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消費者物価指数に関するQ&A(回答)

e-Stat の項目は政府統計の総合窓口「e-Stat」掲載の統計表です。


【A 消費者物価指数の概要について】

A-1 消費者物価指数とはどのようなものですか。

 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する各種の商品(財・サービス)の価格の平均的な変動を測定するものです。すなわち、ある時点の世帯の消費構造を基準に、これと同等のものを購入した場合に必要な費用がどのように変動したかを指数値で表しています。
 このように、消費者物価指数は物価そのものの変動を測定することを目的とするため、世帯の生活様式や嗜好の変化などに起因する購入商品の種類、品質又は数量の変化に伴う生活費の変動を測定するものではないことに留意する必要があります。

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A-2 消費者物価指数はいつから作られているのですか。

 消費者物価指数は、第二次世界大戦直後の昭和21年に初めて作られ、当時の激しいインフレーションを計測するために使われました。その後、昭和27年に、小売物価統計調査で調査された小売価格から指数を作成するようになりました。

 なお、各指数系列における時系列比較が可能な範囲については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「第6 新・旧指数の接続(PDF:104KB)」を御参照ください。

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A-3 指数の基準年とは何ですか。

 消費者物価指数は、基準となる年の物価を100として、その時々の物価を比較計算した数値となっています。この、物価の基準となる時点のことを「指数の基準時」と呼んでいます。
 また、消費者物価指数は、ある時点の消費構造(品目ごとの支出割合)をウエイトとして、個々の品目の価格指数を加重平均して算出しています(B-1参照)。この、ウエイトに採用した年次のことを、「ウエイトの参照年次」と呼んでいます。
 現在、日本の消費者物価指数のうち毎月公表している公式系列については、「指数の基準時」と「ウエイトの参照年次」を共に平成22年(2010年)の1年間としており、これを「基準年」と呼んでいます。
 なお、基準年は、西暦年の末尾が0と5の年を基準時として、5年ごとに改定(基準改定)しています。その際、併せて指数に採用する品目などの見直しも行っています(D-1参照)。

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A-4 消費者物価指数は、どのように利用されているのですか。

 物価は、経済活動が活発となり需給がひっ迫してくると上昇率が高まり、経済活動が停滞し需給が緩むと上昇率が低下する傾向があります。このため、消費者物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれており、経済政策を的確に推進する上で極めて重要な指標となっています。家計調査やGDP統計における家計消費支出など他の重要な経済指標を実質化するためのデフレーターとしても利用されています。また、国民年金や厚生年金などでは、物価変動に応じて実質的な給付水準を見直すことが法律によって定められており、この物価の動きを示す指標として消費者物価指数が使われています。さらに、日本銀行が金融政策における判断材料として使用しているほか、賃金、家賃や公共料金改定の際の参考に使われるなど、官民を問わず幅広く利用されています。

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A-5 「コア」指数、「コアコア」指数と呼ばれているものはどのようなものですか。

 最近、物価動向の要因をみるための指標として、いわゆる「コア」指数、あるいは、いわゆる「コアコア」指数という指標が注目されることがあります。しかし、これらは、公表された指標又は利用者において加工計算した指標に対する通称であり、正式な名称ではありません。
 物価の基調をみるための指標として、「総合」から天候に左右されて変動の大きい「生鮮食品」を除く総合指数を「コア」指数と呼ぶ場合があります。また、アメリカ等諸外国で重視されている指標と同様のものとして、「総合」から「食料(酒類を除く)及びエネルギー」を除く総合指数があり、それを「米国型コア」指数又は「コアコア」指数と呼ぶ場合があります。
 なお、上記のほかに、消費者物価指数の個々の品目指数を基に「コア」指数や「コアコア」指数と呼ばれる指数が独自に算出されている場合がありますので、それらの指数を利用するに当たっては、定義等について御注意ください。


[参考]

系列生鮮食品を除く総合食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
(コア)(コアコア)
作成総務省総務省
除外している品目生鮮食品食料(酒類を除く)※
電気代
都市ガス代
プロパンガス
灯油
ガソリン
総合を10000とした
場合のカバレッジ
96046828

※総合から除かれる食料は、米類、生鮮食品、鶏卵に加え、菓子類など酒類以外の他の食料すべてである。

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【B 消費者物価指数の作成方法について】

B-1 消費者物価指数は、どのように作られているのですか。

 消費者物価指数の作成に当たっては、まず世帯が購入する商品(財・サービス)のうち、世帯の消費支出上一定の割合を占める重要なものを品目として選びます。次に、この家計消費支出割合に基づいて指数の計算に用いる各品目のウエイトを求めます。なお、家計消費支出割合は家計調査の結果などを用います。
 各品目の価格は、主に毎月の小売物価統計調査によって調査したものを用います。
 指数の計算は、調査市町村別の平均価格を用いて(※)個々の品目の指数(基準年=100)を計算し、これらをウエイト(家計の消費支出に占める割合)により加重平均して、中分類、10大費目、総合などの指数を計算します。
 現在の消費者物価指数の基準年は平成22年ですが、基準年は5年ごとに改定(基準改定)しています(D-1参照)。
 指数に採用する品目とそのウエイトはこの基準改定に合わせて見直しを行っています。平成22年基準で指数に採用している品目は588品目(沖縄品目含む。)です。なお、今後急速に普及し一定のウエイトを占めるに至った新たな財・サービスについては、基準改定以外の年においても品目の見直しを行うこととしています(E-1参照)。

※航空運賃や電気代、携帯電話通信料などの74品目については、サービス料金体系が多様で銘柄の規定が困難であり、価格も一様でないため、これらの価格変動を的確に指数に反映させることを目的として、小売物価統計調査による価格のほか業務統計などの資料を用いた所定のモデル式により毎月の指数を算出しています。
 モデル式による指数の作成方法については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「付2 モデル品目の計算方法(PDF:438KB)」に掲載されています。

