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の項目は、政府統計の総合窓口「e-Stat」掲載の統計表です。
【A 消費者物価指数の概要について】
消費者物価指数は、全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものです。すなわち、ある時点の世帯の消費構造を基準に、これと同等のものを購入した場合に必要な費用がどのように変動したかを指数値で表しています。
このように、消費者物価指数は純粋な価格の変化を測定することを目的とするため、世帯の生活様式や嗜好の変化などに起因する購入商品の種類、品質又は数量の変化に伴う生活費の変動を測定するものではないことに留意する必要があります。
消費者物価指数は、第二次世界大戦直後の昭和21年(1946年)に初めて作られ、当時の激しいインフレーションを計測するために使われました。その後、昭和27年(1952年)に、小売物価統計調査で調査された小売価格から指数を作成するようになりました。
なお、各指数系列における時系列比較が可能な範囲については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「第6 新・旧指数の接続(PDF:503KB)」を御覧ください。
消費者物価指数は、基準となる年の物価を100として、その時々の物価を比較計算した数値となっています。この、物価の基準となる時点のことを「指数の基準時」と呼んでいます。
また、消費者物価指数は、ある時点の消費構造(品目ごとの支出割合)をウエイトとして、個々の品目の価格指数を加重平均して算出しています(B-1参照)。この、ウエイトに採用した年次のことを、「ウエイトの参照年次」と呼んでいます。
現在、日本の消費者物価指数のうち毎月公表している公式系列については、「指数の基準時」と「ウエイトの参照年次」を共に平成27年(2015年)の1年間としており、これを「基準年」と呼んでいます。
なお、基準年は、西暦年の末尾が0と5の年を基準時として、5年ごとに改定(基準改定)しています。その際、併せて指数に採用する品目などの見直しも行っています(D-1参照)。
物価は、経済活動が活発となり需給がひっ迫してくると上昇率が高まり、経済活動が停滞し需給が緩むと上昇率が低下する傾向があります。このため、消費者物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれており、経済政策を的確に推進する上で極めて重要な指標となっています。家計調査やGDP統計における家計消費支出など他の重要な経済指標を実質化するためのデフレーターとしても利用されています。また、国民年金や厚生年金などでは、物価変動に応じて実質的な給付水準を見直すことが法律によって定められており、この物価の動きを示す指標として消費者物価指数が使われています。さらに、日本銀行が金融政策における判断材料として使用しているほか、賃金、家賃や公共料金改定の際の参考に使われるなど、官民を問わず幅広く利用されています。
最近、物価動向の要因をみるための指標として、いわゆる「コア」指数、あるいは、いわゆる「コアコア」指数という指標が注目されることがあります。しかし、これらは、公表された指標又は利用者において加工計算した指標に対する通称であり、正式な名称ではありません。
物価の基調をみるための指標として、「総合」から天候に左右されて変動の大きい「生鮮食品」を除く総合指数を「コア」指数と呼ぶ場合があります。また、アメリカ等諸外国で重視されている指標と同様のものとして、「総合」から「食料(酒類を除く)及びエネルギー」を除く総合指数があり、それを「米国型コア」指数又は「コアコア」指数と呼ぶ場合があります。
なお、上記のほかに、消費者物価指数の個々の品目指数を基に「コア」指数や「コアコア」指数と呼ばれる指数が独自に算出されている場合がありますので、それらの指数を利用するに当たっては、定義等について御注意ください。
[参考]
| 系列 | 生鮮食品を除く総合 ※1 |
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合 ※1 |
|---|---|---|
| 作成 | 総務省 | 総務省 |
| 除外している品目 | 生鮮食品 | 食料(酒類を除く)※2 |
| 電気代 都市ガス代 プロパンガス 灯油 | ||
| ガソリン | ||
| 総合を10000とした 場合のカバレッジ | 9586 | 6713 |
※1 「生鮮食品を除く総合」指数は「コア」指数、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」指数は「コアコア」指数と呼ばれる場合があります。
※2 総合から除かれる食料は、米類、生鮮食品、鶏卵に加え、菓子類など酒類以外の他の食料すべてです。
【B 消費者物価指数の作成方法について】
