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平成6年全国消費実態調査報告 二人以上の一般世帯の家計収支及び貯蓄・負債結果 速報(要約)

平成7年12月27日公表

I 全世帯の家計

1.消費支出の動向

1) 消費支出は1か月平均 344,066円で,平成元年に比べて伸びは鈍化

 全世帯の平成6年9月〜11月の1か月平均(以下「1か月平均」という。)消費支出は344,066円で,元年に比べて名目で12.7%,消費者物価の上昇分を除いた実質で2.5%(年率0.5%)の増加となっている。

 消費支出の実質増加率(対前回比較・5年間の実質増加率。以下同じ)の推移をみると,昭和59年〜平成元年は 9.8%と増加したが,バブル崩壊後の元年〜6年は 2.5%と前回調査に比べて伸びが鈍化した。

2) 教育,住居,交通・通信,「その他の消費支出」の割合が増加傾向

 全世帯の1か月平均消費支出に占める費目別支出金額の割合の推移をみると,交際費などの「その他の消費支出」は昭和54年以降増加傾向が続いており,平成6年は26.9%となっている。このほか,教育,交通・通信,住居,教養娯楽,保健医療が増加傾向にある。

3) 被服及び履物が実質減少,教養娯楽は実質増加

 全世帯の1か月平均消費支出の対前回実質増加率を費目別にみると,被服及び履物は,洋服,シャツ・セーター類が平成元年の実質増加から実質減少となったことなどから,全体として実質減少となった。

 教養娯楽は,教養娯楽用耐久財が平成元年の大幅な実質増加から一転して実質減少となったものの,最近の旅行ブームを反映して,パック旅行費などの教養娯楽サービスが実質増加となったことなどから,全体として元年に引き続き実質増加となった。

2.貯蓄・負債

1) 貯蓄の種類別をみると有価証券が減少,なかでも株式・株式投資信託が大幅に減少

全世帯の1世帯当たり平均貯蓄現在高は 1,363万円で,貯蓄年収比(貯蓄現在高の年間収入に対する比)は 172.9%となっており, 年間収入(788万円)を大幅に上回る貯蓄を保有している。 貯蓄の種類別割合の推移をみると,定期性預貯金は昭和44年から59年まで増加を続けたが,平成元年には6.8ポイント減少した。しかし,平成6年には再び 5.6ポイント増加している。

 一方,有価証券は平成元年に25.6%と調査開始以来最高水準となったが, 6年は15.8%と 9.8ポイント減少している。なかでも株式・株式投資信託の割合は,平成元年は15.8%と 8.5ポイント増加したが,6年は 8.2%と 7.6ポイント減少しており,バブル崩壊後の安定志向がうかがえる。

 また,1世帯当たり平均負債現在高は487万円で,負債年収比(負債現在高の年間収入に対する比)は61.7%となっており,年間収入の約6割の負債を保有していることになる。

II 勤労者世帯の家計

1.実収入の動向

実収入は1か月平均536,141円,可処分所得は443,821円

 勤労者世帯の1か月平均実収入は536,141円で,元年に比べて名目で20.0%,実質で9.1%(年率 1.8%)の増加となっている。

 実収入から税金などの非消費支出を差し引いた可処分所得は443,821円で,平成元年に比べて名目で18.0%,実質で7.3%(年率1.4%)の増加となっている。

2.平均消費性向と黒字率の推移

平均消費性向は低下が続き,黒字率は上昇傾向

 勤労者世帯について,平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の割合)の推移をみると,昭和34年から44年までは上昇したが,その後低下傾向が続き,平成6年は80.4%となっている。また,可処分所得から消費支出を差し引いたいわゆる黒字についてみると,平成6年は87,162円で,黒字率(可処分所得に占める黒字の割合)は19.6%となっている。

 黒字に占める保険純増や土地家屋借入金純減(住宅ローン返済額-住宅ローン借入金)などの契約性黒字の割合は,昭和34年の約5割から平成6年には9割弱に上昇しており,なかでも保険純増や土地家屋借入金純減の割合が高くなっている。

注)「契約性黒字」とは,生命保険の掛金,借入金返済などをいい,保険純増,土地家屋借入金純減,他の借入金純減,分割払純減,一括払純減の合計である。

III 世帯属性別の家計

1.世帯主の年齢階級別の状況向

消費支出は50歳代が最も多い

 全世帯の1か月平均消費支出を世帯主の年齢階級別にみると,30歳未満が 253,873円,30歳代が297,550円,40歳代が 375,206円と年齢が高くなるにつれて多くなり,50歳代の 405,435円をピークに,60歳代が 314,757円,70歳以上が 258,017円と少なくなっている。

  消費支出に占める各費目別の割合をみると,30歳未満と30歳代では,全世帯平均に比べて住居の割合が高くなっており,40歳代と50歳代では,教育関係費の支出割合が高くなっている。また,60 歳代及び70歳以上では,保健医療,教養娯楽の割合が高くなっており,70歳以上では,「その他の消費支出」のうち,交際費の割合も高くなっている。

2.年間収入五分位階級別の動向

実収入の所得階級間格差はほぼ横ばい

 勤労者世帯の所得階級間格差について第I階級に対する第V階級の実収入の比(V/I)をみると,昭和34年の3.87倍から39年は3.35倍,44年は3.12倍,49年は2.26倍と縮小傾向が続いていたが,54年は2.35倍,59年は2.54倍,平成元年は2.60倍と元年まではやや拡大したが,バブル崩壊後の6年は2.61倍とほぼ横ばいとなっている。