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B-2 日本の消費者物価指数の作成方法は主要国と同じですか。

 消費者物価指数については、国際労働機関(International Labour Organization :ILO)が国際基準を作成しています。平成15年12月にジュネーヴで開催された第17回国際労働統計家会議では、消費者物価指数に関するこれまでの国際基準を見直し、新しい国際基準を決議として採択しました。また、これと並行して、消費者物価指数に関する国際的なマニュアルの改訂版「消費者物価指数マニュアル:理論と実践(Consumer Price Index Manual : Theory and Practice)」が作成され、ILOのホームページでも公開されています。
 日本では、他の主要国と同様に基本的にこの国際基準に沿って作成しています。

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B-3 指数の計算に採用する品目は、どのように決められていますか。

 消費者物価指数で採用している品目は、世帯の消費支出上一定の割合を占める重要なものから構成されており、588の品目があります。世帯が購入する無数の種類の商品(財・サービス)は、その機能や価格の動き等の類似性によりまとめられ、各品目に分類されることになります。
 この品目の中には、品質、規格、容量などの銘柄(スペック)が異なる複数の商品が含まれています。消費者物価指数の作成に当たっては、各品目について、その品目を代表すると考えられる銘柄(スペック)を「基本銘柄」として指定し、毎月、原則としてこの「基本銘柄」に該当する商品の価格を調査します(価格調査に当たっては、「基本銘柄」に該当する商品の中から、各調査店舗で最も売れている製品等を選定し、その価格を継続して調査します。)。
 品目は5年に1度の基準改定の際に、直近の家計調査結果に基づいて見直しが行われます。ちなみに、平成22年の基準改定では、電子辞書やETC車載器などを品目に追加しました(D-1参照)。
 なお、基準改定以降に急速に普及状況が変化した財・サービスについては、基準改定以外の年においても適宜、品目の見直しを行っています(E-1参照)。

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B-4 商品の出回りに季節性のある衣料品などの指数はどのように作成しているのですか。衣料品の夏物、冬物などは、季節に合わせて価格を調査しているようですが、調査していない月の指数はどのように計算しているのですか。

 小売物価統計調査では、1年のある時期に出回りが全くない又は出回り期間が非常に限られるため、現実に調査できない月がある品目(衣料品の夏物、冬物など)については、出回りのある月を調査月として価格を調査しています。このような品目の調査されない月(非調査月)において、これを除外して上位類の指数を計算すると、その品目のウエイトは類内の他の品目に比例的に配分されることになるため、結果的に各月のウエイトの年平均が本来の年平均ウエイトと異なるという問題が生じます。このため、衣料品等の季節品目の非調査月の指数については、直近の調査期間の平均指数を次の調査開始の前月まで当てはめる(保合(もちあい)する)こととしています。

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B-5 持家の帰属家賃とは何ですか。

 住宅や土地の購入は、財産の取得であり消費支出ではないことから、消費者物価指数に含まれていませんが、持家に住んでいる世帯(持家世帯)が、自分が所有する住宅からのサービスを現実に受けていることは確かです。そしてそれは、元をたどれば土地や住宅の購入からきており、実際に住宅ローンの返済を負担している持家世帯も多いでしょう。そこで、何らかの方法で持家世帯の住宅費用を測れないかという問題がでてきます。
 持家世帯が住んでいる住宅を借家だと仮定すれば、当然家賃を支払わなければなりません。そこから、持家の住宅から得られるサービスに相当する価値を見積もって、これを住宅費用とみなす考え方が成り立ちます。このような考え方に基づいて、持家を借家とみなした場合支払われるであろう家賃(これを「持家の帰属家賃」といいます。)を消費者物価指数に算入しています。
 指数の計算に当たっては、総務省で実施している全国消費実態調査において推計された持家の帰属家賃額を基に、住宅の構造及び規模ごとにウエイトを求め、それに対応する持家の帰属家賃の価格変動は、小売物価統計調査で調査している民営借家の家賃の価格変動を用いています。
 なお、この帰属家賃方式は、多くの主要国で消費者物価指数のほか国民経済計算(SNA)でも用いられています。

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【C 結果の利用について】

C-1 結果はいつ頃公表されるのですか。

 消費者物価指数は、原則として毎月26日を含む週の金曜日の午前8時30分に公表しています。公表内容は、東京都区部の当月中旬速報値と全国の前月分です。また、12月分及び3月分公表時には、年平均指数及び年度平均指数をそれぞれ公表しています。

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C-2 消費者物価指数では季節調整値を公表していますか。

 消費者物価指数のような月次統計には、例えば、衣料品の価格が季節の初めには高値で、季節の終わり近くになるとセールなどで値下がりするといった、季節的な要因で毎年同じような動きをするものがあり、これを季節変動と呼んでいます。
 消費者物価指数では、このような季節変動を除去した季節調整値を、「総合」、「生鮮食品を除く総合」、「持家の帰属家賃を除く総合」、「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」、「財」、「生鮮食品を除く財」及び「半耐久消費財」の8系列について公表しています。
 ただし、季節調整値は過去の指数から計算した平均的な季節変動を基に調整するため、授業料や診療代など特定の月の価格変動が他の月にも影響して、実際に価格変動がない月でも季節調整値が変動する場合があります。
 一方、こうした季節性の除去は、1年前の同じ月と比較した、前年同月比をみることによっても可能です。前年同月比は価格変動がない限り1年間は変動することがありません。このため、消費者物価指数では物価のすう勢を表すものとして前年同月比をよく用いています。
 なお、値動きの大きい生鮮食品や、電気・ガス料金などの改定月の価格変動については、前月比が消費者の実感に近いと考えられることなどから、季節調整を行わない前月比についても併せて公表しています。