消費者物価指数の作成に当たっては、まず世帯が購入する財・サービスのうち、世帯の消費支出上一定の割合を占める重要なものを品目として選びます。次に、この家計消費支出割合に基づいて指数の計算に用いる各品目のウエイトを求めます。なお、家計消費支出割合は家計調査の結果などを用います。
各品目の価格は、主に毎月の小売物価統計調査によって調査したものを用います。
指数の計算は、調査市町村別の平均価格を用いて(※)個々の品目の指数(基準年=100)を計算し、これらをウエイト(家計の消費支出に占める割合)により加重平均して、中分類、10大費目、総合などの指数を計算します。
現在の消費者物価指数の基準年は平成27年(2015年)ですが、基準年は5年ごとに改定(基準改定)しています(D-1参照)。
指数に採用する品目とそのウエイトはこの基準改定に合わせて見直しを行っています。2015年基準で指数に採用している品目は585品目(沖縄品目含む。)です。なお、基準改定後に新製品の急速な普及や消費パターンの急激な変化があった場合には、基準改定以外の年においても品目の見直しを行うこととしています(E-1参照)。
※航空運賃や電気代、通信料(携帯電話)などの74品目については、料金体系が多様であり、価格も購入条件によって異なります。これらの品目については、価格変動を的確に指数に反映させるため、小売物価統計調査による価格のほか品目ごとに典型的な利用事例をモデルケースとするなどにより設定した計算式(モデル式)を用いて月々の指数を算出しています。
モデル式による指数の作成方法については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「付2 モデル品目の計算方法」に掲載されています。
消費者物価指数については、国際労働機関(International Labour Organization: ILO)が国際基準を作成しています。平成15年(2003年)12月にジュネーヴで開催された第17回国際労働統計家会議では、消費者物価指数に関するこれまでの国際基準を見直し、新しい国際基準を決議として採択しました。また、これと並行して、消費者物価指数に関する国際的なマニュアルの改訂版「消費者物価指数マニュアル:理論と実践(Consumer Price Index Manual : Theory and Practice)」が作成され、ILOのホームページ
でも公開されています。
日本の消費者物価指数では、他の主要国と同様に基本的にこの国際基準に沿って作成しています。
消費者物価指数で採用している品目は、世帯の消費支出上一定の割合を占める重要なものから構成されており、585の品目があります。世帯が購入する無数の種類の財・サービスは、その機能や価格の動き等の類似性によりまとめられ、各品目に分類されることになります。
この品目の中には、品質、規格、容量などの銘柄(スペック)が異なる複数の商品が含まれています。消費者物価指数の作成に当たっては、各品目について、その品目を代表すると考えられる銘柄(スペック)を「基本銘柄」として指定し、毎月、原則としてこの「基本銘柄」に該当する商品の価格を調査します(価格調査に当たっては、「基本銘柄」に該当する商品の中から、各調査店舗で最も売れている製品等を選定し、その価格を継続して調査します。)。
品目は5年に1度の基準改定の際に、直近の家計調査結果に基づいて見直しが行われます。ちなみに、2015年の基準改定では、セルフ式コンビニコーヒー(コーヒー飲料B)、補聴器や競技用靴などを品目に追加しました(D-1参照)。
なお、基準改定後に新製品の急速な普及や消費パターンの急激な変化があった場合には、基準改定以外の年においても品目の見直しを行うこととしています(E-1参照)。
小売物価統計調査では、1年のある時期に出回りが全くない又は出回りが非常に少ないため、現実に調査できない月がある品目(衣料品の夏物、冬物など)については、出回りのある月を調査月として価格を調査しています。このような品目の調査されない月(非調査月)において、これを除外して上位類の指数を計算すると、その品目のウエイトは類内の他の品目に比例的に配分されることになるため、結果的に各月のウエイトの年平均が本来の年平均ウエイトと異なるという問題が生じます。このため、衣料品等の季節品目の非調査月の指数については、直近の調査期間の平均指数を次の調査開始の前月まで当てはめる(保合(もちあい)する)こととしています。
住宅や土地の購入は、財産の取得であり消費支出ではないことから、消費者物価指数に含まれていませんが、持家に住んでいる世帯(持家世帯)が、自分が所有する住宅からのサービスを現実に受けていることは確かです。そこで、何らかの方法で持家世帯の住宅費用を測れないかという問題がでてきます。
持家世帯が住んでいる住宅を借家だと仮定すれば、そのサービスに対し当然家賃を支払わなければなりません。そこから、持家の住宅から得られるサービスに相当する価値を見積もって、これを住宅費用とみなす考え方が成り立ちます。このような考え方に基づいて、持家を借家とみなした場合支払われるであろう家賃(これを「持家の帰属家賃」といいます。)を消費者物価指数に算入しています。
