ここから本文です。
4 財・サービス区分でみた家計
(1)耐久財への支出が大幅な実質増加
平成14年の全世帯の1か月平均の消費支出(使途不明金,贈与金,他の交際費 及び仕送り金を除く。)は156,869円で,前年に比べ名目0.9%の減少となったも のの,実質では0.2%の増加となった。
財(商品)への支出とサービスへの支出とに区分してみると,財への支出は 74,310円で,前年に比べ名目2.0%,実質3.9%の増加となった。
さらに,財の種類別にみると,耐久財については,教養娯楽用耐久財(テレビ, パソコン等)などが増加したことにより,名目6.4%,実質12.0%の増加となった。 半耐久財については,身の回り用品(アクセサリー類,かばん等)などが増加し たことにより,名目5.3%,実質7.4%の増加となった。非耐久財については,書 籍・他の印刷物(新聞,雑誌等)などが増加したことにより,名目0.3%,実質 1.6%の増加となった。
一方,サービスへの支出は82,559円で,名目,実質共に3.3%の減少となった。 サービスへの支出の内訳をみると,移動電話通信料などが大幅に増加したものの, 一方で固定電話通信料や外壁,塀等工事費(リフォーム等)などが大幅に減少し たため,全体として減少となった(表7)。
(2)男女とも財への支出割合が拡大
全世帯の消費支出を財・サービス区分別の構成比でみると,財(商品)への 支出は47.4%で,前年と比べて1.3ポイント拡大した。財の種類別にみると,半 耐久財は10.6%で前年と比べ0.6ポイント拡大し,耐久財は4.9%で,前年と比べ て0.3ポイント拡大した。非耐久財は31.9%で,前年と比べて0.4ポイント拡大し た。サービスへの支出は52.6%で,前年と比べて1.3ポイント縮小した。
男女別にみると,男性は,財への支出割合は42.1%で,耐久財や半耐久財への 支出割合の拡大により,前年と比べて1.4ポイント拡大した。サービスへの支出 割合は57.9%で,前年と比べて1.4ポイント縮小した。女性は,財への支出割合 は53.4 %で,男性と同様,耐久財や半耐久財への支出割合の拡大により,前年 と比べて1.4 ポイント拡大した。サービスへの支出割合は46.6%で,前年と比 べて1.4ポイント縮小した。
年齢階級別に財・サービス区分別構成比をみると,男女とも,年齢階級が高く なるにしたがって,非耐久財への支出割合は高く,半耐久財やサービスへの支出 割合は低くなっている(図7,表8)。
(3)家賃地代や外食などのサービスへの支出割合が高い単身世帯
財・サービス区分別の構成比を,二人以上の世帯と単身世帯で比較してみる と,二人以上の世帯では,非耐久財の41.8%が最も高く,次いでサービスの 41.5%,半耐久財の10.1%,耐久財の6.6%となっている。一方,単身世帯では, サービスが52.6%と消費支出の半分以上を占めて最も高く,次いで非耐久財の 31.9%,半耐久財の10.6%,耐久財の4.9%となっており,二人以上の世帯に 比べ,サービス支出の割合が高くなっている。
また,単身世帯のサービス支出(構成比)について,その内訳を費目別にみ ると,家賃地代などの住居サービス支出(14.8%)が最も高く,次いで外食な どの食料サービス支出(12.2%),交通・通信サービス支出(11.1%)などと なっている(図8,表9)。