[参考]
 消費者物価指数における季節調整については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「第7 季節調整(PDF:18KB)」にも掲載されています。
 季節調整プログラム(X-12-ARIMA(X-11パートを含む。))は、アメリカ商務省センサス局のホームページからダウンロードできます。
 また、日本銀行のホームページには「X-12-ARIMA操作マニュアル」が掲載されています。

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C-3 四半期及び半期平均指数の結果はどこに掲載されていますか。

 全国の最新の四半期及び半期平均指数の結果は、消費者物価指数月報 e-Statの第7表「四半期平均及び半期平均指数(全国)」に掲載されています。
 また、四半期及び半期平均指数は、公表された月別指数(小数第1位表章)を平均して算出しています。なお、年及び年度平均指数についても同様に算出しています。

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【D 基準改定について】

D-1 消費者物価指数の基準改定は何のために行うのですか。

 消費者物価指数は、基準年を設定し、基準年に比べてどれだけ物価が変化したかを表しています。消費構造は、新しい商品(財・サービス)の出現や嗜好の変化等によって時代と共に変化し、基準年を長い期間固定すると、次第に実態と合わなくなります。そのため、基準年を一定の周期で新しくする「基準改定」を行い、指数に採用する品目とそのウエイトなどを見直します。日本の消費者物価指数は、5年ごとに改定され、西暦で末尾が0と5の年を基準年としています。国際的にみても5年程度の周期で基準改定を行っている国が多く、日本では平成22年の統計委員会の答申で、他の経済指数を含めて5年周期の改定が適当とされ、企業物価指数などの物価指数を始め、鉱工業生産指数、輸送指数などの数量指数も含めて、大半の指数が5年ごとに基準改定されています。

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D-2 消費者物価指数の基準改定が5年と長いため、基準年に固定したウエイトでは消費パターンの急速な変化を反映しないということはないですか。

 消費者物価指数では、家計調査結果による支出割合を基に作成されたウエイトを5年ごとに更新する公式系列のほかに、消費構造の変化の影響を確認するため、毎年ウエイトを更新して作成するラスパイレス連鎖基準方式による指数を参考指数として公表しています。この連鎖指数は昭和50年基準から年次で公表してきましたが、平成17年基準からは月次でも公表しています(H-1参照)。
 また、世帯の消費構造の変化を迅速に消費者物価指数に反映させる方法として、基準年と比較年の中間に当たる年の消費構造を用いて作成したウエイトにより計算する中間年バスケット方式による指数も参考指数として公表しています。

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D-3 基準改定の時、新旧指数はどのように接続しているのですか。

 消費者物価指数では、基準改定によって採用する品目や計算に用いるウエイトを新しいものに更新するため、改定前と改定後の指数は厳密には内容が異なります。しかしながら、長期的な物価変動を時系列的に分析できるようにするため、基準改定時においては、新旧指数を接続する処理を行っています。
 新旧指数の接続は、基準年における旧基準と新基準の年平均指数値(新基準は100)の比で、旧基準の指数を換算することにより行っています。接続処理は項目ごとにそれぞれ独立に行い、接続した指数による上位類指数の再計算はしていません。なお、変化率(前月比、前年同月比、前年比及び前年度比)については、接続した指数により再計算することなく、各基準において公表された値をそのまま用いることとしています。また、各基準の基準年の1月の前月比、1〜12月の前年同月比、前年比及び前年度比についても、旧基準の指数によって計算されたものを用いています。

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D-4 平成22年基準改定により、前年同月比が平成17年基準に比べて低くなっていますがどうしてですか。

 全国の平成23年6月の結果から、「総合」の改定幅を寄与度(影響度)でみると、新旧両基準の差▲0.6のうち、教養娯楽が▲0.44ポイントと大部分を占めています。
 新旧両基準の差の要因については、「平成22年基準と平成17年基準の差(平成23年6月・全国総合指数の前年同月比)に影響を及ぼした主な品目(PDF:31KB)」を御覧ください。

[参考]平成17年基準と平成22年基準のウエイトの比較(PDF:351KB)
※ウエイトの違いによる差をみるためのパーシェ・チェックの結果は、「パーシェ・チェック結果(PDF:14KB)」を御覧ください。

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D-5 基準改定で生じる指数のリセットによる影響とは何ですか。

 指数の「リセットによる影響」とは、基準改定の際に各品目の指数値が100に戻ること(リセット)により、総合指数の前年同月比などの変化率に対する各品目の寄与度(影響度)が変わることを意味し、リセット効果と呼ばれることがあります。
 例えば、品目Aは毎年2割ずつ価格が下落していると仮定すると、品目Aの消費者物価指数は、以下のとおりとなります。


リセット効果の例


 品目Aの価格は、毎年2割ずつ下落していますが、基準年から年を経過するほど、指数値の前年との差が小さくなります。指数値の差が小さくなることにより、寄与度は年々小さくなりますが、基準改定をすると、指数値が再び100に戻るため、寄与度が大きくなります。
 パソコン、カメラ、テレビ等の耐久消費財は、技術革新が著しく早いため、品質調整(F-1参照)していくと、基準年から年を経過するほど指数値が小さくなります。このような主として品質調整により指数値が小さくなる品目では、リセットによる影響が大きくなります。


[参考] 寄与度の計算式

 寄与度は実数ウエイトを使用し、次の計算式によって算出しています。


寄与度の計算式1


 これを変換すると、以下のとおりとなります。


寄与度の計算式2


寄与度の計算式3


寄与度の計算式4


リセットによる影響 : 基準改定によって、①の分母・分子の指数が共に100にリセットされることによる影響

ウエイトの改定による影響 : 基準改定によって、②の分母・分子のウエイトが平成17年基準から平成22年基準のウエイトに変化することによる影響

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D-6 平成22年基準改定において、リセットによる影響はどの程度ありましたか。