指数の計算に当たっては、総務省で実施している全国消費実態調査において推計された持家の帰属家賃額を基に、住宅の構造及び規模ごとにウエイトを求め、それに対応する持家の帰属家賃の価格変動は、小売物価統計調査で調査している民営借家の家賃の価格変動を用いています。
このように、消費者物価指数には、土地や住宅の購入費そのものは含めていませんが、帰属家賃方式により持家世帯の住宅費用を算入しています。 なお、この帰属家賃方式は、多くの主要国で消費者物価指数のほか国民経済計算(SNA)でも用いられています。
【C 結果の利用について】
消費者物価指数は、原則として毎月26日を含む週の金曜日の午前8時30分に公表しています。公表内容は、東京都区部の当月中旬速報値と全国の前月分です。また、12月分及び3月分公表時には、年平均指数及び年度平均指数をそれぞれ公表しています。
消費者物価指数のような月次統計には、例えば、衣料品の価格が季節の初めには高値で、季節の終わり近くになるとセールなどで値下がりするといった、季節的な要因で毎年同じような動きをするものがあり、これを季節変動と呼んでいます。
消費者物価指数では、このような季節変動を除去した季節調整値を、「総合」、「生鮮食品を除く総合」、「持家の帰属家賃を除く総合」、「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」、「財」、「生鮮食品を除く財」及び「半耐久消費財」の8系列について公表しています。
ただし、季節調整値は過去の指数から計算した平均的な季節変動を基に調整するため、授業料や診療代など特定の月の価格変動が他の月にも影響して、実際に価格変動がない月でも季節調整値が変動する場合があります。
一方、こうした季節性の除去は、1年前の同じ月と比較した、前年同月比をみることによっても可能です。前年同月比は価格変動がない限り1年間は変動することがありません。このため、消費者物価指数では物価のすう勢を表すものとして前年同月比をよく用いています。
なお、値動きの大きい生鮮食品や、電気・ガス料金などの改定月の価格変動については、前月比が消費者の実感に近いと考えられることなどから、季節調整を行わない前月比についても併せて公表しています。
[参考]
消費者物価指数における季節調整については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「第7 季節調整(PDF:426KB)」にも掲載されています。
【D 基準改定について】
消費者物価指数は、ある時点の世帯の消費構造を基準に、これと同等のものを購入した場合に必要な費用がどのように変化したかを表しています。他方、世帯の消費構造は、新しい財・サービスの出現や、し好の変化とともに次第に変化していきます。このため、基準年を一定の周期で新しくする「基準改定」を行い、指数に採用する品目とそのウエイトなどを見直します。日本の消費者物価指数は、5年ごとに改定され、西暦の末尾が0と5の年を基準年としています。国際的にみても5年程度の周期で基準改定を行っている国が多く、日本では平成22年(2010年)の統計委員会の答申(総務省)
で、他の経済指数を含めて5年周期の改定が適当とされ、企業物価指数などの物価指数を始め、鉱工業生産指数などの数量指数も含めて、大半の指数が5年ごとに基準改定されています。
直近では、平成28年(2016年)8月に2015年基準への切替えを行いました。
消費者物価指数では、家計調査結果による支出割合を基に作成されたウエイトを5年ごとに更新する公式系列のほかに、消費構造の変化の影響を確認するため、毎年ウエイトを更新して作成するラスパイレス連鎖基準方式による指数を参考指数として公表しています。この連鎖指数は1975年基準から年次で公表してきましたが、2005年基準からは月次でも公表しています(H-1参照)。
消費者物価指数では、基準改定によって採用する品目や計算に用いるウエイトを新しいものに更新するため、改定前と改定後の指数は厳密には内容が異なります。しかしながら、長期的な物価変動を時系列的に分析できるようにするため、基準改定時においては、新旧指数を接続する処理を行っています。
新旧指数の接続は、基準年における旧基準と新基準の年平均指数値(新基準は100)の比で、旧基準の指数を換算することにより行っています。接続処理は項目ごとにそれぞれ独立に行い、接続した指数による上位類指数の再計算はしていません。なお、変化率(前月比、前年同月比、前年比及び前年度比)については、接続した指数により再計算することなく、各基準において公表された値をそのまま用いることとしています。また、各基準の基準年の1月の前月比、1〜12月の前年同月比、前年比及び前年度比についても、旧基準の指数によって計算されたものを用いています。
基準改定によって、前年同月比や寄与度(総合指数の前年同月比などの変化率に対する各品目の影響度)に新旧基準で差が生じることがあります。この要因としては「ウエイト効果」や「リセット効果」などがあります。
(ウエイト効果)
