明らかにすることを目的として開始されました。


≪調査の役割≫

 社会生活基本調査は、1日の生活時間と過去1年間の余暇活動の観点から、その時々の社会的背景に伴う国民の社会生活の変化を捉えてきました。
 1日の生活時間を調べることにより得られるデータは、睡眠、仕事、学業、余暇活動など、日常生活の行動全般を包括的に表すことから、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」、「少子化社会対策大綱」、「男女共同参画基本計画」などワーク・ライフ・バランス関係政策等の策定に当たっての基礎資料や数値目標として、また、高齢者政策、家族政策等のための基礎資料として活用されます。さらに、家事、育児、介護など家庭内労働の実態が明らかになることから、国民経済計算のサテライト勘定として、無償労働の推計などにも活用されています。
 また、過去1年間の余暇活動では、スポーツ、趣味・娯楽、学習・自己啓発、ボランティア活動、旅行・行楽といった活動について、過去1年間に行ったかどうか、どのような内容の活動をどれだけの頻度で行ったかなどについて調査しています。これは、生活行動の中でも、睡眠、食事などの生理的な活動、仕事や家事といった生産的な活動は毎日行われるため、1日の生活時間として捉えることができますが、スポーツ、趣味・娯楽などの余暇活動は、特定の季節などで断続的に行われることが多いため、これらの活動については1年を単位として捉え、1日の生活時間の情報と併せることで、国民生活の姿を明らかにしています。
 近年、我が国では、少子高齢化の進展や女性の社会進出など、国民の生活をめぐる環境や社会経済情勢が著しく変化しており、それらを背景としたワーク・ライフ・バランスの促進など、国民の健康で豊かな生活に関する政策ニーズは増大しています。
 社会生活基本調査は、このような状況の分析を可能とする唯一の基幹統計調査であることから、この調査への期待は、ますます高まっています。


平成28年社会生活基本調査について

≪調査の特徴≫

 本年実施する調査では、近年、人々の生活に急速に浸透し、ライフスタイルに大きな変化をもたらしているスマートフォンやタブレット端末などの情報通信機器の使用状況、それらの普及が国民の生活行動、生活時間に与えている影響について新たに把握することとしています。
 例えば、買い物については、スマートフォンなどを使用することにより、時間や場所にとらわれず、いつでも、どこでもできるようになり、この変化に伴って新たに生じた余暇時間の使い方など、生活の姿は大きく変化していると考えられます。また、SNSなど、新しいコミュニケーションツールの利用も広がっており、親子、友人などの人々のつながり方にも新たな形がみられます。さらには、このような利便性の向上ばかりではなく、スマートフォンの過剰使用により睡眠不足となる若者が増加するなど、スマートフォンやタブレット端末の普及には負の側面もみられ、最近はこれらが社会問題にもなっています。
 今回の調査では、このような、スマートフォンやタブレット端末などの普及が、我々の生活にどれだけ影響を及ぼしているのかなど、その実態を明らかにすることとしています。
 さらに、ワーク・ライフ・バランスに関連して、新たに子供の保育園等における在園時間を把握します。これにより、家事・育児・仕事時間と子供の在園時間との関係など、その実態を明らかにします。


≪調査の概要≫

 本年実施する調査の概要は以下のとおりです。


調査の目的

 国民の社会生活の実態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的とします。


調査の期日

 調査は、平成28年10月20日(木曜日)午前0時現在によって行います。
 ただし、「生活時間」については、10月15日(土曜日)から10月23日(日曜日)までの9日間のうち、地域ごとに指定された連続する2日間について調査します。


調査の対象

 調査をお願いするのは、全国から統計的手法により無作為に選定する約9万の世帯のふだん一緒に暮らしている10歳以上の世帯員の方々、約20万人です。


調査の方法

 調査は、調査員が調査票を世帯に配布し、記入していただいた調査票を調査員が取集する方法、又はインターネットにより御回答いただく方法により実施します。


調査の内容及び調査票の種類について

 国民の1日の生活時間の使い方や、過去1年間の余暇活動について、回答者の属性等(世帯員の性別、就業状態、家族構成など)とともに調査します。このうち、1日の生活時間の使い方に関する調査については、15分ごとの行動を(1)あらかじめ調査票に記載された行動の種類から選択する方式(プリコード方式)の「調査票A」、又は(2)日記のように自由に記入する方式(アフターコード方式:自由に記入された内容から、行われた行動の種類を事後的に分類するため、こう呼ばれています。)の「調査票B」の2種類の調査票のうち、いずれかにより行います。


結果の公表

 調査の結果は、平成29年7月以降順次、統計局ホームページ(http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.htm)への掲載や報告書の刊行などにより公表します。


社会生活基本調査でわかること

 調査の結果から、例えば次のようなことがわかります。
 我々の生活に欠かせないのは睡眠です。睡眠は、健康な社会生活を送るためにとても重要です。睡眠不足と生活習慣病との関係など、睡眠の長さや質が健康に及ぼす影響については、新聞等で報じられており、現代の社会問題にもなっています。
 この睡眠について、社会生活基本調査の結果から、現在の方式で生活時間の調査を開始した昭和61年から前回調査(平成23年実施)までの過去25年間の変化をみると、15歳以上の方々の睡眠時間(平日総平均)は、下の表のとおり少しずつ短くなっていることがわかります。


平日の睡眠時間の変化(総平均)15歳以上

昭和61年平成3年平成8年平成13年平成18年平成23年
7時間41分7時間34分7時間34分7時間32分7時間29分7時間29分

 また、下のグラフのように、15歳以上の方々の平日の睡眠の状況について、平日の30分ごとの時間帯別行動者率の推移をみると、夜の23時00分から朝の6時00分までの間の行動者率が低下し、他方で6時00分以降の行動者率が上昇しています。このことから、全体として就寝時間は遅くなっており、これに伴って朝方から昼にかけて睡眠を取る方が増えているなど、質の面でも変化していることがわかります。


平日の睡眠の時間帯別行動者率 15歳以上

昭和61年からの推移をみると、夜の23時00分から朝の6時00分までの間で睡眠をとる人の割合が減少し、6時00分以降で増加している

(画像をクリックすると拡大表示します。)


 さらに、これらの結果を年齢や就業状態、家族構成などの属性別にみたり、仕事時間や家事時間など他の生活行動と比較することで、属性による生活時間配分の違いや変化、その要因などを把握・分析することが可能となることから、調査の結果は国民の社会生活に係る様々な施策や研究に利用されます。

 このほかにも、以下のように、国民の社会生活の実態や変化について、1日の生活時間や過去1年間の余暇活動の観点から、多くのことが明らかになります。


○ 1日の生活時間の使い方から

  • 仕事や家庭生活に振り分ける時間の配分(ワーク・ライフ・バランス)
  • 世帯内での育児や介護の状況及びその違いが生活時間に与える影響
  • 家族と過ごす時間やその変化
  • 世代や就業状態などそれぞれの環境ごとの生活パターン
  • 学生時代、子育て期などライフステージ別にみた時間の使い方
  • スマートフォンなど情報通信機器の普及が、1日の生活時間の配分や生活行動に与える影響 など

○ 過去1年間の余暇活動から

  • ボランティア活動による、地域社会での助け合いや活性化等の状況
  • 生涯学習の振興、社会教育や職業訓練などの実態
  • 世代別などのスポーツや文化活動などの振興状況 など

これまでの調査の結果について

 これまでに行った調査の概要や調査結果については、社会生活基本調査のページ(http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm)でご覧になれます。


(平成28年2月5日)


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