 平成22年基準改定におけるリセットによる影響をみるために、平成17年基準の指数を用いて算出した寄与度と平成22年基準の指数を用いて算出した寄与度を比較します。例えば平成23年6月分(全国)において、平成17年基準、平成22年基準共に前年同月比の寄与度の差が大きかった家庭用耐久財及び教養娯楽用耐久財について比較すると、結果は以下のとおりです。
 なお、比較する月によってリセットによる影響の大きさは異なりますので御注意ください。

リセット効果による影響が大きかった主な品目


※1 なお、リセットによる影響だけをみるため、上記寄与度を算出する際、平成22年基準による平成23年6月分結果の前年同月比及び平成17年基準のウエイトを共通で用いています。そのため公表値とは一致しません。

※2 平成17年基準と平成22年基準において共通に採用されている品目のみ用いて算出しています。

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【E 中間年見直しについて】

E-1 中間年見直しとは何ですか。

 消費者物価指数の品目及びウエイトについては、消費構造の変化を反映させるため、5年ごとに改定(基準改定)することとしています。しかしながら、基準改定後に、新製品の急速な普及や消費パターンの急激な変化などがあった場合には、5年後の改定を待たずに、その間の年に品目の見直し(中間年見直し)を行っています。
 平成22年基準においては、新たな品目の追加等が必要かどうかの検討を行った結果、平成25年と26年に見直しを行いました。
 平成25年には、現行品目である「携帯電話機」及び「携帯電話通信料」について、スマートフォンによる価格も取り込み、従来型携帯電話機とスマートフォンとを合成した指数を平成25年1月分から作成することとしました。詳細については、「平成22年基準消費者物価指数の中間年(平成25年)における見直し(案)」に関する意見募集の結果を御覧ください。
 平成26年には、現行品目である「パソコン(ノート型)」について、タブレット端末による価格も取り込み、ノートパソコンとタブレット端末とを合成した指数を平成26年1月分から作成することとしました。詳細については、「平成22年基準消費者物価指数の中間年(平成26年)における見直し(案)」に関する意見募集の結果を御覧ください。
 なお、中間年見直しは、平成12年基準以降実施していますが、過去の見直しについては、以下のとおりとなっています。


○平成12年基準の中間年見直し(平成15年1月分から)

追加品目廃止品目
プリンタ
インターネット接続料
ワープロ

※「カメラ」について、デジタルカメラによる価格も取り込み。


○平成17年基準の中間年見直し(平成20年1月分から)

追加品目整理統合品目
ビール風アルコール飲料
電気洗濯機(洗濯乾燥機)
家庭用ゲーム機(携帯型)
テレビ(ブラウン管)
オーディオ記録媒体

※「固定電話通信料」について、IP電話による価格も取り込み。

※[参考]平成17年基準中間年見直しについて

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(携帯電話通信料の指数について)

E-2 平成25年1月から、携帯電話通信料の指数はどのように作成するのですか。

 携帯電話通信料の指数は、従来型携帯電話機、スマートフォンのそれぞれについて、契約数の多い3事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)別に事業者が消費者に提供しているプランの中から、原則として利用パターンごとに消費者にとって最も安いプランを選定します。
 従来型携帯電話機については、通話時間とパケット通信量を組み合わせた合計9つの利用パターン別に最安価格を求め、単純平均して通信料指数を作成します。
 スマートフォンについては、通話時間とパケット通信量を組み合わせた合計3つの利用パターン別に最安価格を求め、単純平均して通信料指数を作成します。
 最後に従来型携帯電話機の通信料指数とスマートフォンの通信料指数を契約数の割合を用いて加重平均することで、携帯電話通信料の指数を作成します。
 詳細な携帯電話通信料の指数の作成方法については、「携帯電話通信料の指数計算方法(PDF:26KB)」を御覧ください。
※スマートフォンの通信料については、平成25年1月分から指数に反映されます。

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(携帯電話機の指数について)

E-3 平成25年1月から、携帯電話機の指数はどのように作成するのですか。

 携帯電話機は、販売台数の多い3事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)ごとに、スマートフォン、従来型携帯電話機のそれぞれについて出回りの多い携帯端末を指定し調査します。
 携帯電話機の指数は、従来型携帯電話機とスマートフォンの端末価格指数を、販売台数割合を用いて加重平均することで作成します。
 詳細な携帯電話機の指数の作成方法については、「携帯電話機の指数計算方法(PDF:24KB)」を御覧ください。
※スマートフォンの端末価格については、平成25年1月分から指数に反映されます。


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(パソコン(ノート型)の指数について)

E-4 平成26年1月から、パソコン(ノート型)の指数はどのように作成するのですか。

 平成26年1月から、パソコン(ノート型)の指数の計算式は、ノートパソコン、タブレット端末それぞれの中での価格の変動を合成して求める形としています。具体的には、パソコン(ノート型)は、ヘドニック法(F-2参照)で求めたノートパソコンとタブレット端末の指数を、販売金額の割合を用いて加重平均することで作成します。
 このため、平成26年1月分以降、ノートパソコン、タブレット端末それぞれの中で前月からの価格の変化があれば、それらの変化の平均が指数に反映されることになります。
 詳細なパソコン(ノート型)の指数の作成方法については、「ヘドニック法によるパソコン(ノート型)の品目別価格指数の算出(PDF:21KB)」を御覧ください。

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【F 品質調整について】

F-1 消費者物価指数における品質調整とは、何のためにどのように行われているのですか。

 消費者物価指数は純粋な物価の変動を測定することを目的としていることから、同一の商品の価格を継続して追跡することを原則としています。しかしながら、品質改良された後継商品が出て、追跡していた商品が製造中止になるなどした場合には、調査する対象を入れ替えなければなりません。このとき、新旧の商品の間にある機能・特性などの品質やパッケージ容量の違いによって生じる価格差が、指数に入り込まないようにするため、品質調整を行っています。つまり、旧商品から新商品への品質改良を品質調整によって定量的に評価し、消費者物価指数に反映させています。
 消費者物価指数では、調査対象の入替えの際に、オーバーラップ法、容量比による換算、単回帰式を用いた換算、オプション・コスト法、インピュート法、直接比較などの中から適切な方法を選択し、品質調整を行っています。なお、品質向上が著しく、製品サイクルが極めて短いパソコン及びカメラについては、POS情報を用いたヘドニック法により、品質調整済みの価格変動を直接求めています(F-2参照)。