「ウエイト効果」とは、ウエイトの更新に伴う影響のことです。
新基準でウエイトが小さくなると寄与度も絶対値で小さくなり、新基準でウエイトが大きくなると寄与度も絶対値で大きくなります。
ウエイト効果による新旧基準間の寄与度の差の符号は次のようになります。
| ウエイトの差 (新基準-旧基準) |
前年同月比 (旧基準) |
寄与度の差 (新基準-旧基準) |
|---|---|---|
| 縮小(-) | プラス(+) | 押し下げ(-) |
| マイナス(-) | 押し上げ(+) | |
| 拡大(+) | プラス(+) | 押し上げ(+) |
| マイナス(-) | 押し下げ(-) |
(リセット効果)
「リセット効果」とは、指数の基準時の更新に伴う影響のことです。
旧基準の指数が新基準の指数よりも高いと寄与度は絶対値で小さく、旧基準の指数が新基準の指数よりも低いと寄与度は絶対値で大きくなる傾向があります。
リセット効果による新旧基準間の寄与度の差の符号は次のようになります。
| 前年同月指数の差 (新基準-旧基準) |
前年同月比 (旧基準) |
寄与度の差 (新基準-旧基準) |
|---|---|---|
| 下方シフト(-) | プラス(+) | 押し下げ(-) |
| マイナス(-) | 押し上げ(+) | |
| 上方シフト(+) | プラス(+) | 押し上げ(+) |
| マイナス(-) | 押し下げ(-) |
(その他)
上記のほかには、「モデル式の改定(モデル品目の計算方法及び内部ウエイトの改定)などの影響」や「品目の改定(指数に採用する品目の追加及び廃止等)による影響」があります。
ウエイト効果及びリセット効果などの影響の計算方法については、「ウエイト効果及びリセット効果などの影響の計算方法(PDF:39KB)」を御覧ください。
例えば平成28年(2016年)6月分(全国)において、新旧基準の総合指数の前年同月比はいずれも-0.4%と違いはありませんでした。
なお、同月の2015年基準改定による前年同月比への影響(D-4参照)は以下のとおりでした (ただし、比較する月ごとにこれらの影響の大きさは異なりますので御注意ください。)。
| ウエイト効果 | +0.06 |
| リセット効果 | +0.02 |
| モデル式の改定などの影響 | -0.02 |
| 品目の改定による影響 | +0.02 |
| 計(新旧基準間の寄与度※の差) | +0.08 |
新旧基準の前年同月比の比較及び新旧基準で寄与度に差がある主な品目については、「消費者物価指数2015年基準による遡及結果について(PDF:66KB)」を併せて御参照ください。
[参考]
過去の基準改定時の前年同月比の違いについては「基準改定前後の消費者物価指数 前年同月比(%)の比較(エクセル:41KB)」を、ウエイトの違いによる差をみるためのパーシェ・チェックの結果は、「パーシェ・チェックの結果について(PDF:35KB)」を御覧ください。
基準改定により新旧基準で前年同月比に違いが生じる要因には、ウエイト効果やリセット効果などがありますが(D-4参照)、過去の基準改定と比べて2015年基準改定ではリセット効果の絶対値が小さくなっています。例えば、2010年の基準改定ではリセット効果の絶対値は0.55ありましたが、2015年基準改定では0.02となっています。
| 新旧基準の差※ | リセット効果 | |
|---|---|---|
| 2011年6月 (2010年基準改定) | ▲0.6 | -0.55 |
| 2016年6月 (2015年基準改定) | 0.0 | +0.02 |
一般に、基準改定時の旧基準の品目別指数が100から離れているほど、リセット効果の絶対値は大きくなります。
2010年基準改定では、テレビ、パソコン等の指数が100を大きく下回っていましたが、2015年基準改定では、これら品目の指数が比較的100に近いためリセット効果が小さくなり、このため2010年基準と2015年基準の前年同月比の違いが小さくなっています。
| テレビ | パソコン (ノート型) | |
|---|---|---|
| 2010年6月 (2005年基準) 2005年=100 | 24.1 | 12.4 |
| 2015年6月 (2010年基準) 2010年=100 | 70.7 | 68.3 |
なお、新旧基準で寄与度に差がある主な品目については、「消費者物価指数2015年基準による遡及結果について(PDF:66KB)」及び「平成22年基準と平成17年基準の差▲0.6(平成23年6月・全国総合指数の前年同月比)に影響を及ぼした主な品目(PDF:31KB)」を御覧ください。
【E 中間年見直しについて】
消費者物価指数の品目及びウエイトについては、消費構造の変化を反映させるため、5年ごとに改定(基準改定)することとしています。しかしながら、基準改定後に、新製品の急速な普及や消費パターンの急激な変化などがあった場合には、5年後の改定を待たずに、その間の年に品目の見直し(中間年見直し)を行っています。2015年基準においても、必要な場合には、適宜品目の見直しを行います。
