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統計研究彙報 第75号 No.1
概要
タイトル
厚生年金の支給開始年齢引き上げと2013年高年齢者雇用安定法改正の高齢者雇用に与える効果
著者
北村 智紀
刊行年月
2018年3月
要旨
本稿は、厚生労働省『中高年者縦断調査』を利用して、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢と定額部分の支給開始年齢の引き上げ、高年齢者雇用安定法による雇用確保措置義務化年齢の引き上げ、及び2013年に改正された高年齢者雇用安定法が高齢者の雇用に与える効果を検証した。同法は、60歳以降の被用者の雇用促進を目指したものであり、2013 年の改正では、継続雇用制度の対象者を限定できる制度が廃止されるなど、65 歳までの高齢者の雇用が完全に義務化された。これら一連の政策の高齢者の就業率に与える効果を分析した結果、報酬比例部分の支給開始年齢と高齢者法の完全義務化が重なった時に60歳に到達した一部の正規雇用者の雇用促進効果が確認された。しかし、全体的にみれば、60歳から64歳までの雇用促進効果は限定的であった。これらの結果は、今回の分析対象者に限ったものなのか、そうでないかについては今後の検証が必要である。
キーワード: 高齢者雇用、厚生年金支給開始年齢引き上げ、政策評価、パネルデータ
全文
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