 品質調整について詳しくは、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「第2 比較時価格の算出時における品質調整(PDF:26KB)」に掲載されていますので、御参照ください。

 [参考]POS情報とは、小売店舗のPOS(Point of Sales:販売時点管理)システムによって集められた、各製品の販売価格及び販売数量に製品特性が付加された情報です。消費者物価指数では、全国の主要な家電量販店及びパソコン専門店等が販売したパソコン及びカメラ全製品の、製品別販売価格、販売数量及び特性に関するPOS情報を用いています。

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F-2 ヘドニック法とは何ですか。

 ヘドニック法とは品質調整に用いられる方法のひとつで、各製品の品質がこれを構成する複数の特性(性能)に分解でき、価格は性能によって決定されると考え、これらの諸特性(例えば、パソコンならHDD記憶容量、メモリ容量、バンドルソフトの有無など)と各製品の価格との関係を、重回帰分析という統計的手法で解析することにより、製品間の価格差のうち品質に起因する部分を計量的に把握しようとする手法です。
 消費者物価指数では、品質向上が著しく製品サイクルが極めて短いパソコン及びカメラについて、品質調整済みの価格変動をヘドニック法により直接求める方法を採用しています。なお、より客観的で信頼度の高い重回帰分析を行うためには、多数の製品についての大量の価格、数量及び特性に関する情報が必要となるため、これらのヘドニック法の適用に当たってはPOS情報を用いています。
 なお、ヘドニック法の適用に当たっては、回帰モデルの当てはまりの良さや説明変数の有意性、整合性等の検証に加え、ヘドニック法で求めた指数とマッチド・モデル法(前月・当月とも販売実績のある同一商品の価格変化率を前月・当月の価格と販売数量を用いてフィッシャー算式で計算する方法)で求めた指数を比較していますが、パソコンについてはほとんど差がなく、ヘドニック法による品質調整が過剰でないことがわかります。

[参考]
 「ヘドニック法について(PDF:643KB)」 清水誠,永井恵子 月刊誌「統計」2006年11月号掲載 日本統計協会

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F-3 「ヘドニック法を使用している品目の価格は、性能が2倍になれば、価格は半額になったとみなす」という価格評価がされていると聞きましたが、実際はどうなのですか。

 ヘドニック法では、多数の販売データ(POS情報)を利用して、統計的に製品の価格と特性(性能)の関係を計算しています。性能の各要素が価格にどれだけ影響しているかを計算すると、性能が2倍になったからといって、価格は2分の1になるとはみなせません。
 例えば、パソコンにおいて、「HDD記憶容量が1000GB増えたとき、パソコン本体価格は5.0%上昇する」という関係が推計できたとします。これにより、「HDD記憶容量が1000GB増えた新製品が出た場合は、実際のパソコン本体価格を5.0%割り引いて価格を比較する」ことになります(イメージは下図のとおり)。性能の定義にもよりますが、性能向上分の品質調整は単純な評価をすることはできません。


<ヘドニック法による品質調整の例(パソコン)>

ヘドニック法による品質調整の例


 ⇒ 多数のパソコン販売データから、特性と価格の相関関係を分析

 ⇒ 例えば「HDD記憶容量が1000GB増→パソコン本体価格は5.0%上昇」という関係を推計

 ⇒ HDD記憶容量が1000GB増の新製品が出た場合は、本体価格を5.0%割り引いて比較


[参考]実際には統計的な回帰式で計算

回帰式1

回帰式2


 具体的な計算方法については、「平成22年基準 消費者物価指数の解説」の「付1 ヘドニック法によるパソコン及びカメラの品目別価格指数の算出(PDF:38KB)」に掲載されています。
 また、平成25年中の実際の計算に用いた回帰モデル等については、「消費者物価指数年報 平成25年」の「付録6 パソコン及びカメラのヘドニック回帰式(PDF:14KB)」に掲載されています。

[参考]
 日本銀行で作成している企業物価指数においても、パソコン、ビデオカメラなどの品目でヘドニック法を適用した品質調整を行っています。
   「2005年基準企業物価指数におけるヘドニック法の適用

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【G 消費者物価指数に対するよくある疑問等について】

G-1 新しい製品が次々と登場しますが、それらの価格変動が反映されていないということはないですか。

 調査銘柄については、各品目において代表的な銘柄の出回り状況を調べ、調査銘柄の出回りが少なくなっている場合や、調査銘柄が製造中止になって後継の新製品が発売されるなどの場合には、出回りの多い銘柄に変更し、新製品の迅速な取込みを図っています。常時、品目を代表する銘柄の価格をフォローする仕組みになっています。


※小売物価統計調査において、どのようなものが調査されているかについては、「小売物価統計調査」の「調査品目及び基本銘柄」を参照してください。

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G-2 プライベートブランド(PB)商品の価格は反映されているのですか。

 プライベートブランド(PB)商品については、価格調査に際して品目ごとに定めた銘柄規定(同品質のものを比較できるように定めた商品の特性等)に合致し、かつ調査店舗で最も売れていれば、基本的に調査対象となり、消費者物価指数に反映されます。例えば、牛乳、食パン、食用油、果実飲料などの食料品では、多くの品目(約7割)でPB商品が銘柄規定に該当しており調査対象に含まれています。


[参考]PB商品とは、大手スーパーストアなどが自ら企画・開発し、ストア自身のブランドをつけて販売する商品

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G-3 ディスカウント店などの価格も反映されているのですか。