なお、2010年基準においては、新たな品目の追加等が必要かどうかの検討を行った結果、平成25年(2013年)と平成26年(2014年)に見直しを行いました。
平成25年(2013年)には、「携帯電話機」及び「携帯電話通信料」について、スマートフォンによる価格も取り込み、従来型携帯電話機とスマートフォンとを合成した指数を平成25年(2013年)1月分から作成することとしました。詳細については、「平成22年基準消費者物価指数の中間年(平成25年)における見直し(案)」に関する意見募集の結果を御覧ください。
平成26年(2014年)には、「パソコン(ノート型)」について、タブレット端末による価格も取り込み、ノートパソコンとタブレット端末とを合成した指数を平成26年(2014年)1月分から作成することとしました。詳細については、「平成22年基準消費者物価指数の中間年(平成26年)における見直し(案)」に関する意見募集の結果を御覧ください。
また、中間年見直しは、2000年基準以降実施していますが、過去の見直しについては、以下のとおりとなっています。
○2000年基準の中間年見直し(平成15年(2003年)1月分から)
| 追加品目 | 廃止品目 |
|---|---|
| プリンタ インターネット接続料 | ワープロ |
※「カメラ」について、デジタルカメラによる価格も取り込み。
○2005年基準の中間年見直し(平成20年(2008年)1月分から)
| 追加品目 | 廃止品目 |
|---|---|
| ビール風アルコール飲料 電気洗濯機(洗濯乾燥機) 家庭用ゲーム機(携帯型) | テレビ(ブラウン管) オーディオ記録媒体 |
※「固定電話通信料」について、IP電話による価格も取り込み。
※[参考]平成17年基準中間年見直しについて
【F 品質調整について】
消費者物価指数は純粋な価格の変動を測定することを目的としていることから、同一の商品の価格を継続して追跡することを原則としています。しかしながら、企業戦略や世帯の消費行動は常に変化し、売れ筋も移り変わることから、これに対応した調査銘柄の見直しを適時適切に行うことも必要です。このとき、新旧の商品の間にある機能・特性などの品質やパッケージ容量の違いによって生じる価格差が、指数に入り込まないようにする必要があります。つまり、旧商品と新商品の品質の差異を定量的に評価し、消費者物価指数に反映させており、これを品質調整と呼んでいます。
消費者物価指数では、調査対象の入替えの際に、オーバーラップ法、容量比による換算、単回帰式を用いた換算、オプション・コスト法、インピュート法、直接比較などの中から適切な方法を選択し、品質調整を行っています。なお、品質向上が著しく、製品サイクルが極めて短いパソコン及びカメラについては、POS情報を用いたヘドニック法により、品質調整済みの価格変動を直接求めています(F-2参照)。
品質調整について詳しくは、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「第2 比較時価格の算出時における品質調整(PDF:453KB)」に掲載されていますので、御参照ください。
[参考]POS情報とは、小売店舗のPOS(Point of Sales:販売時点管理)システムによって集められた、各製品の販売価格及び販売数量に製品特性が付加された情報です。消費者物価指数では、全国の主要な家電量販店で販売されたパソコン及びカメラ全製品の、製品別販売価格、販売数量及び特性に関するPOS情報を用いています。
ヘドニック法とは品質調整に用いられる方法のひとつで、各製品の品質がこれを構成する複数の特性(性能)に分解でき、価格は性能によって決定されると考え、これらの諸特性(例えば、パソコンならHDD記憶容量、メモリ容量、バンドルソフトの有無など)と各製品の価格との関係を、重回帰分析という統計的手法で解析することにより、製品間の価格差のうち品質に起因する部分を計量的に把握しようとする手法です。
消費者物価指数では、品質向上が著しく製品サイクルが極めて短いパソコン及びカメラについて、品質調整済みの価格変動をヘドニック法により直接求める方法を採用しています。なお、より客観的で信頼度の高い重回帰分析を行うためには、多数の製品についての大量の価格、数量及び特性に関する情報が必要となるため、これらのヘドニック法の適用に当たってはPOS情報を用いています。
[参考]
「ヘドニック法について(PDF:643KB)」 清水誠,永井恵子 月刊誌「統計」2006年11月号掲載 日本統計協会
ヘドニック法では、多数の販売データ(POS情報)を利用して、統計的に製品の価格と特性(性能)の関係を計算しています。性能の各要素が価格にどれだけ影響しているかを計算すると、性能が2倍になったからといって、価格は2分の1になるとはみなせません。
例えば、パソコンにおいて、「HDD記憶容量が1TB増えたとき、パソコン本体価格は5.0%上昇する」という関係が推計できたとします。これにより、「HDD記憶容量が1TB増えた新製品が出た場合は、実際のパソコン本体価格を5.0%割り引いて価格を比較する」ことになります(イメージは下図のとおり)。性能の定義にもよりますが、性能向上分の品質調整は単純な評価をすることはできません。
