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統計研究彙報 第73号 No.3
概要
タイトル
消費者物価指数における生鮮食品を含む月次連鎖指数の作成
著者
嶋北 俊一
刊行年月
2016年3月
要旨
本稿は、2015年基準消費者物価指数で新たに公表を開始する、生鮮食品を含む月次連鎖指数等について、その作成方法の検討を行ったものである。
日本では生鮮食品などの季節品目のウエイトが比較的大きいため、季節品目における価格変動のCPIに対する寄与を正確に計算することが重要である。連鎖指数はウエイトや価格の変動による影響を受けやすいため、ウエイトの情報源、品目の選定、ウエイト計算手順、新旧連環指数の接続時点・リンク方法について慎重に検討を行った。また、併せて日本の連鎖指数における季節品目・非季節品目による価格の上下動効果(いわゆるドリフト)についても検討した。
その結果、従来(生鮮食品を除く月次連鎖指数)の算出方法を基本としつつ、生鮮食品については年平均価格で新旧連環指数の接続を行うことで、ドリフトを抑制した安定的な連鎖指数が作成可能となった。この方法は、フランスやドイツで採用されている方式と同様となっている。
なお、本稿は2015年5月開催の国際会議(第14回物価指数に関するオタワグループ会合)に提出した論文※を基に、直近の動向までの分析を加えたものである。
※The new procedure for calculating seasonal items indices in Japanese chained CPI(PDF:157KB)
キーワード: 消費者物価指数、連鎖指数、生鮮食品、季節品目、ドリフト
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