 消費者物価指数の価格データを取集する小売物価統計調査では、各調査地区内で、品目ごとに「販売数量の多い代表的な店舗」を選定し、価格を調査しています。したがって、ディスカウント店が販売数量の多い代表的な店舗である場合には調査店舗となり、その価格が反映されることとなります。


[参考]小売物価統計調査Q&A

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G-4 製品の機能向上など品質の変化があった場合、消費者物価指数には適切に反映されているのですか。

 消費者物価指数は、品質の変化による影響を含まない純粋な物価の動きを測定することを目的としていることから、価格の調査対象となっていた商品の新商品への入替えなどがあった場合、新旧両製品の機能、特性、容量等の違いを吟味した上、品質の違いによる価格差が指数に入り込まないようにするための品質調整を行っています(F-1参照)。


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G-5 日本の消費者物価指数には上方バイアスがあると言われていますが本当ですか。

 日本の消費者物価指数は、家計が消費する財・サービスの組合せ(バスケット)を固定し、その費用の時間的な変化を計測するものです。
 しかし、世帯が購入する財・サービスは、新しい財・サービスの出現や嗜好の変化等により変化しますので、消費構造を長い期間固定すると、次第に消費構造の実態と合わなくなり、一般的には時間の経過に伴って上方バイアスが発生しやすくなると言われています。
 消費構造の変化を反映させるため、5年ごとに品目及びウエイトの改定(基準改定)を行っています。このウエイトについて、ILOの国際基準でも少なくとも5年ごとに改定すべきとされており、それに沿ったものとなっています。
 また、平成12年基準からは、基準改定後に新製品の急速な普及等があった場合には、次の基準改定を待たずに、中間年において品目の見直しが可能な仕組みを導入しています。さらに、平成19年1月からは毎年ウエイトを更新して作成するラスパイレス連鎖基準方式による指数の月次結果を参考指数として公表しています(H-1参照)。


[参考]平成17年基準の「生鮮食品を除く総合指数」前年比について、公式指数とラスパイレス連鎖基準方式による指数を比べると、両者の差は最大で0.3ポイント程度です。


                 表  「生鮮食品を除く総合指数」の前年比

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G-6 価格調査の対象となる商品の選定方法について、アメリカは日本と異なる方法を採用していると聞きましたが、日本の選定方法は諸外国と異なっているのですか。

 国際労働機関(ILO)が作成している消費者物価指数の作成方法に関する国際基準では、消費者物価指数は、物価の時間的な変化を計測することを目的としたものであり、同一の品質及び同様な属性の消費財・サービスの固定された買物かごを購入する費用を計測することによって行うことができるとされています。こうした基本的な考え方に基づき、国際基準では、価格調査の対象となる品目について、その品質・特性などの銘柄を詳細に規定した上で、同質の商品の価格が継続的に調査されるべきこととされており、日本では、カナダのほかイギリスなど欧州主要国と同様に、この基準に沿って調査を行っています(B-2参照)。
 また、日本では、規定した銘柄について、商品の出回り状況の変化に応じて随時見直しを行っており、最も売れている代表的な商品の価格が常時調査されるようにしております。
 このように、価格調査の方法について、日本は国際的な基準に沿って、非常に精緻に行っています。
 一方、アメリカでもおおむね国際基準を踏まえて指数を作成していますが、価格調査に当たっては、国際基準でいうような銘柄をあらかじめ規定せず、調査員が調査店舗ごとに商品の出回り状況に応じて商品を抽出し、その価格を調査する独自の手法を採用しています。この方法の場合、調査店舗ごとに抽出される商品が異なることとなるため、同じ品目であっても、同質ではない商品が混在し、品目内の変動が大きくなると考えられます。


[参考]日本における消費者物価指数の作成方法については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「III 消費者物価指数の作成方法」に掲載されていますので、御参照ください。

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G-7 消費者物価指数と企業物価指数(日本銀行)の動きを対比させて見る際の注意点はありますか。

 消費者物価指数には、企業物価指数が対象としていない授業料、家賃、外食などのサービスの価格もウエイトにして5割近く含まれています。サービスの価格は、財に比べて人件費の割合が高いため、財の価格が上昇・低下しても、それほど変化しない傾向があります。
 また、消費者物価指数が対象としている財は世帯が購入するものについてであり、原油などの原材料、電気部品などの中間財、建設機械などの設備機械は含まれていません。したがって、これらの財が値上がりしても、消費者物価が直接上がるのではなく、間接的にしか影響を与えません。
 このような理由から、消費者物価指数と企業物価指数の総合指数は必ずしも一致した動きをするとは限りません。
 なお、両指数をできるだけ同じ対象範囲にして比較するため、消費者物価指数の「生鮮食品を除く財」と国内企業物価指数を「最終消費財」に限定した指数の間で動きを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。


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G-8 消費者物価指数とGDPデフレーター(内閣府)が乖離していると聞きますが、それはなぜですか。

 消費者物価指数とGDPデフレーターの最近の動きを比較すると、GDPデフレーターの方が下落幅が大きくなっています。この乖離については、対象の違いによる要因が大きく、他に算式の違いなどの要因も考えられます。

(1)対象の違い
 消費者物価指数は家計消費に対象を限定している一方で、GDPデフレーターは家計消費の他に設備投資なども対象となっています。設備投資は品質向上が著しいIT関連財の比率が高いことから、これらの下落による影響が大きくなります。このため、GDPデフレーターの変化率の方が、CPIの変化率より低くなっています。
 また、石油製品などの輸入品価格が上昇している中では、消費者物価指数はその分上昇するのに対し、GDPデフレーターでは製品価格に全て転嫁されない限り、下落に働くため、両者の乖離幅は大きくなります。
 なお、両指数をできるだけ同じ対象範囲にして比較するため、消費者物価指数の総合とGDPデフレーターを家計最終消費支出に限定した指数の間で動きを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。