<ヘドニック法による品質調整の例(パソコン)>
⇒ 多数のパソコン販売データから、特性と価格の相関関係を分析
⇒ 例えば「HDD記憶容量が1TB増→パソコン本体価格は5.0%上昇」という関係を推計
⇒ HDD記憶容量が1TB増の新製品が出た場合は、本体価格を5.0%割り引いて比較
[参考]実際には統計的な回帰式で計算
具体的な計算方法については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「付1 ヘドニック法によるパソコン及びカメラの品目別価格指数の算出(PDF:485KB)」に掲載されています。
また、平成27年(2015年)中の実際の計算に用いた回帰モデル等については、「消費者物価指数年報 平成27年」の「付録6 パソコン及びカメラのヘドニック回帰式(PDF:20KB)」に掲載されています。
[参考]
日本銀行で作成している企業物価指数においても、パソコン、ビデオカメラなどの品目でヘドニック法を適用した品質調整を行っています。
【G 消費者物価指数に対するよくある疑問等について】
調査銘柄については、各品目において代表的な銘柄の出回り状況を調べ、調査銘柄の出回りが少なくなっている場合や、調査銘柄が製造中止になって後継の新製品が発売されるなどの場合には、出回りの多い銘柄に変更し、新製品の迅速な取込みを図っています。常時、品目を代表する銘柄の価格をフォローする仕組みになっています。
※小売物価統計調査において、どのようなものが調査されているかについては、「小売物価統計調査」の「調査品目及び基本銘柄」を御覧ください。
プライベートブランド(PB)商品については、価格調査に際して品目ごとに定めた銘柄規定(同品質のものを比較できるように定めた商品の特性等)に合致し、かつ調査店舗で最も売れていれば、基本的に調査対象となり、消費者物価指数に反映されます。例えば、牛乳、食パン、食用油、果実飲料などの食料品では、多くの品目(約7割)でPB商品が銘柄規定に該当しており調査対象に含まれています。
[参考]PB商品とは、大手スーパーストアなどが自ら企画・開発し、ストア自身のブランドをつけて販売する商品
消費者物価指数の価格データを取集する小売物価統計調査では、各調査地区内で、品目ごとに「販売数量の多い代表的な店舗」を選定し、価格を調査しています。したがって、ディスカウント店が販売数量の多い代表的な店舗である場合には調査店舗となり、その価格が反映されることとなります。
[参考]小売物価統計調査Q&A
消費者物価指数は、品質の変化による影響を含まない純粋な価格の動きを測定することを目的としていることから、価格の調査対象となっていた商品の新商品への入替えなどがあった場合、新旧両製品の機能、特性、容量等の違いを吟味した上、品質の違いによる価格差が指数に入り込まないようにするための品質調整を行っています(F-1参照)。
消費者物価指数の上方バイアスは、価格の大きく下落した品目が、(1)需要も増えて相対的な支出割合も拡大した場合、(2)時間の経過とともに指数の水準が著しく低下した場合、などに生じることが指摘されています。
そこで、日本の消費者物価指数では、5年ごとに指数の水準とウエイトを更新する固定基準方式の公式指数とともに、毎年、指数の水準を前年12月=100に「リセット」し、ウエイトも前年の支出割合を用いて更新する連鎖基準方式の指数を参考指数として公表しています。
なお、2011年から2015年までの「生鮮食品を除く総合指数」(2010年基準)の前年比を、公式指数と連鎖基準方式の指数について比べると、両者の差はあまりみられません。これは、実際には価格が下落した品目の相対的な支出割合が拡大するとは限らないこと、耐久消費財などでかつて見られた連続的な価格下落が最近は見られなくなり「リセット」の影響が小さくなっていることが背景にあると考えられます。
| 年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公式指数(%) | -0.3 | -0.1 | 0.4 | 2.6 | 0.5 |
| (参考)ラスパイレス連鎖 基準方式による指数(%) | -0.3 | -0.1 | 0.3 | 2.7 | 0.6 |
| 差(ポイント) | 0.0 | 0.0 | 0.1 | -0.1 | -0.1 |
国際労働機関(ILO)が作成している消費者物価指数の作成方法に関する国際基準では、消費者物価指数は、物価の時間的な変化を計測することを目的としたものであり、同一の品質及び同様な属性の消費財・サービスの固定された買物かごを購入する費用を計測することによって行うことができるとされています。こうした基本的な考え方に基づき、国際基準では、価格調査の対象となる品目について、その品質・特性などの銘柄を詳細に規定した上で、同質の商品の価格が継続的に調査されるべきこととされており、日本では、カナダのほかイギリスなど欧州主要国と同様に、この基準に沿って調査を行っています(B-2参照)。
