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統計Today No.11

消費者物価指数(CPI)の基準改定に向けて

総務省統計局統計調査部物価統計室長 永島 勝利


CPI 〜 経済の動向を指し示す「経済の体温計」

 消費者物価指数(以下「CPI」といいます。)は、物価の変動を通じて、我が国の経済の動向を指し示す「経済の体温計」と言われる重要な経済指標です。その結果は、国民年金や厚生年金などの給付額を物価水準に応じて見直す際の法定基準となるほか、国民経済計算統計(GDP統計)などの重要経済統計を実質化するためのデフレータとしても利用されます。


図 消費者物価指数(全国)の前年比(%)の推移(昭和46年〜平成20年)


CPIの基準改定 〜 世帯・マーケットの最新状況を反映するために

 我が国のCPIは、物価変動を正確に把握するため、国際労働機関(ILO)の作成する国際基準に基づき、世帯が購入する商品・サービスの種類や購入割合(ウエイト)をあらかじめ設定し、該当の商品・サービスの価格をこのウエイトで加重平均することによって算出しています。この方法は、物価変動以外の要素をできるだけ排して、純粋な物価変動をとらえる上で優れていますが、経済は言わば生き物であり、常に新しい商品・サービスが登場する一方で古いものが消えていき、また、店舗や販売形態なども、例えばインターネットによるショッピングの普及など日進月歩で変化しています。このため、CPIの計算に使用している枠組みについても、その設定時から時間がたつにつれて、実際の消費・小売の実態とのズレが無視できなくなっていきます。こうしたズレを是正するため、5年に1度、CPIの枠組みを世の中の実態に合わせてチューン・アップしています。これがCPIの「基準改定」です。


 現在、総務省統計局では、次期基準改定(平成22年を予定)に向けた検討を進めていますが、ここでは、その検討状況について、簡単に御紹介します。



基準改定に向けた検討状況 〜

 CPIの基準改定は、大きく二つのステージで実施されます。最初のステージは、CPIの大本となる価格データの改定で、2番目のステージが価格データ等からCPIの指数を算出する計算式の改良やウエイトの改定などです。



(第1ステージ 〜価格データの改定〜)

 価格データは、基本的に、小売物価統計調査という毎月の統計調査において入手しますが、平成22年1月の調査から、新たな品目の価格を調べ始める必要がありますから、一足早く、見直しを行うわけです。このため、小売物価統計調査の調査品目の改正等については、既に、 見直し案(PDF:26KB)を作成し、公表しています。


 改定の内容としては、主に、この5年間の間で、新たに出現したり、世帯での購入が増えてきたりした商品を追加することになります。具体的には、「電子辞書」、「ETC車載器」や携帯電話などで用いる「メモリーカード」など20強の品目の追加を予定しています。また、通信販売が主流となってきた「サプリメント」(業界資料によると、7割以上が通信販売で購入されています。)について、調査員が店舗販売の価格を調べる形態から、総務省統計局が通信販売価格を調べる形態への変更、古めかしい名称を用いていた品目の名称を実際のマーケットで使われている名称への変更(例えば、「ぶどう酒」を「ワイン」に、「ヘアリンス」を「ヘアコンディショナー」に変更)なども予定しています。



(第2ステージ 〜計算式の改良やウエイトの改定〜)

 サービス料金の中には、航空運賃や携帯電話通信料などのように、多様な料金体系を採用し、価格も一様でないなどの理由から、単純に価格を把握することが困難なものがあります。このようなものについてCPIでは、様々な料金パターンを勘案した「モデル式」を設定して指数を計算しています。基準改定の第2弾の見直しに際しては、このモデル式を世の中の最新の情勢を踏まえたものに改良することが、最も重要な課題の一つと考えられることから、平成22年夏に予定している基準改定計画案の策定に向けて、現在、各種の情報収集やその分析等を進めているところです。


 また、各品目のウエイトについても、家計調査の結果を基に最新の値に改定します。価格データとウエイトは、言わばCPIの車の両輪をなすものですから、その改定が重要であることは今も昔も変わりません。



おわりに

 このように、総務省統計局では、「経済の体温計」であるCPI について、世帯・マーケットの最新状況を反映したものとなるよう、地道な努力を続けていますが、CPIの精度の根幹にあるのは、何より、その基となる価格データを始めとする各種統計調査の信頼性や正確性です。皆様におかれましても、これら統計調査への御理解、御支援を、今後とも、よろしくお願いいたします。


(平成21年9月1日)


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