(2)算式の違い
 消費者物価指数はラスパイレス算式、GDPデフレーターはパーシェ算式を採用しています。一般に比較時点の数量ウエイトで加重平均するパーシェ算式は指数が低く、基準時点の数量ウエイトで加重平均するラスパイレス算式は指数が高くなる傾向があります。また、品質向上は数量の増加とみなされるので、パー シェ算式の場合、品質向上で下落した品目のウエイトは拡大します。このため、パーシェ算式を用いているGDPデフレーターは下落率が大きくなります。
 なお、GDPデフレーターはできるだけ指数算出に伴うバイアスを軽減することができるようにウエイトを毎年更新する連鎖方式により作成されています。消費者物価指数についても参考系列として連鎖方式による指数を作成・公表しています。

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G-9 最近、一部の報道などでPOSデータを基にして作成した物価に関する指数と消費者物価指数の比較等を行う事例が見られますが、それらを見る際にはどのような点に注意すべきですか。

 最近、POSデータなどを利用して物価に関する指数を作成し、消費者物価指数と比較等を行う報道(例えば、日本経済新聞平成25年12月23日「経済教室」等)が見られますが、以下のような点に注意が必要です。

 消費者物価指数は、世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものです。このため、(1)ある時点(基準年)において世帯が実際に購入した中から一定の重要性を持つ財・サービスを対象として選定すること、(2)消費者物価指数は価格の純粋な変化を測定するものであるため、指数に品質や数量の変化による影響が入り込まないようにすることが必要です。

 ところが、一般にPOSデータを基に作成された指数では、

  • 対象とする範囲は食料雑貨などに限られ、家計消費の2割程度をカバーするにすぎないと見られること
  • 商品の容量変化等による実質値上げ(値下げ)が反映されていないなど適切な品質調整が行われていないこと
  • 調査店舗も、データの提供に協力した一部のスーパーなどに限られており、全国各地の代表的な店舗で調査が行われているとは言えないこと

などの点で問題があると見られます。

 このため、こうした結果を基に消費者物価指数と比較を行い、消費者物価指数の計測誤差などを一律に論じることは適切とは言えないため、注意が必要です。

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【H ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数について】

H-1 参考指数の「ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数」とはどのような指数ですか。

 日本の消費者物価指数は、固定基準ラスパイレス指数算式を採用しており、基準時及びウエイトを5年間固定した指数を基本分類指数として公表しています。
 しかし、世帯の消費構造は、新しい商品(財・サービス)の出現や嗜好の変化など様々な要因で変化しており、基準時から時間が経過するにつれ、基準時点のものとは変化している可能性があります。
 「ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数」(以下「連鎖指数」といいます。)は、消費構造の変化をより迅速に反映させるために、ウエイトを基準年のものに固定するのではなく、毎年更新して算出する指数です。基本分類指数の公表と併せて毎月参考指数として公表しています(消費者物価指数月報 e-Stat の第14表「ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数」)。

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H-2 連鎖指数はどのように作られますか。

 連鎖指数はウエイトを毎年更新して算出するものです。統計局では以下のように算出しています。平成24年2月を例に説明します。

 (1) 最新(前年)のウエイトを用いて計算する平成24年2月の連環指数を算出します。これは、平成24年2月の価格を前年の平成23年12月の価格で除した価格比を、前年に当たる平成23年のウエイトを用いて加重平均したものです。
 (2) 平成24年2月の連環指数を平成23年12月の連鎖指数に乗じて、平成24年2月の連鎖指数を算出します。

 詳しい算式については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「第5 指数の算出方法及び作成系列(PDF:155KB)」に掲載されていますので、御参照ください。

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H-3 連鎖指数は固定基準ラスパイレス指数と比べて、変化率にどのような違いがありますか。

 一般的に、連鎖指数の変化率は、固定基準ラスパイレス指数よりも小さくなると言われています(※)。これを簡単な例で説明すると、例えば、類似の品目で、継続的に価格が下落するAと、あまり価格に変化がないBで物価が成り立っているとします。消費者は、BよりもAを買うようになると考えられ、その結果、Aのウエイトは大きくなり、Bのウエイトは小さくなったとします。連鎖指数では、ウエイトを毎年更新することにより、価格下落が大きいAのウエイトが大きくなるため、このような現象が起こります。
 また、連鎖指数では、基準時点を直前(月別指数の場合、前年12月=100)とした連環指数を掛け合わせていくため、この指数を100に戻したことによる影響も変化率が小さくなる方向に働いています。

 ※変化率がプラスのときは、連鎖指数の方が上昇幅が小さくなり、マイナスのときは下落幅が大きくなる傾向がみられます。

[参考]
詳しい算式については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「第5 指数の算出方法及び作成系列(PDF:155KB)」に掲載されていますので、御参照ください。

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H-4 連鎖指数を公式指数とはしないのですか。

 連鎖指数では、価格が上昇と下落を繰り返している品目がある場合、指数が高めになる「ドリフト」と呼ばれる現象が起きるおそれがあるといわれています。
 また、連鎖指数では、下位分類指数を加重平均しても上位分類指数とは一致しなくなります(これを加法整合性がないといいます。)。
 こうしたことから、連鎖指数は、公式指数とはせず、参考指数の扱いとしています。
 なお、連鎖指数は、基本分類指数と毎月同じ日に公表していますので、どちらの指数も同じように利用することが可能です。

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【I 消費税の取り扱いについて】

I-1 消費者物価指数では、消費税はどのように扱われているのですか。

 消費者物価指数は、世帯が消費する財・サービスの価格の変動を測定することを目的としていることから、商品やサービスと一体となって徴収される消費税分を含めた消費者が実際に支払う価格を用いて作成されています。
 ILOの国際基準でも消費税分を含めることとなっています。