また、日本では、規定した銘柄について、商品の出回り状況の変化に応じて随時見直しを行っており、最も売れている代表的な商品の価格が常時調査されるようにしています。
このように、価格調査の方法について、日本は国際的な基準に沿って、非常に精緻に行っています。
一方、アメリカでもおおむね国際基準を踏まえて指数を作成していますが、価格調査に当たっては、国際基準でいうような銘柄をあらかじめ規定せず、調査員が調査店舗ごとに商品の出回り状況に応じて商品を抽出し、その価格を調査する独自の手法を採用しています。この方法の場合、調査店舗ごとに抽出される商品が異なることとなるため、同じ品目であっても、同質ではない商品が混在し、品目内の変動が大きくなると考えられます。
[参考]日本における消費者物価指数の作成方法については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「III 消費者物価指数の作成方法」をご覧ください。
消費者物価指数には、企業物価指数が対象としていない授業料、家賃、外食などのサービスの価格もウエイトにして5割程度含まれています。サービスの価格は、財に比べて人件費の割合が高いため、財の価格が上昇・低下しても、財と一致した動きをするとは限りません。
また、消費者物価指数が対象としている財は世帯が購入するものについてであり、原油などの原材料、電気部品などの中間財、建設機械などの設備機械は含まれていません。したがって、これらの財が値上がりしても、消費者物価が直接上がるのではなく、間接的にしか影響を与えません。
このような理由から、消費者物価指数と企業物価指数の総合指数は必ずしも一致した動きをするとは限りません。
なお、両指数をできるだけ同じ対象範囲にして比較するため、消費者物価指数の「生鮮食品を除く財」と、国内企業物価指数を「最終消費財」に限定した指数とを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。
消費者物価指数とGDPデフレーターの動きを比較すると、GDPデフレーターの方が変化率が低くなることが多くなっています。この乖離については、対象の違いによる要因が大きく、他に算式の違いなどの要因も考えられます。
(1)対象の違い
消費者物価指数は家計消費に対象を限定している一方で、GDPデフレーターは家計消費の他に設備投資なども対象となっています。設備投資は品質向上が著しいIT関連財の比率が高いことから、これらの下落による影響が大きくなります。このため、GDPデフレーターの変化率の方が、CPIの変化率より低くなっています。
また、石油製品などの輸入品価格が上昇(下落)している中では、消費者物価指数はその分上昇(下落)するのに対し、GDPデフレーターでは製品価格に全て転嫁されない限り、下落(上昇)に働くため、両者は乖離します。
なお、両指数をできるだけ同じ対象範囲にして比較するため、消費者物価指数の総合と、GDPデフレーターを家計最終消費支出に限定した指数とを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。
(2)算式の違い
消費者物価指数はラスパイレス算式、GDPデフレーターはパーシェ算式を採用しています。一般に比較時点の数量ウエイトで加重平均するパーシェ算式は指数が低く、基準時点の数量ウエイトで加重平均するラスパイレス算式は指数が高くなる傾向があります。また、品質向上は数量の増加とみなされるので、パーシェ算式の場合、品質向上で指数が下落した品目のウエイトは拡大します。このため、パーシェ算式を用いているGDPデフレーターは変化率が低くなります。
なお、GDPデフレーターはできるだけ指数算出に伴うバイアスを軽減することができるようにウエイトを毎年更新する連鎖方式により作成されています。消費者物価指数についても参考系列として連鎖方式による指数を作成・公表しています(H-1参照)。
最近ではデータの活用や処理技術の進展により、POS情報を用いた指数を作成する試みが民間でも行われるようになっています。こうした指数を利用する際には、(1) 品目や店舗に偏りがないか、(2) 新商品の登場時の価格が落ちていないか、(3) 容量変更が無視されていないか、(4) 新旧商品の品質差が調整されているか、などの点に留意する必要があります(物価指数は価格変動を計測する指数であり、数量や品質の変化が混在する購入単価指数とは異なるものです。)。
消費者物価指数では、POS情報からは得られない、家計消費の多くを占めるサービスなどを含む幅広い品目について、全国の代表的な店舗で価格を調査し、新商品の登場時、容量変更、新旧商品の品質調整についても適切な措置を講じています。また、パソコンやカメラではPOS情報とヘドニック法を用いて品質調整済価格指数を作成しています。
【H ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数について】