 また,可処分所得,消費支出も実収入と同様の傾向を示している。

 次に,貯蓄現在高の比(V/I)をみると,昭和44年から54年にかけて縮小したが,それ以降拡大し,59年は4.38倍,平成元年は4.48倍となった。しかし,バブル崩壊後の平成6年は3.58倍と所得階級間格差は再び縮小に転じた。

3.世帯類型別にみた家計

夫婦と子供が2人の世帯(長子が大学生)は,教育関係費が消費支出に占める割合が高い

 勤労者世帯について4段階のライフステージを仮定し, 家計収支の変化をみると以下のとおりである。

 第1ステージ───夫婦のみの世帯(夫30歳未満)は,共働き夫婦が半数以上を占めており,消費支出に占める費目別割合は,住居が18.1%と高くなっている。

 第2ステージ───夫婦と子供が2人の世帯(長子が未就学)は,消費支出に占める食料,被服及び履物などの割合が高くなっており,子供の食事代や洋服代などに支出が多くなっていると考えられる。

 第3ステージ───夫婦と子供が2人の世帯(長子が大学生)は,教育関係費が消費支出の約3割を占めており,可処分所得が510,829円であるのに対し, 消費支出は521,728円と10,899円の赤字となっている。

 第4ステージ───夫婦のみの世帯(夫60歳以上)は,消費支出に占める教養娯楽サービスや交際費の割合が高くなっていることなどから,旅行や交際など趣味的な支出に多く使われていると考えられる。

IV 特定世帯の家計

1.高齢者世帯(世帯主の年齢が60歳以上)の家計

勤労者世帯は約8万7千円の黒字,無職世帯は約3万7千円の赤字

 高齢者世帯の1か月平均実収入をみると,高齢勤労者世帯(世帯主の平均年齢63.9歳)は502,731円,高齢無職世帯(同68.9歳)は253,535円で,高齢勤労者世帯の実収入は,高齢無職世帯の実収入の約2倍となっている。

 1か月平均消費支出は,高齢勤労者世帯が 345,156円,高齢無職世帯は 263,383円となっており,高齢勤労者世帯は約8万7千円の黒字となっているが,逆に高齢無職世帯は約3万7千円の赤字となっており,赤字分は貯蓄などを取り崩して賄っていると考えられる。

2.住宅ローン返済世帯の家計

1) 若年層に重い住宅ローンの返済

 世帯主の年齢階級別に住宅ローンのある勤労者世帯についてみると,土地家屋借入金返済(以下,「住宅ローン返済」という。)額はおおむね6万円前後となっている。可処分所得に占める住宅ローン返済額の割合は30歳未満14.3%,30〜34歳16.7%,35〜39歳13.5%,40〜44歳12.4%,45〜49歳10.3%となっており,若年層ほど住宅ローン返済の負担が重くなっている。

 1か月平均勤め先収入の内訳をみると,世帯主の収入が低い30歳代では,世帯主の配偶者の収入が住宅ローン返済に大きく寄与していることがうかがえる。

2) 東京都,大阪府などでは住宅ローンのある世帯割合が少ない

 都道府県別に住宅ローンのある勤労者世帯をみると,東京都,大阪府などでは,住宅ローン返済額が高くなっている。また,このような地域では住宅ローンのある世帯の割合が低くなっている。これは,大都市周辺では,住宅の取得価格が高く,その借入金返済額が高額になることなどから,住宅の取得が難しいことを反映していると考えられる。その結果として,これらの大都市の非持家率は他の県に比べて高くなっていると考えられる。

V 購入行動の形態

1.購入先別支出

一般小売店からの購入割合は大幅減少,スーパーからの購入割合は一貫して増加

 サービス料金などを除く全世帯の消費支出について,購入先別の支出割合の推移をみると,一般小売店からの購入がこの30年間で31.4ポイント大幅に縮小したのに対し,スーパーからの購入はこの30年間で21.7ポイント拡大している。

2.世帯主の年齢階級別の店舗選好度

食料は,30歳代未満はコンビニエンスストアを,50歳代以上は一般小売店をおおむね選好

 全世帯について,「購入先指数」を用いて世帯主の年齢階級別に食料の店舗選好度をみると,30歳代未満の若年層はコンビニエンスストアが最も高く, 50歳代以上は一般小売店などを選好している。

 家具・家事用品の選好度をみると,30歳代はディスカウントストアが最も高く,50歳代以上は一般小売店を選好している。

 被服・履物の選好度をみると,30歳代以下は通信販売を,50歳代以上は一般小売店や百貨店を選好している。

VI 地域別の家計

1.消費支出,実収入,貯蓄現在高の都道府県間格差は縮小

 全世帯の1か月平均消費支出の都道府県間格差を,全国平均消費支出を 100とした指数の標準偏差(ばらつき)でみると,昭和54年以降拡大を続け,平成元年は10.9となった。しかし,バブル崩壊後の平成6年は 9.9と縮小している。

 勤労者世帯の1か月平均実収入と全世帯の1世帯当たり平均貯蓄現在高の都道府県間格差も同様の傾向を示している。

2.西日本では魚介類,肉類の割合ともに全国平均より高い県が多く,首都圏ではともに低い県が多い

 全世帯の1か月平均消費支出のうち,食料に占める魚介類,肉類の割合についてみると,西日本では魚介類,肉類とも全国平均より高い県が多く,首都圏では魚介類,肉類とも低い県が多くなっている。


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