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I-2 平成26年4月の消費税率改定時に、一部の商品・サービスでは旧税率が適用されるなど経過措置(注)がとられますが、こうした経過措置について消費者物価指数ではどのように扱われますか。

 経過措置の対象である商品・サービスについては、それぞれの経過措置が反映されるよう消費者物価指数を作成します。例えば、電気代、都市ガス代、プロパンガス、固定電話通信料及び携帯電話通信料については、平成26年4月は旧税率に基づく価格を採用し、5月から新税率に基づく価格を採用することとします。また、水道料、下水道料及びし尿処理手数料については、各自治体の条例により料金改定が行われるため、改正条例に照らし、条例の中で経過措置が定められている場合は、その期間において旧税率に基づく価格を採用することとします。
(注)消費税法(昭和63年法律第108号)附則に定められる経過措置


表 経過措置等の対象となる消費者物価指数の品目一覧
品目消費者物価指数での取扱い
電気代経過措置を踏まえ、平成26年4月の指数は旧税率を適用し、5月から新税率を適用する。
都市ガス代
プロパンガス
固定電話通信料 ※
携帯電話通信料 ※
水道料改正条例の中で経過措置が定められている場合は、その期間において旧税率を適用する。
下水道料
し尿処理手数料
航空運賃航空運賃指数算出の際に用いる、普通運賃、往復割引運賃及び最安割引運賃のうち、平成26年3月までに購入される最安割引運賃部分については、旧税率を適用する。
※一部の通信事業者を除く


(参考)その他消費税率改定の影響について注意が必要な品目

  • 自動車
    …自動車取得税を除く価格に消費税が賦課されるため、税率改定の影響による指数の変動は税率改定分を下回る。
  • 宿泊料、入浴料
    …入湯税を除く価格に消費税が賦課されるため、税率改定の影響による指数の変動は税率改定分を下回る。
  • ゴルフプレー料金
    …ゴルフ場利用税を除く価格に消費税が賦課されるため、税率改定の影響による指数の変動は税率改定分を下回る。
  • 火災保険料
    …非課税品目であるが、実質化に生鮮食品を除く総合の直近12か月平均を用いているため、平成26年5月以降、徐々に新税率の影響が反映されることになる。
  • 4月に非調査である季節調査品目
    …次回調査月まで前回調査期間の平均を保合(もちあい)する(B-4参照)ため、新税率は次回調査月から反映される。

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【その他】

1 平成24年4月1日から介護報酬が改定されましたが、これは消費者物価指数にどのように反映されているのですか。

 平成24年4月1日の介護報酬改定に伴い、消費者物価指数では、利用の多い訪問介護、通所介護及び介護老人福祉施設のサービスについて、改定前後で同じ条件においてサービスを利用した場合の価格変動を介護料の指数に反映させています。したがって、利用の少ないサービスや介護報酬改定により導入される「定期巡回・随時対応サービス」などの新しいサービスの価格については、指数には反映されません。

[参考]
詳細な介護料の指数の作成方法については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「付2 モデル品目の計算方法(PDF:438KB)」に掲載されています。

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2 平成26年4月1日から、高校授業料の支援制度が改正されますが、これは消費者物価指数にどのように反映されるのですか。

 消費者物価指数では、高校授業料について、世帯が実際に負担する額(入学金を含む。)を反映させています。したがって、就学支援金が支給される場合は、授業料から就学支援金を差し引いた額を指数に反映させています。また、授業料不徴収の場合は、授業料0円と取り扱います。
 平成26年4月1日からの就学支援に係る制度の改正により、所得によって授業料負担額が異なるようになります。消費者物価指数では、この所得区分ごとの授業料の変動を指数に反映するようにします。

[参考]
詳細な高校授業料指数の作成方法については、「高校授業料の指数計算方法(PDF:17KB)」を御覧ください。

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3 平成26年4月1日から、診療代について、70〜74歳の保険診療自己負担割合引上げや、初診料等の改定が行われますが、これは消費者物価指数にどのように反映されるのですか。

 消費者物価指数では、診療代について、保険診療により受診者が1回の診療で自己負担する支払額を価格と捉え、これを保険制度、年齢別等の診療行為回数をウエイトとして加重平均し反映させています。
 平成26年4月1日に保険診療の自己負担割合が一部で引き上げられるのに伴い、消費者物価指数では、年齢ごとの自己負担割合の変動を指数に反映するようにします。また、初診料等の改定についても、自己負担額の変動が指数に反映されます。

[参考]
詳細な診療代指数の作成方法については、「診療代の指数計算方法(PDF:18KB)」を御覧ください。

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4 平成26年4月1日から、鉄道やバスの運賃について、一部でICカード運賃と現金運賃とで異なる運賃が導入されますが、これは消費者物価指数にどのように反映されるのですか。

 鉄道運賃や一般路線バス代等について、平成26年4月1日から首都圏などで、同一区間に対しICカード運賃と現金運賃とで異なる運賃(二重運賃)が導入されます。消費者物価指数では、こうしたICカード運賃も考慮し、このような区間の運賃について、ICカード運賃と現金運賃のうち安い方の運賃を指数に反映することとします。

[参考]
詳細な鉄道運賃等の指数の作成方法については、「鉄道運賃(普通運賃)・バス代の指数計算方法(PDF:23KB)」を御覧ください。

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5 平成26年4月1日から、高速自動車国道料金について、ETC割引制度が変更されますが、これは消費者物価指数にどのように反映されるのですか。

 消費者物価指数では、高速自動車国道料金について、時間帯・日別の割引率を通行台数で加重平均した「ETC平均割引率」を算出し、指数に反映させています。平成26年4月1日から、順次ETC割引制度が変更されるため、ETC割引率の変更も指数に反映されることとなります。

[参考]
詳細な高速自動車国道料金指数の作成方法については、「平成22年基準消費者物価指数の解説」の「付2 モデル品目の計算方法(PDF:438KB)」に掲載されています。

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