日本の消費者物価指数は、消費構造を一定にした場合の物価変動を測定するために、固定基準ラスパイレス指数算式を採用しています。
一方、「ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数」(以下「連鎖指数」といいます。)は、毎年の消費構造の変化を反映させるために、ウエイトを基準年のものに固定するのではなく、毎年更新して算出する指数です。基本分類指数の公表と併せて毎月参考指数として公表しています。
※ 2015年基準における連鎖指数は、平成29年(2017年)1月分公表時から公表します。
連鎖指数はウエイトを毎年更新して算出するものです。統計局では以下のように算出しています。平成24年(2012年)2月を例に説明します。
(1) 最新(前年)のウエイトを用いて計算する平成24年(2012年)2月の連環指数を算出します。これは、平成24年(2012年)2月の価格を前年の平成23年(2011年)12月の価格で除した価格比を、前年に当たる平成23年(2011年)のウエイトを用いて加重平均したものです。
(2) 平成24年(2012年)2月の連環指数を平成23年(2011年)12月の連鎖指数に乗じて、平成24年(2012年)2月の連鎖指数を算出します。
詳しい算式については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「付4 ラスパイレス連鎖基準方式による指数の作成(PDF:574KB)」を御覧ください。
一般的に、連鎖指数は固定基準ラスパイレス指数と比べて、変化率がプラスのときは上昇幅が小さくなり、マイナスのときは下落幅が大きくなる傾向があります。
例えば価格が大きく下落した品目が需要も増えて相対的な支出割合も拡大した場合、ウエイトを毎年更新する連鎖指数は、5年間は同じ基準年のウエイトを用いる固定基準ラスパイレス指数よりも、下落幅が大きくなると考えられます。
また、連鎖指数では、前年12月=100とした連環指数を掛け合わせていくため、こうした指数を100に戻すこと(「リセット」)による影響もあります。
[参考]
詳しい算式については、「2015年基準消費者物価指数の解説」の「付4 ラスパイレス連鎖基準方式による指数の作成(PDF:574KB)」を御覧ください。
連鎖指数では、価格が上昇と下落を繰り返している品目がある場合、指数が高めになる「ドリフト」と呼ばれる現象が起きるおそれがあるといわれています。また、連鎖指数では、下位分類指数を加重平均しても上位分類指数とは一致しなくなります(これを加法整合性がないといいます。)。こうしたことから、連鎖指数は、参考指数という位置付けとしています。
なお、連鎖指数は、基本分類指数と毎月同じ日に公表していますので、どちらの指数も同じように利用することが可能です。
※ 2015年基準における連鎖指数は、平成29年(2017年)1月分公表時から公表します。
【I 消費税の取り扱いについて】
消費者物価指数は、世帯が消費する財・サービスの価格の変動を測定することを目的としていることから、財やサービスの購入と一体となって徴収される消費税分を含めた消費者が実際に支払う価格を用いて作成されています。
ILOの国際基準でも消費税分を含めることとなっています。
経過措置の対象である財・サービスについては、それぞれの経過措置が反映されるよう消費者物価指数を作成しています。例えば、電気代、都市ガス代、プロパンガス、固定電話通信料及び携帯電話通信料については、平成26年(2014年)4月は旧税率に基づく価格を採用し、5月から新税率に基づく価格を採用することとしています。また、水道料、下水道料及びし尿処理手数料については、各自治体の条例により料金改定が行われているため、改正条例に照らし、条例の中で経過措置が定められている場合は、その期間において旧税率に基づく価格を採用することとしています。
(注)社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)附則に定められる経過措置
| 品目 | 消費者物価指数での取扱い |
|---|---|
| 電気代 | 経過措置を踏まえ、平成26年(2014年)4月の指数は旧税率を適用し、5月から新税率を適用する。 |
| 都市ガス代 | |
| プロパンガス | |
| 固定電話通信料 ※ | |
| 携帯電話通信料 ※ | |
| 水道料 | 改正条例の中で経過措置が定められている場合は、その期間において旧税率を適用する。 |
| 下水道料 | |
| し尿処理手数料 | |
| 航空運賃 | 航空運賃指数算出の際に用いる、普通運賃、往復割引運賃及び最安割引運賃のうち、平成26年(2014年)3月までに購入される最安割引運賃部分については、旧税率を適用する。 |
(参考)その他消費税率改定の影響について注意が必要な品目
※なお、平成26年(2014年)4月消費税率改定時の消費者物価指数の基準年は2010年基準であり、本問における品目名などの表記も2010年基準時のものとなっています。